【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「グローバル企業の特許戦略⑤DBJキャピタル」から
2011/09/11
2011.9.8 日経産業新聞の記事「グローバル企業の特許戦略⑤DBJキャピタル」から
自前主義ではグローバルな特許市場に対応できない
コラムは、DBJキャピタルの取締役当時部長 山口泰久氏のインタビュー記事である。同社は、日本政策投資銀行系で、ベンチャー企業のIPO支援や特許戦略などを支援する。山口氏は、このブログの著者松本とともに神奈川県産業活性での産学連携活動を一緒に行っている。
山口氏のインタビューから重要な特許戦略をピックアップしてみよう。
【グローバルな特許流通市場】
- 日本企業の特許戦略に欠けているモノ
- 自前主義が強く、保有する特許を市場に売却したり、事業展開で必要な特許を市場から調達する意識が浸透していない
- 特許庁の調査では、製品やサービスに活用していない未利用件数の比率が2006年~2009年まで約50%で推移しており、改善の傾向はない
- 保有していればいつかは使うという認識がある。しかし、使わない特許を積極的に市場に提供する方が有意義である
- 欧米での特許売買
- 特許だけを売買する非メーカーが存在。米アカシア・リサーチなどもその例。
- 市場ニーズで必要とする特許を徹底調査し、特許を探索して顧客企業に売る
- 特許流通の担い手となる企業
- 日本のような自前主義では知財戦略で後れをとる
- リーマンショック後の限られた費用の中で特許を武器にするためにも、特許を市場から調達する文化も必要
- 大企業と中小企業の知財戦略
- 大手に限らず中小企業もグローバル展開を迫られている現状で、知財面での支援は手薄である
- 大企業が率先して「特許流通市場」を活性化しないと、中小企業の事業展開にも影響が出る。
- 大企業の特許が中小企業の展開での参入障壁にもなっているが、TPOに応じてライセンス供与も必要
- 大学発の特許流通は
- 日本ではTLO(技術移転機関)が苦戦。
- 要因は、大学が常に売り手の視点にあり、購入する目線がないからである
- 特許競争力を総合的に分析して自らの特許を有効化する必要もあろう
【日本の特許流通市場のイメージ】
- 欧米型パテント・トロールの問題もあるが、それ以前に市場が求める特許を掘り起こして流通させる”特許管理会社”を増やすことが先決と思う
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