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2011.5.31 日経産業新聞の特集記事「メードバイJAPAN、第4部震災で試される底力①」から

復興の原動力は現場の人のチカラ

コラムでは、東日本大震災で未曽有の危機を乗り切ろうとしているIHIと新日鉄を事例にあげている。両社とも、現場の能力が最大の震災復興の原動力になっているいることを知りぬいている。

IHI(石川島播磨重工業)の元社長 土光敏夫氏の強い現場力を育てる極意が、今も活かされ、今回の震災復興に大きな力となった。

土光氏の極意

  • カネとモノは有限、ヒトの力は無限

IHIの主力工場である相馬工場。航空機エンジンの部材を一手に引き受ける世界屈指の工場だ。その主役は、世界一のリードタイムを誇る女性パートのチカラ。現場改善とその能力を見抜き権限委譲する幹部と女性パートを軸とする現場がリンクして大きな復興力を生んだ。通常は半年もかかると言われた工場の完全復旧を2カ月でやり遂げた。

新日鉄会長 三村明夫氏の極意

  • 現場の失敗を許す。トータルの打率で評価せよ

釜石製鉄所を持つ新日鉄は、震災1カ月で再稼働した。現場の所長が権限を持ち、本社よりも現場が先に動くことで対処。他の拠点がすぐに保全チームを作り、派遣。そして復旧工事。三村氏も実は03年の名古屋製鉄所のガス爆発事故での現場への権限移譲が早期復旧につながった経験を持つ。極意にある失敗を許し、良いところを認めてやれば、現場の力が発揮できるという。

今回の震災の復興は、ITやシステム、道具も必要だが、現場の発想を活かすところにヒントがある。

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