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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>博士が輝く日本への方策、研究者の専門性生かせ」から

2024.10.13  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>博士が輝く日本への方策、研究者の専門性生かせ」から

学生が不安定な雇用を嫌い博士課程進学を避ける傾向

日本は博士号を持つ人材が活躍しにくいとされているという。コラムの著者 草塩 拓郎氏(日本経済新聞社)によれば、国立大学の法人化で若手研究者の雇用が不安定になり、学生が博士課程への進学を避ける風潮が強まっているという。人口100万人あたりの博士号取得者は2021年に日本は126人、米国や英国、ドイツの4割程度にとどまっているという。欧米では増加傾向であるのに日本は2010年度から4%減少した。草塩氏はその背景について考察している。

○日本の企業や大学が相変わらずゼネラリストを求めることも要因

科学研究や産業の高度化が進むと深い専門性や知識を持つ博士人材の活用は必須だと言われている。草塩氏によれば、文部科学省の科学技術・学術政策研究所が9月に公表した博士課程修了者の仕事に対する満足度調査を分析すると、人材の活かし方が見えるという。

調査では、2012年度に35歳以下で博士課程修了者の企業、大学、行政分野で働く人の仕事に関する満足度を、1年後から6年半後の3時点でサンプリングしている。研究と仕事の内容がどの程度合致しているかを、「強く関連」「やや関連」「関連なし」の3グループに分類した。結果は、研究と仕事の合致が大きいほど、満足度が高いものとなった。

懸念は、調査結果で就職後の時間の経過とともに満足度が下がっていく傾向にあった。博士人材が輝きを失う理由について、調査を行った研究官によると「日本の企業や大学はゼネラリストを育てる傾向が今も強い」と指摘している。年齢を重ね昇進するときに、専門性が高い研究職を離れて管理職に移り、満足度が下がる。欧米のように年齢を重ねても研究者として活躍できる制度が必要だという。

確かに国立大学の法人化で、若手の研究者に任期付きの雇用が広がった。だが不安定な雇用環境は不満を生む可能性もある。今回の調査で、職務の条件についても満足度を見た。任期付きのポストに就いた人の満足度は3年半後で任期の定めがない人よりも13%低かったという。ただし、6年後には有意な差はなかったという。専門性が深められる時間があれば次のポストにつきやすいからだという。

若手の活躍の場を広げるには大学だけでは受け皿が不十分である。経済団体連合会も2月に博士人材の活躍を目指す提言を公表し、専門性を活かすジョブ型雇用の拡大を打ち出した。今後は企業の人材活性がポイントとなろうと、草塩氏はみている。🧬🩻💊👩‍🎓🎓💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『陰謀論』に取り込まれるな」から

2024.10.14   日本経済新聞の記事「私見卓見:『陰謀論』に取り込まれるな」から

批判の矛先を見極め、情報源を見極めよ

「陰謀論」は「一般には知られていない秘密だけれど…」といった、自分たちだけが真実を知っているような言説が飛び交う。科学的な根拠がないものが多く含まれ、反証不可能なことが多く、真偽を見極めるのは難しいとされる。コラムの著者 若宮 和男氏(メタバースクリエーターズ代表)は、陰謀論のついての対応策について語っている。

○意見の同質性は危険

若宮氏によれば、陰謀論には盲信したり、全否定することではなく、適切な距離を持つことが対応策だという。陰謀論の危険性を避けるにはいくつかのポイントがあるという:

  • 批判の矛先を見極めろ
    • 批判自体、自分も含めて批判の対象にする。自己批判を含まない他者批判だけの情報では危険であるという。他社のみを否定すると自分には防衛的な言説となり、結果として「自分は正しい」という自己満足と思い込みで盲信してしまう。
  • 情報源を見極めよ
    • 陰謀論、ゴシップ、スキャンダルが危険な方向に進むのは、情報源が又聞きで1次情報でないことが多い。自分が実体験していないことや、1次情報に当たらず聞き齧った情報だけが1人歩きする。誰かの発言から、自分の考えを補強する一部のみを取り上げて、都合の良い情報に歪曲することもある。
    • 陰謀論が無責任に広がるケースは1次情報でないと自覚して、それを拡散している人がどのくらい1次情報に基づいているのかを注意深く見れば、多くの危険は回避できる。
  • 閉鎖性に注意せよ
    • 心理的に人間は閉鎖空間にいると妄想に陥りやすい傾向にある。閉鎖性は正常な判断を失わせる危険な条件である。エコーチャンバー現象で、自分と同じ意見だけが反射されて繰り返され、増幅される。フォロー、ミュート、ブロックといったSNSでの効能は、情報空間における閉鎖性を助長することがある。
    • ある主張を持つコミュニティーで意見の同質性が高くなったり、異なる意見を聞く耳を持たないと感じたら危険信号である。

VUCAの時代、人間は陰謀論に取り込まれやすいことを意識しておこうと若宮氏は警告している。🛜💬👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(2)、スマホ普及で超複製時代に」から

2024.10.14   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(2)、スマホ普及で超複製時代に」から

「いいね!」「リツィート」のボタンでコピー型投稿が増大

コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、前回に引き続きソーシャルメディアの歴史を振り返りながら「情報」の観点から課題を明らかにし、ソーシャルメディアとの接し方について考察していく。この連載では、ソーシャルメディアの歴史を紐解いていく。

○ソーシャルメディアに超情報過多時代の到来

佐々木教授によれば、2008年のiPhoneが日本のソーシャルメディアの状況を大きく変えたという。さらに、各種SNSサービスで新たな複製のボタン(「いいね!」や「リツィート」)が登場し、他人の投稿をコピーするという社会的インパクトを生みだした。こうして複製のコストが極めて低くなった。米メタ(旧Facebook)の創業者マーク・ザッカーバーグ氏はこれを「摩擦のないシェア」とよんだ。佐々木教授の試算では、2015年には2100万人以上が、このようなボタンを利用してコピー型投稿を行なっていた。こうしてソーシャルメディアの超情報過多時代が到来した。

コピー型投稿の次の波は写真、そして動画へと膨らんでいった。写真や動画は、文字無しでも多くのことを語り、理性よりも感性に訴える。こうしてますますソーシャルメディア上の情報量は増加した。

YouTubeは2005年開始の古いサービスであったが、通信技術の発達で、日本でも普及し、最近は非常に細分化された分類での内容が視聴されている。視聴頻度は、佐々木教授の2021年の調査では、「ミュージックビデオ」「音楽関連のプレイリスト」「趣味に関わるライブや解説動画」っの順であったという。

この動画の提供も偶然ではなく、推奨アルゴリズムの存在が背景にある。利用者の視聴行動を分析・学習し、そのコンテンツとタイミングを予測して提供してくる。TikTokはその究極で、短尺の動画を次々に見せて、興味と関心を惹き、見続けることを無防備で行なってしまうサービスである。🛜💬📱👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:国立公園に訪日客を呼ぼう」から

2024.10.13  日本経済新聞の記事「社説:国立公園に訪日客を呼ぼう」から

オーバーツーリズム対策と地域への経済効果を狙って

社説によれば、日本政府は全国35箇所の国立公園へのインバウンド(訪日外国人)に向けて本格的な呼び込みを始めるという。高級ホテルの誘致などを通じて集客力や満足度を高める方針だという。自然保護と利用を両立させる好循環を生む知恵が必要とされる。

○生物多様性や景観など地域の価値を損なわない配慮が必要

社説によれば、生物多様性や景観など地域の価値を損なわないように留意しながら、訪日観光の魅力を向上させようという日本政府の考えである。今は京都など一部の地域に観光客が集中し、過度な混雑が起こり、いわゆるオーバーツーリズムの社会課題が生まれている。国立公園の活用は、旅先の分散を促し、自然や地方文化を体験する先端的な旅行や観光が期待できる成長分野である。滞在は長めで、消費単価が高くなるために、地域への経済効果は大きいとされる。

前岸田首相も7月に開催した観光立国推進閣僚会議で全ての国立公園で民間企業の活用による魅力向上事業を実施するよう指示していた。期間は国立公園制度100周年の2031年までとした。次政権の石破首相も地方創生を看板政策に掲げ、観光産業は重要な柱であるとの認識は強い。日本の弱点である国際水準の高級ホテル新設や国立公園の一段の活用はその施策として上るだろう。

ただし、課題も山積している。国立公園はもともと手つかずの自然や景観が魅力の源泉である。そこで環境省の計画に、ホテルの立地や設計、周辺のインフラストラクチャー、廃棄物処理で公園の価値を損なわない丁寧な配慮が不可欠である。そこにはホテル新設といったハードウェアだけでなく、環境負荷の少ない移動設備や交通路、移動手段の確保、自然や文化の理解を促す外国語での案内や案内人の育成といったソフトウェアも考慮した、地域の総合力を高めるといった課題がある。保護と利用を両立させる好循環を生む知恵が必要である。🏨🥂🚲🚗♨️🍽️🏕️🥾⛰️🏬✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(1)、ビジネスの可能性で急拡大」から

2024.10.11   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(1)、ビジネスの可能性で急拡大」から

利用者が増えれば増えるほどサービスの価値が上がるビジネスモデル

コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、ソーシャルメディアの歴史を振り返りながら「情報」の観点から課題を明らかにし、ソーシャルメディアとの接し方について考察していく。この連載では、最初にソーシャルメディアの定義、その歴史を紐解いていく。

○「グリー」やmixiがSNSの転機となる

佐々木教授によれば、統計データ企業スタティスタ(ドイツ)による世界のソーシャルメディアの利用者は2023年時点で49億人だとされているという。このうち日本は1億600万人で、インターネットの利用者のほとんどが、ソーシャルメディアを利用しているという。

佐々木教授は、ソーシャルメディアを「ユーザーがコンテンツを共有、交流し、コミュニティーの形成を可能にするアプリケーション」とこの連載では定義している。YouTubeや個人間のやり取りが基本のLINEもソーシャルメディアと考える。SNS(交流サイト)はその1部で、ユーザーのプロフィールをもとにユーザーの人間関係が辿れるものである。ソーシャルメディアには米メタのFacebookやインスタグラム、X(旧Twitter)も含まれる。

日本では、1995年以降、インターネットの利用が拡大し、投稿をする個人も増えた。21世紀初頭にはユーザーが生み出すコンテンツを扱うUGM(User Generated Media)という言葉も生まれた。Blogなどがその例である。

「ソーシャルメディア」という言葉は2010年ごろから使われ始め、UGM時代の情報発信者は300万人程度の小規模であった。仲間内の交流意識で、検索エンジンで検索され、誰かに届けられれば良いといった漠然とした「公有」意識が強かった。1999年に誕生したネット掲示板サービスの「2ちゃんねる」も、利用者同志をフォローする機能はなかった。

SNSで革新的であったのが「グリー」とmixiで、2004年に誕生し、いずれも海外のビジネスモデルを参考に、ネットビジネスに挑戦する起業家が出てきた。2006年以降、利用者が増えれば増えるほどサービスの価値が増大する、ネットワーク効果のビジネスモデルが意識され、日本国内では、mixiが2010年2000万人の会員数を突破して、SNSの勝者となった。🛜💬📱👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵