【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑥」から
2011/12/09
2011.12.7 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑥」から
権限委譲は現場の自律育む風土が土台
コラムの著者 キヤノン電子社長 酒巻氏が語っているのは、自社の東日本大震災の対応事例に「権限委譲」と「人財育成」について示唆を与えている。
同社で酒巻社長は3月11日直後の緊急対策会議で、役員から「私が現場の陣頭指揮を執ります」という申し出があったそうだが、現場を良く知らない人間が非常時だからといって迅速で適切な判断ができるかというのは反って混乱をきたすことから、「工場長に社長の権限を委譲します」といったそうだ。ただし、報告義務だけを条件として。
結果、すべてうまくいった。実は酒巻社長は、阪神大震災の時に、現場の長として前社長から全権限を委譲された経験があったからだ。権限委譲で、予算と人員などを自由に采配できたことから、震災当夜には被災地の取引先に向けて救援物資と義捐金を積んだ車と船を送りだし、すぐさま部品の調達が可能となったとのこと。このため、他社よも速く部品の確保ができ、工場を止めずに済んだという。
この経験で、今回の震災でも、「現場を良く知っているのは現場」と考え、躊躇なく権限移譲が出来たという。
酒巻社長が示唆する権限委譲の本質:
- トップ(上位者)が達成すべき業務の目的や目標を明確に示す
- それを実現する方法は部下の判断に任せる
- 権限を委譲する側、される側双方の環境整備が必要。
- 委譲する側:権限を中途半端に委譲して抱え込むことを避け、「丸投げ」して結果責任を放棄しない。
- 委譲される側:担えるだけの力量があること。具体的な指示や解決策を与えるのではなく、自分で課題を見つけ、足りない技量や能力を伸ばせる環境を日頃から用意し、結果を出せば評価すること。
- 両者が事前に調整できること
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