【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:情報はフリーになりたがる」から
2025/05/29
2025.5.28 日本経済新聞の記事「中外時評:情報はフリーになりたがる」から
無料の意味だけではなく、自由になりたがる意味で情報セキュリティー的に課題も
コラムの著者 土屋 大洋氏(日本経済新聞社 客員論説委員)によると、今年のゴールデンウィーク後半に英国の名門大学で起こった事件を紹介し、ICT社会の利便性と情報セキュリティの脆さについて語っている。
○一度送信したものは取り返しがつかない
土屋氏によれば、英国のある大学を訪れた際に聞いた話は、インターネットが普及し始めた初期に起こった事件であるという。きっかけは、ある科目を担当する教員が履修者に課題の締め切りを通知するために送った電子メールであった。このメールが何らかの不具合で、大学内のメールアカウントを持つ全員に届くことになってしまった。さらに、その授業を履修しておらず、困惑した学生がそのメールに返信したところ、再度全員に届いてしまうことがわかった。
ここから先は想像の通り、学生たちが悪ノリをして、さまざまなメールを全員宛に送り始めてしまった。サークルの勧誘や映画のシナリオ、図書館近くでヤマアラシが見つかったから気をつけろといった報告まで届いた。この間、メール着信で通知が届くようにしていたスマートフォンは鳴りっぱなしとなってしまった。
土屋氏が指摘するのはこの事件でわかるように、一度送信したものはもう取り消せず、取り返しがつかないこと、これが重大なことなのである。そして、このうっかり送信された情報が課題の締め切りではなく、国家の安全保障に絡む内容であったらどうだろうか。
残念なことに、この仮説にそった失態を米トランプ政権のマイク・ウォルツ前大統領補佐官(国家安全保障担当)がやらかしてしまった。本来の宛先である別の人物のアカウント名と似ていたために間違えて国家機密を漏洩してしまったのである。この事例でもわかるように制度やシステムではなく、人間がセキュリティーホールになってしまった。
「情報はフリーになりたがっている」という言葉がある。この言葉の「フリー」は、当初無料の意味で使われていたが、今や自由という意味になったいる。常に情報が自由になりたがる性質をどう抑制するかが今の大きな課題である。🛜🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇬🇧