【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:ストックオプション考」から
2023/03/12
2023.3.8 日経産業新聞の記事「SmartTimes:ストックオプション考」から
本来は企業価値向上というステークホルダーの関係で企業ごとにカスタマイズすべき
コラムの著者 高宮 慎一氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー)は、新産業としてスタートアップエコシステムを立ち上げるには企業の中での資源配分と同様に社会の中での人材と資金の配分が重要だと述べている。岸田政権の「スタートアップ育成5ヵ年計画」のマクロレベルでの政策と連動して労働市場で市場原理が正しく機能し、リスクテイクが大きく報われるような報酬制度も重要である。高宮氏はこの報酬制度としてもストックオプションについて考察している。
○スタートアップの報酬制度でストックオプションが議論
高宮氏によれば、スタートアップエコシステムでの資金面は2012年で約600億円、2021年んいは約8000億円と順調に伸びている。次の課題であるのは、優秀な人材を多く呼び込み社会全体として人材の流動性を上げることで、成長性が高くポテンシャルのある新規産業に人材を厚く配置することであるという。岸田政権の肝煎である「スタートアップ育成5ヵ年計画」でも海外からの人材の誘致、復業の促進、リスキリングなど、人材の流動性を上げる政策は取り上げられている。
問題はこのようなマクロな政策に対して、ミクロな実践領域でリスクテイクが大きく報われるような報酬制度をどう進めるかとなってくる。そこでストックオプションを中心とした株式報酬には、
- 将来を含めた人材の企業への貢献を動機づける
- 過去の貢献に報いる
- 企業内の労働市場と外部の市場の間の現金報酬の相場ギャップを埋める
という役割がある。しかし、ストックオプションの総発行量が多いほど良いとか、権利の行使価格が低いほど良いといった単純な思考に陥りやすい。ストックオプションを用いて本来の目的である役職員、経営者、株主といった多様なステークホルダーを企業価値の向上という共通のゴールに向けて進むインセンティブと考えるべきだという。ストックオプション制度を使ってステークホルダーが一丸となり、外部の事業環境、自社の状況に応じて各社ごとに経営判断としてカスタマイズしなければならない。そこに組織運営の妙があると高宮氏は指摘している。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵