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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: お絵描きイベント、グラス傾け、新たな社交場」から

2016.11.22   日経産業新聞の記事「風向計: お絵描きイベント、グラス傾け、新たな社交場」から

米国でのアートイベントの開催ビジネス

コラムの著者 竹内 道氏(アークメディア社長)は、米国で広いバースペースなどで、お酒を飲みながら、絵を描くという社交の場を提供しているVBについて語っている。

◯2012年に2人の起業家がボストン郊外で創立

この会社、ペイントナイト(Paint Nite)は、VBとして2012年に創立以来、スタッフ110人、年商5500万ドルの規模に成長した。全米の約1500の都市で合計3500軒のバーと提携しており、毎月約5500軒のイベントを開催しているという。

同社が開発したお絵描きプログラムは、全米各地に250人存在するクリエーティブ・アントレプレヌール(CE)と呼ばれる人たちにライセンスをされ、割り当てられたエリアにて、イベントの運営を行う。

  • ペントナイトのイベントの」ウェブサイトの運営
  • オンラインを中心としたプロモーション活動
  • 画材の開発

は、ペイントナイト自体が行い、総売上の70%はCEに支払われるというビジネスモデルである。

イベントの進行役は絵の教師やプロのアーティストが起用され、各参加者を見回って助言をし、和気あいあいの雰囲気の中でキャンパスは仕上がっていくという仕掛けである。お手本の絵にならって全員が同じものを描くため、上手下手の競争感もなく、気楽に2時間後には完成する。画材も主催者側が準備し、参加者は手ぶらで参加できる。利用者はECサイトの買い物と同様に関心のあるタイプの絵、便利な場所から選択肢からイベントを選び、参加費を支払う。画材込みで45から60ドル。今年のクリスマスからギフト券も発売する。

参加者は20代から30代の女性が大多数で、35から80人と規模も様々。生計を立てていくのがなかなか難しいアーティストにとっても新たな収入源を提供しているのだという。まさにライフスタイル創出型ビジネスであると竹内氏は語っている。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:気候変動の考察、『総体の専門家』育てる」から

2016.4.1  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:気候変動の考察、『総体の専門家』育てる」から

全体の専門家が不在での運営も試行錯誤

コラムの著者 蛯名 邦禎氏(神戸大学教授)は、国連の気候変動に関する政府間パネルであるIPCCを各方面の専門家だけでなく一般市民も含め読み解きをすすめているという。

◯IPCCの取り組みは個別の専門家が全体の専門家ではない

すでに蛯名教授の神戸大学サイエンスショップ主催の『IPCCレポートを根掘り葉掘り読む会』は130回の例会を迎えたという。

従来の科学者の集まりでの報告ではなく、従来の科学では答えが出せなかった分野横断的かつ複雑な現実のシステムである気候の問題に対して、問題をどのように理解し、そこからどのように将来を予測し、その不確実性の程度を見積もり、その不確実性のもとでどのような意思決定をすべきかとという選択肢を提示するという、極めて困難な課題に取り組んでいるからであるという。

課題は広範囲にあり、それぞれの分野の専門家は、全体の専門家ではない。このような全体をみる専門家が不在の中でどう課題に取り組んでいくかさえも試行錯誤であるという。そこで、伝統的な諸分野の科学者、行政、政治、市民などの人々が集まり、メタ科学的な課題に取り組むことが求められる。やがで、「読む会」の参加市民も総体の専門家になることの挑戦でもあるという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:スペースマーケット、球場で社員総会いかが」から

2015.8.6  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:スペースマーケット、球場で社員総会いかが」から

スペースとコンテンツを組み合わせた新たな価値

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、空きスペースの時間貸しサービスを手がけるスペースマーケット(東京・新宿)を取り上げ、その付加価値について触れている。

○組み合わせの妙味が新市場形成

同社は具体的な提供サービスとして、

  • 映画館で結婚式の2次会
  • 渓谷を走る電車でパーティー
  • 歴史遺産の邸宅で企画会議
  • 米国球場で社員総会
  • 「笑っていいとも!」で有名なスタジオアルタで社員総会
  • 妻のために映画館を貸し切ってサプライズパーティーをした個人

などがある。このように同社は企業や個人が持つ有休スペースや利用時間外の場所を3500ほどをおさえて、利用者の要望であるエリア、会場タイプ、利用目的で選べるという。さらに使い方の事例や感想もサイトに掲載し、顧客とのやりとりの履歴や決済・入金・予約受付、稼働率、売上などを一元管理するサービスも利用できる。

スペースを貸す方は、無料で掲載でき、成約すれば副収入が得られる。同社は成功報酬として売上の20%から35%をとる仕組みである。

単なるマッチングサービスではなく、こんな場所でこんな使い方もあるという新しい需要創造を絶えず意識して事業を進めている。まさに組み合わせの妙である。buildingsoccerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:有料会員制オンラインサロン」から

2015.3.27    日経産業新聞の記事「流行を読む:有料会員制オンラインサロン」から

価値観の共有で参加者が支持

コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)は、Synapse(シナプス)というオンラインサロン・プラットフォームを用いたサービスが、岡田武史氏(サッカー日本代表元監督)や堀江貴文氏(起業家)が主宰するサロンで話題になっていることを語っている。

○使い方はPC通信時代のCUG(クローズド・ユーザー・グループ)

サロンの会員になれば、オンライン上の討論に参加でき、さらに、オンラインでの勉強会にも参加できる。ネット炎上の失敗談を聞いて、クローズドで運営することで、興味関心、価値観が合う仲間と安心して交流できるという。広告収入はニッチな情報なので大きくは望めない。そこで、有料サロンのビジネスモデルを採用し、著名人のサロンは月額1万800円で岡田氏は100人、堀江氏は600人を集めているという。月額1000円〜5000円の料金が多く、会員数は平均すると1サロンあたり数十人ほどとのことである。

同社は、サロン開設は無料だが、プラットフォーム利用料として、サロンの売り上げの決済手数料を除いた20%を受け取る。残りをサロンの主催者に支払う仕組みである。

今後、サービスをサロンのイベント開催の支援、決済、電子書籍の販売、クラウドファンディングなどに拡張するという。同じような価値観の顧客を取り込み、安定した収益をえるビジネスモデルといえそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:米IT、研修に禅導入」から

2014.10.17   日経産業新聞の記事「流行を読む:米IT、研修に禅導入」から

「今、ここ」に集中する

コラムの著者 川崎 由香利氏(ジャーナリスト)は、米グーグルが社内研修に宗教とは切り離した禅の思想をとりいれたEI(Emotional Intelligence; 情動知識)を使っていることを取り上げ、持続可能な発展を模索する時代の1つの試行として紹介している。

○同社のオリジナル研修(Search Inside Yourself, 自分の内を検索せよ)

禅の瞑想を取り入れ、ストレスの軽減や集中力のアップを狙った研修で、新しいリーダーシップを高める。EI、つまり自分や他者の感情を理解して管理、活用する能力を言い、新しいリーダーシップとは、この能力が高い、仏教の慈悲や思いやりをもったリーダー像だという。

社内のみならず社外にも展開しており、日本では13万5千円と高額な研修費にも関わらず、開催5か月前に完売。この中の瞑想を提唱するのが、ベトナムの禅僧、ティク・ネット・ハン師である。同師は、米グーグルはもちろん、多くのIT企業で講演を行い、食べる瞑想、歩く瞑想を通じて、心の平安を得るのだという。

東洋の知恵が西洋の最先端技術の会社に活かされるいる点は興味深い。happy01