【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『内助の功に報いる』と合計特殊出生率」から

2024.6.6  日本経済新聞の記事「春秋:『内助の功に報いる』と合計特殊出生率」から

配偶者特別控除は「内助の功」に報いるため?!

コラムの著者は、近年死語に近くなっている「内助の功」という言葉とは一見無関係に見えるが、実は密接に絡む日本国の出生率の社会的課題、さらに世界での傾向について語っている。

○出生率の低下は全世界的に

コラムの著者によれば、「内助の功」は、夫が外でバリバリ働けるのは、家をしっかり守る妻あればこそ、といった意味で平成の初頭まで認識されていたという。新聞にも「内助の功」を讃える美談が掲載されたこともあったという。叙勲などを受けた人がインタビューで応える際の常套句であった。

内助の功の概念は日本政府の政策にも影響を与えた。1987年に配偶者特別控除が創設されるときの謳い文句として「内助の功」があった。昔の家父長制の名残が残り続けるとした想定であったのか。男女雇用機会均等法が施行されたことで後押しもあったが、世の中が大きく変わった。すでに夫は外の概念も消えた。しかし、出産と育児をめぐる仕組みづくりと意識改革は立ち遅れて、いまに至っているという。

先ごろ公表された2023年の合計特殊出生率が過去最低の1.20にまで下落した。出生数も過去最小の72万7千人と減少が著しい。かねてから人口減少と少子化の危機が叫ばれていたが、新型コロナウイルスの感染が低調となって多少反転するとの希望もあったが、そんなシナリオはとっくに吹っ飛んだ。正真正銘の崖っぷちであり、日本から子どもがいなくなるのである。

少子化問題はさらに深いとコラムの著者は警告している。出産・育児への支援が行き届いた北欧のフィンランドなども出生率が低下してきているという現実である。日本が、「内助の功」の概念に浸っているころ、多くの手を打ってきた諸国でさえも苦慮している現実がある。人類はこれほど手強い災厄の中で一矢報いることもできていない。🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇫🇮


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:眠る子どもと話すこと」から

2024.6.6  日本経済新聞の記事「あすへの話題:眠る子どもと話すこと」から

肉体の表面に現れた親子の人間関係で活性化された子どものこころにふれる

コラムの著者 森岡 正博氏(哲学者)は、前回に引き続き、「アニメイテド・ペルソナ」について、能役者の能面の事例を示したが、さらに眠っている子どもに話しかける場合の思惑について考察している。

○欧米とアジアの文化の差でアニメイテド・ペルソナの感じ方が違う?

私たちは眠っている自分の子ども達に話しかけるとき、何を感じているのだろうか?もちろん、起こさないように小声で話しかける。しかし、よく考えてみれば、このとき、一体何に向かって話しかけているのであろうか。子どもの脳の中にある子どもの精神に向かって話しかけているのであろうか?

だが、子どもはぐっすり寝ているのだから、私たちの声は子どもの精神には届いていないはずである。だとしたら、私たちが話しかけている相手は、目の前の子どもの肉体なのだろうか。それも否定的である。では、誰に私たちたちは話しかけているのだろうか。

森岡氏がいう「アニメイテド・ペルソナ」がその話し相手であり、ぐっすり眠る子どもの肉体の表面に現れた子どものこころであるという。子どもの精神は、熟睡している子どもの表面には現れていないが、その子のアニメイテド・ペルソナは生き生きとその子どもの肉体の表面に現れ、話しかけて欲しいと鳴き声で叫ぶという。

このような話を欧米の学者の前で話すと、何か違和感を感じるという。ただ、インドや中国の学者からは共感をもっと迎えられることがしばしばあった。どうやら文化の東西差が関係しているようだと森岡氏は感じている。👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『犬笛』とネット」から

2024.6.7  日本経済新聞の記事「春秋:『犬笛』とネット」から

犬にしか聞こえない笛が流行語になるのは?

コラムの著者によれば、「犬笛」という言葉が選挙やテレビ討論、インターネットの「炎上」などの関連で見かけるようになったという。「犬笛」は本来、人には聞こえず、犬には伝わる周波数の音を鳴らせる増えだという。つまり、周りの人に気付かれずに、飼い犬にこっそり命令を与えるときに使われるという。さらにそれが転じて、政治家や評論からの支持者やファンを操る操作を指すようになったという。

○扇動の意図がないのに犬笛を吹くような行為になるのがSNS社会か

コラムの著者によれば、問題は、支持者やファンの行動である。「誰それは嫌い」とか、「この集団は有害」と、飼い主が犬笛を吹くと、影響された支持者やファンは、SNSなどで集中攻撃を仕掛けたり、実際に襲撃するといった物騒なものである。ネット炎上の火種をつけた人間は「指示などしていない」と嘯くのである。学校のいじめ問題にも「犬笛」型が横行しているという。

扇動の意図がないのに「犬笛」になってします怖さがSNSにはあるという。漫画「セクシー田中さん」のドラマ化を巡るトラブルで出版社が調査結果を公表した。放送終了日に脚本家が、後に原作者が経緯を投稿。原作者に同情が集まり、「脚本家へ避難が集中した」という。原作者は失踪し、遺体で見つかった。

悪意の犬笛に振り回されず、善意の投稿を犬笛にしない冷静さが読み手に求められる。これからの選挙の季節、心したいところであろう。💬📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:『大丈夫』」から

2024.6.4  日本経済新聞の記事「あすへの話題:『大丈夫』」から

各世代で変わる「大丈夫」の意味

コラムの著者 烏飼 玖美子氏(立教大学名誉教授)が、幼児から大学生、社会人など年齢を経るにつれて同じ言葉でもその使い方や意味が変わることを、身近な「大丈夫」という言葉で考察している。

○小児だから大人のことばを吸収?

烏飼教授が9歳の女の子に食べ物を勧めたら「だいじょうぶ」という答えが返ってきたという。どうして「だいじょうぶ」なのか、分からないので本音を聞いてみた。彼女の本音は、どうやら苦手な食材で食べたくなかったらしい。鳥飼教授は、小学校4年生の彼女には、すでに断る際に相手の気持ちを傷つけないように婉曲表現を使っていることに驚いたそうである。

こんどの彼女の母親に内容を確かめたところ、「どちらでもいい、という感じの時に『大丈夫』を使う」という。さらに、女の子の叔母に尋ねると、「本当は欲しいけど、でも、他に欲しい人がいるかもしれないから、と慮って、(わたしを優先しなくても)『大丈夫』という」とのこと。

どうやら、9歳の女の子は、周囲の大人の言葉遣いを聞いて、断るときは「大丈夫」と答えれば大丈夫と考えたようである。「大丈夫」は、

  • 堅固なさま
  • 間違いなく、確かに
  • 必要・不要の意を確認する(事例:手伝いが必要かそうでないかを聞く際に、「大丈夫?」と問い、「大丈夫です」と答えれば手伝いは不要という意味)

の時にも使う。最近は、コンビニエンスストアで店員が弁当を買った客に「お箸は大丈夫ですか?」と尋ね、「大丈夫です」と答えれば不要ですの意味になる。さらに、「問題がない」という際に「全然、大丈夫」と表現する若者も多い。

だが9歳児には時には「大丈夫」だけだと婉曲な否定とは理解されないこともあるので、「欲しくないときはその気持ちをちゃんと伝えて大丈夫だよ」と鳥飼教授は諭してしまった。👩👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「生成AI、小学校授業にも:国語や情報教育に活用、適切な利用を早期に学ぶ」から

2024.6.5  日本経済新聞の記事「生成AI、小学校授業にも:国語や情報教育に活用、適切な利用を早期に学ぶ」から

早期から適切な利活用を身につけトラブルを防ぐ

コラムの著者 三浦 日向氏(日本経済新聞社記者)は仙台市にある宮城教育大学附属小学校での情報科の授業の様子を説明し、児童が生成AIにプロンプトを出しながら、利用に際しての仕組みの理解などの気づきを与えているという。小学校での取り組みについて考察している。

○ユネスコやオープンAIでも13歳未満の使用を禁止、18歳未満では保護者の同意が必要

三浦氏のコラムでの紹介している小学校情報科の授業の一部は次のようである:

  • 「新しい絵文字を描く」、「架空の野球選手を作成する」といったテーマに対して児童が一斉に生成AIに指示(プロンプト)を出す。
  • ある児童が、「2021年までの情報しかないと(生成AIが)答えている」という。担当の上杉秦貴教諭は「発見だね」と応じたという。さらに授業の最後に「生成AIはネットの情報をつなげるもので、つなげ方を間違えることもある」などと解説した。
  • 生成AIを取り上げる理由を上杉教諭は「子どもは家庭や社会でAIに触れる機会があり、仕組みなどの理解がなければ取り返しのつかない事案につながる可能性がある」と語る。生成AIは基本的に子どもの利用を想定していない。誤りや危険な情報を鵜呑みにしたり、個人情報などAIに学習させるべきでないことを入力する可能性があるためである。

対話型AI「ChatGPT」を開発したオープンAIは13歳未満の使用を禁止し、18歳未満は保護者の同意を必要とする。ユネスコも教室での使用は13歳からとしており、教員研修の必要性を強調する。文部科学省も生成AIについて開発元が求める利用規約などに基づいて使うように求める。

三浦氏のコラムでは、一般的な教科で生成AIを使う札幌市立中央小学校を紹介している。同校では俳句や詩を作る国語の授業で使っている。教員が生成AIに作らせた俳句を示し、児童が「季語が2つもある」「意味が通らない」など批判的に読み解くことにより、より良い創作を模索できたという。

安全に利用するための取り組みも宮城教育大学附属小学校ではAIに学習されない仕組みのデジタルツールを使って実証を進めている。💬🏫📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵