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2011.6.16  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ドルビーの新しい試み」から

ライセンスビジネスの変貌―米ドルビーラボラトリーズ

コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏によると、米ドルビーラボラトリーズは、従来のビジネスモデルを変化させようとしている、という。

同社は、映画や各所記録メディアの音響の記録や再生を開発し、その技術を他社に利用権を認めるライセンスビジネスを行っている。いわゆる、ライセンス料を収入源して業界標準となる技術開発を行うものだ。

【既存のビジネスモデル】

再生機器を開発・販売する会社に技術を供与して得るロイヤリティーを得る。

【試行中のビジネスモデル】

昨年来の試行で、コンテンツ編集の企業からフィーは取らず、無償でシステムを提供する。再生する携帯機器メーカーにも同様に無償で技術提供。エンドユーザが同社のシステムを選択して視聴したときのみ、使用権を課すようにした。同社の技術を搭載したコンテンツを先に普及させておき、選択された時点で課金するというわけだ。確かに、メーカーからの従来のロイヤリティーよりもこの利用料は安いが、利用者数が、メーカー数よりも格段多いことから、商売は成り立つという。

日本法人ドルビージャパン漆山正幸社長はドルビーの「良い音」がブランドとして評価されている間に、次のビジネス・モデルを考える必要があるという。

さらにソーシャルメディアの時代になれば、コンテンツ配信や再生機器メーカーの枠を越えて、ユーチューブの用に誰でもがネット上に映像をアップロードできる時代になっている。そこでのドルビーのビジネスモデルがどうなるのかも注目できそうだ。

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