アイデア出し

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:創業オーナーへの『進言』」から

2023.11.1  日経産業新聞の記事「Smart Times:創業オーナーへの『進言』」から

社員は二代目に信任があるわけでないのに後継指名は命取り

コラムの著者 柴田 励司氏(インディゴブルー会長)は、創業オーナーの各位に、自分の息子や娘を後継者にするにはそれなりの覚悟と長期計画が必須だという。時間をかけて慎重にしなければ社員の信任を受けるまでに二代目の経験と鍛錬が必要でもあるからだ。

○世襲させるには長期計画を実行する覚悟が必要

柴田氏によれば、企業のトップは政治のような選挙で選ばれているわけではない。トップは就任してから社員の信任を得るために懸命に働くのが一般的である。創業オーナーである場合、起業時の苦労や成長させるために必死で働いている姿を見せている。そこから強い信任が生まれてくる。だが、二代目はそうではない。

オーナーの息子だから娘だからトップになったと社員が認識してしまうと、たちまち会社組織がおかしくなる。社員は創業一家に対しての忠誠心はあっても、二代目にはビジネスパーソンとしての信任はない。創業者に比べて極端に自社のビジネスの経験が乏しく、社員と共に苦労したこともない。となると負のスパイラルが始まる:

  • 二代目が話しても意見が出なくなる
  • 優秀な社員ほど「言っても無駄」となり、あっという間に裸の王様に
  • 耳に入る情報が偏り、判断がズレてくる
  • 状況を憂う社員に対して反抗だと思い排除するようになり、組織が腐っていく
  • 残りは聞こえの良い社員だけで脇を固め、真に会社のことを思っている逸材は会社から去っていく
  • 二代目の支持を守るために法令違反をしたり、倫理的に問題がある行動をとったるするようになる

もし、後継者をどうしても二代目と考えるなら、周到な準備と見極めが必要だと柴田氏は示唆している。

  • 社会人になった二代目を自社に入社させてならない。全く無関係の企業に勤めさせ、そこで雇用という身分を理解するようにする
  • その企業で実力で課長クラスになるかどうか見極める。NGなら経営には口を出さずオーナーとしても権限だけを付与する
  • ビジネスパーソンとしての一定の力量を備えていると判断したら、自社に入れるが人間力を鍛えることを意識してもらう。

このような長期計画の実行に耐え、覚悟があるなら世襲もあり得ると柴田氏は語っている。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルアワード2023、読ませる工夫、随所に」から

2023.11.1  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルアワード2023、読ませる工夫、随所に」から

ベテランの施工業者にも読んでもらい確実な作業を促す

コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、テクニカルコミュニケーター協会による「ジャパンマニュアルアワード2023」の最優秀賞を受賞したTOTOのウォシュレット一体形便器ネオレストの施工説明書の工夫について述べている。

○施工経験の浅い若い世代には、CG施工動画の2次元コードで連動を

 高橋氏によれば、内容のわかりやすさに加え、確実に読んでもらえるよう知恵を絞った点が受賞で評価されたという。アワード実行委員長の中原司郎氏は「ベテランの施工技術者にも新人にも伝わる工夫が随所になされている」と述べている。

TOTOがこの読んでもらう確実性を重視する背景に、新製品を投入する度に施工技術者に実際に施工してもらい説明書通りにしているかを検証しているという。検証の結果、ベテランほど説明書を読み流す傾向になることがわかったからである。製品の利用者に安心して使ってもらうには、この確実性が重要だとTOTOにはわかっている。

例えば今回の製品のモデル変更で、ある部品の取り付け方法が変わったという。変更箇所を確実に施工してもらうために、表現方法を変え、裏表紙にも取り付け方を記載。すぐに手に取ってもらえるように、梱包を開くとまず説明書の裏表紙が見えるようにしたという。さらに解説には図を使って目立つようにした。新人には取り付け箇所や手順を動画で作成し、2次元コードでアクセスできるように工夫がなされている。

製品やサービスのUX(顧客体験)を高めるには利用者のみならず今回の施工技術者のように関係者にも情報を伝え、確実に実行するように改善が必要である。🪛🚽🔧📚📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:変わる経営、変わらぬ経営」から

2023.10.20  日経産業新聞の記事「Smart Times:変わる経営、変わらぬ経営」から

日本の企業は元来「社会と企業はセット」が常識

コラムの著者 野口 功一氏(PwCコンサルティング パートナー 専務取締役)は、ある大学院で企業経営について講義する機会があったという。講義の内容を考えると、野口氏がコンサルタントを始めたころの経営手法とはかなり変わったものもあったり、言葉は変わったが意味合いは同じというものもあったりしたという。時代で経営手法やキーワードは影響を受けるが、企業からの視点だけでは会社を語ることはできなくなったという。これまでは「良い会社になるために何をすべきか」であったが、今は「良い社会にするために何をすべきか」という観点が必要だという。

○今までは企業の利己的な視点であったが今は利他的な視点の経営

野口氏の講義は、企業の成り立ちから会社に関連するステークホルダーの考え方、今は社員にとって会社とは何かという議論がすすんできたという。現代はSDGsやESGなど必ずしも企業側の視点だけでは語ることができない。利己的な視点から利他的な視点への転換が必要で、「会社の利益=社会の利益」としての経営を構築し、方向性も転換が必要な時である。

試みに大学院生で行った講義を大企業のすでにリタイアメントをした役員経験者の方々の前に行ったという。その時の反応が『?』であった。当時は、パーパス経営など名前こそ違うが、当時は社会のために会社は何をすべきかというのは常識であったからである。日本の成功している大企業は「社会と企業はセット」が常識の経営であった。すでに諸先方からすれば当たり前の話をしていることだったのだという。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:テクノロジーの再興」から

2023.10.31  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:テクノロジーの再興」から

新技術は脅威ではなく自己変革を促し顧客に本当の価値を届ける契機に

生成AIの普及で人間の仕事がAIに奪われ、既存の業界に破壊的な影響を及ぼすと一部脅威論があるが、コラムの著者 小松原 威氏(WiLパートナー)は、それは今に始まったことではないという。例えば、アマゾン・ドット・コムによる書店ビジネスの破壊がある。しかし、そんな書店業界に復活の兆しがあるという。

◯英米の大手書店の復活劇

 小松原氏によれば、復活劇が始まったのは、米国最大の大型書店チェーンのBarnes & Nobleである。Barnes & Nobleは1886年に創業され、20世紀に繁栄を極め、2008年はピークであった。その後アマゾン旋風で、150店舗閉鎖、大きな損失を出して、当時株価も80%以上下落した。2011年大型書店チェーン2位のボーダーズも経営破たんした。

しかし、2019年にヘッジファンドが買収後、英国大手書店チェーンを経営していたジェームズ・ドーント氏がCEOに招聘され復活劇が始まった:

  • 画一的なものではなく約600の独立した地元の書店のように自主性を与えた。
  • 本社主導の大量仕入れ・大量販売をやめた。
  • 出版社から宣伝費を受け取って店内の最も目立つ場所に宣伝用の書籍を積むこともやめた。
  • 店の店員がおすすめする本を店頭に置いた。
  • アマゾンはあえて競合ではなく、読書文化を広げる存在と捉え、書店は気軽に店で読みたい本と出会い、友人や家族と過ごすコミュニティーの場所と位置付けた。

新型コロナウイルスの感染拡大で読書ブームも追い風となって10年以上にわたって店舗を閉鎖していたBarnes & Nobleが2023年には新店舗を30店舗開いた。

独立系書店の販売を支援するオンライン販売のマーケットプレイスを提供するBookshop.orgもデジタルとリアルの店舗を結びつけ、販売に寄与している。

このように、新たなテクノロジーの出現は脅威ではなく、自身を変革し、本当の提供価値を顧客に提供できるチャンスにもなる。🏬📕🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇬🇧🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:決して決めつけない姿勢」から

2023.10.30  日経産業新聞の記事「Smart Times:決して決めつけない姿勢」から

人の行動を見ただけでその姿勢まで推測してはならない

コラムの著者 スティーブン・ブライスタイン氏(レランサ社長)は、自らパリに移住して起業した際の逸話と日本人とフランス人へのコーチングについて述べ、文化的背景の相異からビジネスでは姿勢が違うことに触れている。

○両極端のフランス人と日本人の行動と姿勢

ブライスタイン氏がパリで起業した際に、フランス語でのビジネスに当時自信がなく、マーケティングを手伝ってくれる女性を雇用した。早速見込み客である大手出版社の副社長と商談することになった。彼女にマーケティングマネージャーとして相手の副社長と話すことを任せた。

ブライスタイン氏とマーケティングマネージャーの提供するサービスに懐疑的であった副社長は、多くの批判を浴びせた。それに対してマーケティングマネージャーは反論をして会話はどんどん白熱化していった。憤慨した副社長は、さらに激しい反論をして、声を上げ、目を見開き、反抗的な罵詈雑言を浴びせた。ブライスタイン氏は、折角雇ったマーケティングマネージャーも解雇を通告すべきかなと考えた時、彼女は「うまくいったわ!」と告げた。ブライスタイン氏は、「あれはひどい会話でお互いに怒鳴り合っていたじゃないか」「スティーブ、それは誤解ですよ。あれは副社長が興味を持ったということなのです」と彼女はニヤリとしたという。実際、1週間後、その会社とは契約締結となり成功した。

人の行動を見ただけで判断し、その姿勢まで推論してはいけないということをこの時学んだという。つまり、フランス人が論争するのは、不賛成、怒り、意見の相違などではなく、かなりの議論をしてその理由を追求しているのだと。一方日本人の場合、沈黙は無関心、不賛成、理解不足のサインではなく、考える時間を与えるためのもので、珍しいことでも気まずいことでもない。つまり、人の行動だけをみて判断してはならず、相手が理由があってそのような行動に出るから、その理由を聞けばよいのである。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇫🇷