【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「哲学で拓くBIZテク⑪:レヴィナスに学ぶ『対人関係術』」から
2011/04/21
2011.4.19 日経産業新聞の記事「哲学で拓くBIZテク⑪:レヴィナスに学ぶ『対人関係術』」から
人間関係を良好にするには常に他者を他者として意識すること
コラムの話題は、リトアニア生まれのユダヤ系フランス哲学者、エマニュエル・レヴィナス(▶ 参考)の「他者」に対する思索である。
レヴィナスは「私」よりも「他者」を中心に物事を考えることを提唱してきた。人間は何でも所有したがる。それでも他者だけ所有してはいけないし、本来所有できないものだ。レヴィナスはこの事実を『全体性と無限』という主著で論じている。無限とは、永遠に所有できない他者の存在を指す。人間関係がうまくいかないのは、他者を自分のものであるかのように所有しようとするからだと説く。従って、常に他者を他者として意識する必要があるという。レヴィナスは、そのために「顔」を意識することを薦める。確かに顔を覚えていないというのは、その人を認識していないということだ。
レヴィナスはさらに、自他との「倫理」を説く。これまで倫理と言うと、自他とは対等で対称。つまり、お互い様が前提。ところがレヴィナスによると、顔に象徴される他者に対して無限の責任を負うというのが「倫理」だと説く。いわゆる顔を立てることだ。大事なのは他者の気持ちを推し量り、言い方に注意したり、何らかのフォローをすることが、非対称性の倫理だ。
常に他者への責任を意識することで対人関係を円滑にしようというのがコラム主旨である。人事異動が多い時期。これからの対人関係のキホンはレヴィナスの倫理にあるかもしれない。
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