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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「哲学で拓くBIZテク⑮:ハーバーマスに学ぶ会議術」から

2011.5.24 日経産業新聞の記事「哲学で拓くBIZテク⑮:ハーバーマスに学ぶ会議術」から

相手を人間として尊重し相互行為で会議を合意の場に

コラムでは、ドイツの現役哲学者でユルゲン・ハーバーマス(▶ 参考)が唱える「コミュニケーション的行為」と会議の関係を説いている。JuergenHabermas

多くの会議で無駄と思えるのは、単に時間が長い、しっかり議論が出来ていない場合が多いのではないだろうか?

会議をいくら改善しようと思っても厄介のことに、参加者同士で、円滑に会議を進めるノウハウが共有されていないという。

ノウハウのヒントがユルゲン・ハーバーマスが唱えた、人間を「道具」と見ずにコミュニケーションの相手として尊重する態度にあるという。つまり、相手を道具と思うと、力ずくでも説得しなければならず、結果的に良い結果にはならないという。

コミュニケーションは、相手との相互行為であって、相手に要求を掲げ、それを納得してもらった上で承認を求めるもの。その過程で、自分の意見が変わる場合あるかもしれない。コミュニケーションは説得ではなく、あくまでも合意形成の行為と考えようというものだ。

ユルゲン・ハーバーマスが示すポイントは、

①参加者が同一の言語を使うこと:相手にわからない言葉を使うな

②参加者が事実と信じることだけを述べること:その場しのぎの嘘をつくな

③すbての当事者が対等な立場で参加する:上から目線で相手を説き伏せるな

という原則だ。つまり相手から見て謙虚であることだ。

会議は合意を目指して謙虚な態度でコミュニケーションをとること。これが彼の会議術。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「都市再興第2部、震災からの再出発(上)」から

2011.5.23  日経産業新聞の特集記事「都市再興第2部、震災からの再出発(上)」から

復旧ではなく復興の知恵、神戸に学べ

コラムでは、95年の阪神淡路大震災での再出発から学ぶことが東日本大震災の復興の要だという。都市の価値観を一気に失った日本。特に仙台を中軸にする東北は、神戸と同様、国際貿易港としての位置付けがある。神戸では、震災直後のインフラ整備から、公共住宅の建設、地域経済の回復、さらに個人生活の再建と、各段階で、行政は市民との話し合いを設けて、復興に対する熱意の持続をおこなった。

ダイエー創業者の故中内功氏は、震災直後、神戸に開業予定だったホテルを、すでに婚礼予約のお客さまに対して「予定通り開業」こそ「復興の象徴」になると竹中工務店などに働きかけ、無事開業にこぎつけたという。目標を掲げ、熱意を持続させる方法だ。そこには復旧ではなく、復興の「青写真」があった。

東日本大震災では「青写真」が独りよがりしていないだろうか。中央省庁や行政、東京本社ではなく、地元の行政、市民、支社が段階をおって熱意を持続できる青写真を作る必要がありそうだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:リストラで進むアマチュア化」から

2011.5.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:リストラで進むアマチュア化」から

専門職の素養は受け継がれたか?

コラムの著者は、マーケティング部門にふれ、手厳しいしている。コラムの事例では、検索=ググルとなってしまった昨今、きちんとした検索式を組み、その意味合いが分かる人はビジネスパーソンにかなり減ってしまったという。

かつては調査部門で、取引先の状況など検索式の一例のように専門性を駆使し統計的な手法でデータ解析を自ら行っていた。ところが、ググル時代になると、お手軽なITやマーケティング調査専門会社などに丸投げでその結果だけで判断することになってきた。

コラムの著者の指摘は、何も丸投げの是非を問い直してはいない。かつては自社にあったスキルや専門性を簡単に他社に委ね、その結果で果たして、市場やニーズの把握はできるのかといった危惧だ。調査部門が大手でリストラの対象になることが多いことから、このような状況で残った自社内の専門家はプロのレベルのあるのかとの問いである。

東電での記者会見を見ていると、このような危惧は不要だと思いたいが、いかがか?


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コト・マーケティング」から

2011.5.19  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コト・マーケティング」から

コト・マーケティングの無限性

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授によると、機能的な価値を追求するモノでは需要に限界があり、モノを通じて楽しめる「コト」を重視する「コト・マーケティング」は、需要が無限だという。ただし、モノ以上にコトの鉱脈を探し出すのは至難の業のようだ。

事例では、花王のシャンプーの例がある。フケ、かゆみをとる成分、ジンクピリチオンというモノの価値で販売していた「メリット」を、2001年弱酸性の「新・家族シャンプー」として刷新し、家族のあたたかさというコトとすることでヒット商品になった。明治製菓女子学生の間でチョコレートを贈りあう「友チョコ現象」に着目、友情や手作りというコトにしてチョコの販売に貢献したという。

問題は、モノで商品ありきでコトを探しても出てこない。発想を展開しなければ問題は解決しない。A×B⇒CやA⇒A’の発想が、ここにも必要だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「会議を変える勘所⑥:議長は引き立て役」より

2011.5.19  日経産業新聞の記事「会議を変える勘所⑥:議長は引き立て役」から

議長役の気負いすぎは禁物。

  コラムの著者 会議力向上員会員会議ファシリテーター普及協会代表 釘山健一氏によると、例えば議長監修などで気負いこんだリーダーが失敗するのは、張り切りが、反って会議の参加者を”受け身”にしてしまう危険性があるからだという。では議長の役割は何だろうか?

  • 参加者の集中力を引きだす
  • 「主体的に」議論してもらう
  • 意見の整理を参加者に任せることも

多くのノウハウ本が、議長は参加者の意見をまとめることとあるが、釘山氏は、意見の整理まで自分の役割と思ってもらえるぐらい会議をリードすることであって、必ずしもまとめる必要はないという。まとめると反って参加者の主体性が失われるからだ。つまり、議長としては、参加者に対して「意見の整理をするとどうなりますか?」と逆に振るぐらいがよいとのこと。このセリフで、参加者の皆が真剣に整理を始めてくれ、主体性が生まれるからだ。

会議を議長は仕切るのではなく、意見を出させる素地を作り、主体的に参加させることだ。