ビジネスへの応用

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:実質賃金から考える地方創生」から

2025.3.21  日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:実質賃金から考える地方創生」から

低い生計費や短い通勤時間などのメリットを生かし、アメニティーを高めれば地方都市は生き残れる

コラムの著者 、森川 正之氏(一橋大学特任教授)によれば、東京一極集中と言われるが、この是正は人口移動がゼロサムであることから地方自治体間の存続をめぐる競争とも置き換えることができるという。移民を大規模に受け入れないかぎり、全ての市町村の人口は維持できないことを物語っている。大都市は集積の経済効果で、生産性や賃金が高いために人口集中を制御するのは難しいという。

○名目の数字で設計されている税制や基礎控除で実質的な格差が生まれる

森川教授によれば、賃金は人口移動を決める大きな要素である。だが、空間経済学によれば、住宅価格やアメニティー、つまり生活の質を考慮せずに名目賃金だけを地域間比較するのは適当でないという。「物価上昇に負けない賃上げ」という観点から、物価上昇率を差し引いた実質賃金の動向が注目されるが、時系列だけでなく、地域間の横断的な物価水準の違いを調整した実質賃金を比較しなければ意味がないという。

さらに様々な制度が名目額で設計されている。累進所得税の税率の刻みや基礎控除額は名目額で全国一律なので、実質所得が同じでも生計費が高い地域ほど所得税の負担は大きくなる。この点を考えると東京圏は実質手取り所得がさらに低くなる。東京への人口集中には実質賃金以外の要因が強く働いていると考えられる。東京は多様なサービスが享受できる反面、混雑というディスアメニティーがある。

国民は物価や働き方への関心は高い。地方都市は、低い生計費や短い通勤時間などのメリットを生かし、アメニティーを高めることが生き残る手法だと、森川教授は指摘している。🗼🏠♪🎧📺💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:トランプ時代にESGを磨く」から

2025.3.19  日本経済新聞の記事「中外時評:トランプ時代にESGを磨く」から

ぶれない欧州、悩む米国、原点に立ち返る日本の各市場

コラムの著者 小平 龍四郎氏(日本経済新聞社 上級論説委員)は、脱炭素の流れを止め、DEIに背を向けようとする米大統領に対して、リベラルな価値観への強烈な逆風こそ、本物と偽物を分け、企業評価や投資手法としてESGを磨いて切れるから、感謝すべきと幾分皮肉を込めた解説が述べている。

○かつて市場を席巻したESGブームも深化と洗練の時代に入った

小平氏によれば、こういった逆風の中でも欧州はESG投資に対してぶれていない。「気候変動問題や多様性などの視点を投資判断に加味していることに、何ら変更はない」とフランス大手資産運用会社アムンディのCEOは語っている。

日本市場でも時価総額30億ドル(約4400億円)以上の企業に「少なくとも2人」の女性取締役を求める方針は変わっていない。これらの基準はさらに引き上げられる可能性があるという。

外部のESG格付けに従って機械的に銘柄を選ぶ運用や、「売りやすいから」という理由だけで設定された投資ファンドは、反ESGのうねりには一撃されるだろう。

一方で、企業の中長期的価値を予想する投資家にとって、ESGの視点は欠かせないという。また、米国の資産運用会社は悩み、怯えているという。ESGに関するコメントはほぼ例外なくオフレコや匿名が条件となっている。下手なことをいってトランプ米大統領に睨まれたくないのが正直なところで、「脱炭素」や「女性活躍」のスローガンは臆面もなく撤回された。

ここきてぶれない欧州、悩む米国。そして原点に立ちかえる日本市場。興味深いのはかつて市場を席巻するかに見えたESGブームも、深化と洗練の時を迎えたということである。この不可逆な流れは、トランプ政権の恩恵か?😷🏢🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「東大入試数学、AIが合格水準」から

2025.3.16  日本経済新聞の記事「私見卓見:東大入試数学、AIが合格水準」から

推論モデルで進化し、教育にも影響が

コラムの著者 越川 智瑛氏(日本経済新聞社)によれば、AIは東京大学の入試問題の数学を「合格レベル」で解けるほどになったという。これまで他の科目に比べ数学は苦手なAIであったが、推論モデルの導入でモデルを論理思考に変えて成績を上げた。また、関係者の競争原理で大規模な投資が進み、スケーリング則と呼ばれる学習データの量を増やし、計算量も増やし、AIモデルのパラメーター数を増やすことでLLMの性能が大幅に改善してきているという。

◯合格ラインを超えたというより上位合格者のレベルになった

越川氏によれば、米オープンAIのo1モデルなど「推論モデル」が2024年9月以降相次いで登場し、従来とは異なるアプローチを身につけて状況が一変した。国立情報学研究所の新井紀子教授が「o1は東大合格者のレベルに達したと言っていい」というほど進化した。o1は2025年2月の東京大学2次試験の理系数学だけでなく、過去の難問とされる問題もほぼ解けそうだという。

2024年2月時点ではCharGPTでは東京大学の入学試験問題で数学には歯が立たなかった。それが数学などの論理的思考を必要とする課題の解決に特化した推論モデルの登場によって、1年で大飛躍した。同様のことが米国数学オリンピックの予選「AIME」の問題の正解率をみても大幅にこの1年で進化したことが示されているという。

なぜ推論モデルが高い成績を出せるのかは十分に明らかになっていないという:

  • 「強化学習」:正しい推論をこなった場合に報酬を与える
  • 「思考の連鎖」:課題を段階的に分けて解く
  • 計算量の増加:推論にかける時間を増やし計算量を増やす

などの組み合わせ技術が技術向上につながるという。

AIが急速に進化する中で、大学の入試や教育は変革を迫られそうだという。AIを不正に利用しやすい試験や課題では、公正な成績評価や効果的学習が難しくなる可能性がある。自力で学びたい学生の成績がAIを使った学生よりも不利なことになりかねないからである。🧠📈👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:キャッシュレス化で変革せよ」から

2025.3.13  日本経済新聞の記事「私見卓見:キャッシュレス化で変革せよ」から

キャッシュレス化への投資はコストではなくイノベーションの源泉

コラムの著者 アダム・ブラウンステイン氏(AdyenJapan代表取締役)は、スイスのスポーツブランド「On(オン)」や世界最大級のサッカーチーム「FCバイエルンミュンヘン」での事例でキャッシュレス化が顧客体験から企業のブランド戦略やファンづくりに役立つことを示している。

◯シームレスな購買体験の実現は企業のブランド戦略を支える

ブラウンステイン氏によれば、現金志向が根強い日本でも、クレジットカードやQRコードなどによるキャッシュレス化が徐々に定着してきているという。同時に、キャッシュレス決済を単なる利便性追求でなく、マーケティング力や顧客体験の向上といったビジネスのイノベーションに結びつける動きであるという。

Onの場合は、店舗スタッフが持つ端末で決済を行うキャッシュレスシステムを導入しているという。顧客は試着後、レジに並ぶ必要もなく、スタッフの端末でその場の支払いを完了できる。これによって会計時間が短縮でき、スタッフは丁寧な接客など付加価値の高い業務に集中できる。つまり、顧客満足度の向上と業務の効率化を両立させている。

世界最大級のサッカーチーム「FCバイエルンミュンヘン」では、サッカーの観戦チケット販売やミュージアム見学、動画配信、ECサイトでの購入を「ユニファイド」して、あらゆるチャンネルにまたがる煩雑な決済を一本化している。業務の負担や時間を大幅に削減し、決済データの統合的分析で、ファンの行動を把握し、一人ひとりに合わせたサービスの提供を行っている。データによってファンとの関係を強化し、新規のビジネスに繋げる。

このようにキャッシュレス化は、シームレスな購買体験を実現し、結果として企業のブランド戦略を支えることになる。💳📈👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇨🇭🇩🇪


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:『遠きをはかる』地方創生を」から

2025.3.14 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:『遠きをはかる』地方創生を」から

「自分たちのまちは自分たちの手でつくる」という地域リーダが原動力

コラムの著者 野田 由美子氏(ヴェオリア・ジャパン会長)によれば、「遠くをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す」と、二宮尊徳は説いたという。遠い将来を考えて行動する人は、裕福になり、短期的に考える人は、貧しくなるという意味である。地方の持続可能な未来を築くには、急がば回れの精神と未来に投資する勇気が必要だという。

○人づくり、仲間づくり、そして場づくりが人口減少・地方衰退に抗うための最も有効な挑戦

野田氏によれば、二宮尊徳の言葉ではないが、地方創生の要点は、急がば回れで行動し、未来を見据えて投資することだという。そのために人づくり、仲間づくり、そして場づくりが要諦だという。

野田氏は、石破政権が推進している「若者と女性から選ばれる地方」のこのモデルケースとして東日本大地震で壊滅的な被害を受けた宮城県気仙沼市に注目している。まずは、人づくり、人材の育成だという。特に、「自分たちのまちは自分たちの手でつくる」という気概をもつ地域のリーダ人材が必要だという。そこで気仙沼市では経営リーダー塾と場づくりである気仙沼市全体を1つのキャンパスに見立て人々の交流を促した「気仙沼まち大学」の存在がある。

さらに仲間づくりとして、仙台や東京の有志や企業、経済団体が支援の手を差し伸べ、震災から5年で100人を超える塾生が巣立ったという。

日本の地方創生はまさに転換期を迎えていると野田氏は指摘している。これまでインフラ整備や企業誘致、一過性のイベント事業など多様な政策と膨大な予算が投入されてきたという。しかし、その多くはハードウェアの充実や一時的な経済効果にとどまり、地域力の真の涵養とは至っていないという。地方の持続可能な未来を築くには、急がば回れの精神と未来に投資する勇気が必要だと野田氏は提言している。📉📈🏭🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵