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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:デジタル敗戦、繰り返すな」から

2025.1.11   日本経済新聞の記事「Deep Insight:デジタル敗戦、繰り返すな」から

1990年代の悪夢の再来を避けよ

コラムの著者 梶原 誠氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、1980年代末、世界の株式時価総額の上位は金融機関をはじめとする日本企業が独占していたという。しかし、今やエヌビディアなどの米テック大手のマグニフォセントセブン(M7)ととって代わられている。どこで日米の企業の明暗は別れたのか。

○エヌビディアの例

梶原氏によれば、日本企業は、米企業にうかうかしていると、反転の機会なく大差で負けてしまう悪夢が再び襲うかもしれないという。その証左として米CESの主役が米半導体大手エヌビディアのCEOの業態変革があるという。同社は、半導体産業からロボットや次世代自動車を設計する担い手への脱皮を図っている。成長性も高く、投資家は放っておかない。同社の株価は、CESでの同社の講演前に史上最高値を記録している。

CESは家電見本市から企業の進化を示す幅広いテクノロジーの中身を披露する場に大きく変化してきた。そして、ウォール街がCESに急接近してきた。

1980年代以降、米企業は会社の形が変わることも厭わず、ICTに投資を注ぎ込んだ。MSがWindows95を発売してインターネット元年とされた1995年以降、情報化投資は加速し続けた。日本の企業の投資は何とか伸びを保った程度で、米企業との差は開き続けている。伝統的な日本企業が変化を恐れ、バブル崩壊と金融危機でICTへの投資どころではなかった。1995年から2022年までの投資額の伸び率は米企業の17倍に対して、日本企業は高々2倍程度である。

ICTへの投資は生産性の向上に繋がり、日本企業は生産性でも世界水準から置いていかれるようになった。危うさがはじければ、実体経済も揺らぐ。日本企業は株高に安住せず、逆風を突いて成長できる「脱出速度」をためねばならない。📱💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇫🇷🇩🇪🇬🇧


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:AIとAIが取引する経済」から

2024.12.31   日本経済新聞の記事「Deep Insight:AIとAIが取引する経済」から

用途が広がる2025年は社会への影響と対策の議論が必要

コラムの著者 中山 淳史氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、BtoCならぬ「A(AIまたはAIエージェント)toA取引」が次第に広がる経済が出現する可能性を示している。そこでの得失を含め議論すべきときがAIのシンギュラリティ(技術的特異点)を超える前までに進めておかねばならないと示唆している。

○AI本来の特性がビジネスに直結し始めた

中山氏によれば、生成AIが日進月歩で進化し、先駆けとなったChatGPTの米オープンAIのホームページをみても毎日のように新しい技術やサービスの発表が掲載されている。ChatGPTの先進的なところは人間が問いを発したら的確に答えを返してくれる「対話型」技術であった。一方で、人間に聞かれたり、指示されなくても能動的に動き、仕事をする「自律型」AIも一部で開発されつつある。人に代わって何かをするなら、代理人(エージェント)的となる。

企業のホームページやウェブ、展示場、金融機関の端末で、案内や商品説明をしているアバターを見かけることがある。これらを開発するデジタルヒューマン(兵庫県芦屋市)の代表は、「将来は相当難しい仕事もこなせるようになる可能性がある」と述べている。会話をしながら進める買い物の決済、保険商品の契約手続きなど、いまは人間にしかできない高度な業務をAIエージェントに担わせる開発研究が様々な業種の顧客企業で進んでいると言う。

EC、特にライブコマースの領域ではAIエージェントの活躍は進むと、中山氏もみている。ライブコマースの主催者側が人間の代わりにAIエージェントを立てて商品を売り込むこともあろう。さらに買う側にもAIエージェントを派遣するサービスが生まれるかもしれない。となれば、「AIが人間にモノを売る」から始まって、次第に「AIがAIにモノを売る」状態から成る経済が出現するかもしれない。つまり、BtoCならぬ「A(AIまたはAIエージェント)toA取引」が次第に広がる経済が出現する可能性を示している。BtoCならぬ「A(AIまたはAIエージェント)toA取引」が次第に広がる経済が出現する可能性を示している。

AIエージェントの技術は一方で、フェイク動画による政治と軍事利用、犯罪などに使われる懸念もある。用途が広がる2025年は、業務や事業での新展開を日本企業は期待しつつ、社会への影響とその対策についても議論を深める必要があろう。📱💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:『官製』起業ブームの先へ」から

2024.12.14   日本経済新聞の記事「Deep Insight:『官製』起業ブームの先へ」から

日本政府の起業支援は引き続き重要であるが中身の点検も必要

コラムの著者 村山 恵一氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、かつてなく日本への関心が高まった2024年であると言う。良い会社が次々と生まれ、海外投資家が黄金の国・ジバングを目指したわけではなく、現実はその手前の状況だと言う。ではこのタイミングに多くの海外投資家の興味を引いたのはなぜか。

○日米欧のVCのタイミングと日本政府関係者の思惑がいまのところ一致

村山氏によれば、海外投資家が興味を抱いた理由は、

  • 日本政府のスタートアップ育成5ヵ年計画
  • 日本貿易振興機構(ジェトロ)の取り組み

だという。まず第1の理由は、最新のベンチャー白書によると、日米欧のVB投資は2021年をピークに減少している。要因は金利上昇であるが、欧米に比べると日本の落ち込み幅は小さい。米中摩擦で一時盛り上がった中国への投資は困難になったことがあり、国家プロジェクトとして「もっと起業を」と叫ぶ日本政府なら海外投資家も安心して活動できるからである。つまり「安全パイ」として日本のスタートアップが浮上してきた。

2つ目のジェトロの活動は経済産業省所管でスタートアップ関連の活動が中核となっている。人員も予算も大幅に増えた。さらに米VCの500グローバルや米スタンフォード大学発の起業家育成組織スタートXなどと共同プログラムを作り、起業家にメンタリングや投資家とのコンタクトポイントを設けている。つまり、日本政府の「官製」起業ブームの最中である。

日本のエコシステムを世界と繋ぐには国内の投資家の進化も必要となる。だが、国境を跨いだ人材や資金の流れを呼び込む強力なスタートアップを編み出すことが重要だと専門家は示唆している。官としても就労ビザの取得など実態に合っていない課題があるともいう。🌁🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇪🇺


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:強いロボット、弱いロボット」から

2024.11.19   日本経済新聞の記事「Deep Insight:強いロボット、弱いロボット」から

強いロボットは万能であるかは未知数だが、産業競争力は抜群

コラムの著者 中山 淳史氏(日本経済新聞社 コメンテーター)が、書店で思わず手に取ったのは「<弱いロボット>から考える」(岡田美智男(豊橋技術科学大学教授・ロボット開発者)著)であった。ストロング、スーパー、ハイパーやギガなどの横行する現代にアンチテーゼのような視点の著書である。むしろ日本は戦後、この弱さをバネにしてのし上がった。来るべき強いロボットの時代にどう生きるべきかを中山氏は考察している。

○過去、PCが米国を、スマホが米国、韓国、中国をの成長を牽引した

中山氏によれば、岡田教授の弱いロボットとは、

  • 自分だけでは作業が完結できない掃除ロボット
  • 子どもに読み聞かせをしている最中に「次どうだっけ?」と話を忘れてしまうロボット

といった、不完全で頼りない機械ばかりだが、健気で微笑ましい。岡田教授によれば、

「AIが何でもできてしまえば、人間はすることがなくなる。人間が機械を補完できるようにプログラムし、両者がゆるく依存し合う関係こそが社会をしなやかに保つ秘訣」

という。これに対して米国はトランプ次期政権で逆の雰囲気で強いロボットを目指している。最近の米国発のニュースにはストロング、スーパー、ハイパー、ギガなどの言葉で溢れていると言う。米モルガン・スタンレーによれば、AI学習などに使うクラウドコンピューティングへの世界の設備投資額は2025年に2887億ドル(約45兆円)に達し、人類を月に送った米アポロ計画への累積投資額を超えるという。さらに全体として生成AIへの開発投資はアポロ計画の約30倍に膨らむとの予測もある。

米国のみならず2位の中国も強いロボットを志向すると思われる。となれば日本企業はどうか。このまま強いロボット国から脱落するのか。

確かに強いロボットが万能かどうかは未知である。しかし、産業競争力を牽引することは間違っていないと、中山氏は説く。かつてのテレビやオーディオが日本を、ウィンテルのPCが米国を、スマートフォンが米国や韓国、さらに中国の成長を牽引してきた。やはり日本経済にも強いロボットが必要である。では、なぜ、次の技術がうまれないのか。

岡田教授によれば、弱いロボットを作っていたころの好奇心や冒険心を忘れてしまっているのではないかという。ホンダやソニーも創業時は、身の回りのありあわせや払い下げ物資まで活用して強いものを作り上げていった。競争から脱落しないためにも、弱かった時代の精神を遡るのも一手だと中山氏は勧めている。次に来る新しい価値観を先取りした米中に負けない、強いロボットを見出す時は今であろう。🤖🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「『AI作曲家』に疑念:『人間離れ』の著作権登録、市場ゆがめる」から

2024.11.18  日本経済新聞の記事「『AI作曲家』に疑念:『人間離れ』の著作権登録、市場ゆがめる」から

日本音楽著作権協会(JASRAC)では「著作者が自分の作品と保証すれば受け付ける」

音楽業界で生成AIによる作品を自分が作ったと偽る「AIゴーストライター」への疑念が広がっているという。コラムの著者 瀬川 奈都子氏(日本経済新聞社 編集委員)は、不適切なAI利用は、本来は創作者に配分されるべき収益を侵食し、流通する作品全体の質をさげるとみている。また、専門家の間では、著作権法の見直しが議論になっていると言う。AIの生成物を著作物とみなせないところに違反条項が適用されないためである。新技術が法律との間でどう解釈されるか、また創作物の世界を生成AIが荒らしまくることを防御することも考えなばならないと指摘している。

○日本政府は「AIが自律的に作ったものには著作権は生じない」と知的財産戦略本部が整理

瀬川氏によれば、音楽著作権管理のNexToneによれば、「おかしいと思ったが『AIではなく人が作曲した』と言われたら受け入れざるを得ない」が現状だと言う。

AI創作物についての日本政府の整理
  創作過程 著作権の有無
AI創作物 人はAIに簡単な指示をするだけ(自律的) 著作権は生じない
AIを道具として利用した創作物 人の創作意図と創作的寄与がある 著作権が生じる

(出典:日本政府の知的財産戦略本部「新たな情報財検討委員会報告)

JASRACにも2023年度は3年前の2倍近い約18万曲が新規登録されたという。2023年8月には指針を作成し、AIが自律的に作詞作曲した作品は登録できないと明記したと言う。申請件数が不自然に多い場合は創作過程を問合せ、「著作者が自分の作品と保証すれば受け付ける」としている。

上表は2017年に日本政府が整理したもので、欧米でも基本的には考えは同じであると言う。だが、NexToneの事例のように実際の現場では簡単に割り切れず、「AIゴーストライター」を特定する決め手がないためである。不適切なAI利用は、本来は創作者に配分されるべき収益を侵食し、流通する作品全体の質をさげるとみている。

一方、著作権法にも議論が専門家の間で行われている。同法121条は著作者名を偽った著作物の複製物を頒布した者は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金を科すことになってる。しかし、生成AIの生成物は、同法の前提である「著作物」でないため、この条文は適用できないと言う。専門家の一部には物理的に見分けることが難しい状況では、同法を改正しても実効性に疑問があるという。AI生成物には電子透かしなどを法的に義務付けるべきだとの意見もある。

生成AIは人間の創造性の新しいところにいかすこともできよう。一方、安易な集金ツールとして創作市場を席巻し、荒廃しかねない。🎤🛜♪♩🎻📉📈🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵