【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:解雇規制の緩和へ議論を深めよ」から
2024/10/28
2024.10.22 日本経済新聞の記事「私見卓見:解雇規制の緩和へ議論を深めよ」から
時代に合わせた適切な解雇条件を見直し日本経済の再生に
コラムの著者 井野 靖久氏(名古屋大学 未来社会創造機構 特任教授)は、解雇規制を企業による労働者の一方的な切り捨てと思いがちであるが、そうではなく、日本経済を再生するために現代の労働環境に合った適切な条件を見直そうという視点で提唱をしている。
○人手不足が深刻化していく中で失業の増加を過度に恐れることは健全な労働環境とはいえない
井野教授は、まず日本経済の再生には労働環境の流動性を上げなければならないと説いている。現在の解雇規制はあくまでも正規雇用だけを対象としたものであり、非正規社員は現在でも不安定な雇用環境に置かれている。正規雇用の職を希望しても、ポストに空きが出なければ採用の機会は限定的である。正規と非正規の待遇格差を縮め、人材の入れ替えの可能性を高めていかねば公正な社会とはいえない。
また、一方で人手不足を招きながらも失業への過度な恐れは健全な労働市場ができていない証拠である。今や転職市場も拡大しており、企業内に人材をとどめておくことも難しくなってきている。解雇規制が緩和されても、多くの企業が人員圧縮を進めるなどと考えない方が良いと井野教授は指摘している。さらに単純に解雇規制を緩和しても多くの副作用が考えられる。雇用を安定させるために、失業者のスキルアップの支援、労働市場のマッチング機能の向上、不景気の際の新たな雇用機会の創出を日本政府が適切にできれば、失業への恐怖は緩和されるはずである。
労働市場の流動性を高め、人材の適材適所の配置を実現することは、結果として生産性の向上や所得分配の適正化に役立つ。実質賃金を経済の活性化を進めるために継続的に高めていくにも、労働市場の変革が必要だと、井野教授は主張している。🪜❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵