【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑪セオドア・レビット」から
2011/07/29
2011.7.27 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑪セオドア・レビット」から
高度経済成長への警鐘とマーケットのグローバル化の課題を論じたセオドア・レビット
コラムの著者 ブース・アンド・カンパニー岸本義之ディレクターが示す今回の人物は、ハーバード・ビジネス・スクール教授セオドア・レビットだ。(▶参考: 有名な論文「マーケティング近視眼」)
1950年代の米国は、大量生産、大量販売、大量広告でマス・マーケティングが大成功した時代であったという。例えば、たばこで有名なフィリップ・モリスは、1950年代初頭に米国たばこ市場で10%以下のシェアであったが、55年にマルボロの広告に精悍な男性を登場させ、爆発的に売り上げを伸ばし、シェア40%となったとのことだ。このような急成長に対して、警鐘を鳴らしたのがセオドア・レビットの論文「マーケティング近視眼」で、「企業が優先して考えるべきことは、単に商品を生産することではなく、顧客を満足させること」と主張した。現在なら、CS(顧客満足度)を重視するといったことは多くを語られているが、すでに米国の50年代に主張した点は画期的だ。
論文では3つの事例(特に鉄道会社の例をコラムでは取り上げている)で説得し、生産主導の考えが狭いことを指摘した。また、事業の成長は当然と考えていた当時、3つの罠にはまり失敗することも指摘した。3つの罠とは、
- 人口や富が成長する限り自社の対象とする市場が成長すると仮定を置いてしまうこと
- 製品は供給過剰にはなりえないという信念に陥ること
- 低コスト化をもたらす生産技術の向上に信頼を置きすぎること
である。高度成長という恩恵を当然視して事業の拡大を図るという風潮にレビットは警鐘を鳴らした。逆に、マーケティングを顧客中心に立案することを重視し、マーケティングを経営の中軸におくことが、企業の持続的な成長を得るために必要だとした。今もセオドア・レビットの論文「マーケティング近視眼」は時代を越えて読み継がれている。さらに、レビットは、市場のグローバル化を予見して、世界の市場ニーズが同質化していく中で、地域ごとの市場おニーズの独自性ろ、グローバルな統一性という二律背反を世界的な市場で達成すべきかを論じた。今で言うグローバル・マーケティングである。
セオドア・レビットの先見性によ業績は、今も重要なマーケティング理論となっている。
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