製品情報

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:失敗の教訓は何か」から

2023.2.17  日経産業新聞の記事「眼光紙背:失敗の教訓は何か」から

名著「失敗の本質」に出てくるような問題点

三菱重工業がジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発を断念した。1兆円もの巨費を投じたが残念な結果となった。コラムの著者によれば、大本は自社技術の過信とYS-11以来の国産旅客機の夢を叶えようとしたことが最大の敗因ではないかという。

○失敗を経営に活かして信頼を取り戻すしかない

機体自体は試験飛行にも成功していたが、問題は空を飛んでも良いというお墨付きである「型式証明」を取得できなかったことだと、コラムの著者は指摘している。取得には今後数年にわたって年間1000億円前後の支出が必要だという。同社社長の泉沢清次氏は「一定の水準の機体を開発できた」と悔しさを滲ませていたという。

日本国内での航空機の設計や製造を第2次世界大戦後禁止され、再開したのは戦後7年後であった。この7年間に、世界の航空機産業のルールは欧米が牛耳る構図となり、型式証明の取得ノウハウも経験も日本企業には無いに等しい状況であった。三菱重工業はそうであっても日本国内に開発拠点を置き、日本人技術者でやり遂げようと努力した。

一方、三菱重工業とは対照的にホンダは最初から米国で型式証明を取るべく米国に拠点を置き、開発から製造まで全て米国で行い、「ホンダジェット」を商用化に導いた。

コラムの著者は手厳しい。名著「失敗の本質ー日本軍の組織論的研究」(中央公論新社)にも登場する、見通しの甘さ、戦力の逐次投入、曖昧な責任体制などにある。高い授業料となったが、この教訓を経営に活かして信頼を取り戻すしかない。🛩✈️🚇🚅😷😷🦠🚗⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ウニそっくりの豆腐、関連づけの妙が生む技術」から

2023.2.17  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ウニそっくりの豆腐、関連づけの妙が生む技術」から

多様な事象を関連づけが、革新的な商品アイデアとなることも

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、いくつかの事象を関連づけて、これまでにない革新的商品のアイデアを作ることを事例を示して説明している。

◯A✖️B→Cの異種間融合でアイデアを

 西川教授が紹介するアイデアの創造に関する好例は、豆腐製造最大手の相模屋食料(前橋市)のケースである。

ネット上で「豆腐なのにウニ」と話題の「うにのようなビヨンド豆腐」を同社は生み出した。2022年3月の発売以来、累計380パックを出荷するヒット商品である。

商品化までに進むきっかけは、「豆腐の味はシンプルで、クセのある味がないから、また食べたいとならない」と社長の鳥越淳司氏の言葉からクセのある極みはウニや魚介系の旨みだしであるとの考えを掛け合わせて、あえてクセのある同商品のアイデアに繋がったという。

アイデアの名著であるジェームズ・W・ヤング著「アイデアのつくり方」では、

  • 「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何者でもなく、
  • その組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見出す才能に依存するところが多い」

であるという。またアイデアは比較的リラックスした時に出てくるという。

同社はM&Aした8社の豆腐メーカーでもこのような関連づけが積極的に実施されている。2021年9月に生まれた「肉肉しいがんもどき〜INNOCENT MEAT〜」もハンバーグのようながんもどきで、アイデアから生まれたものである。そこには京都タンパクから譲渡されたがんもどきを作る際の伝統的手法である「手捏ね」の技術と、鳥越社長の「豆腐ならではの植物肉」の掛け算であるという。🥤💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:先駆者のジレンマ」から

2023.2.14 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:先駆者のジレンマ」から

市場参入のタイミングがその後の投資額とシェアを決める

コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ マネージャー)よれば、シリコンバレーで大手のテック企業は必ず自分の市場をスタートアップに奪われることを警戒しているという。

○メタバースも自動運転も先駆者のジレンマに陥った

 キーズ氏によると、この警戒は資本の規模にはよらず、投資のタイミングだという。米メタ社は、社名をメタバーズにちなんだ改名にもかかわらず、関連技術と製品への投資タイミングが悪く時価総額を大きく下げた。市場関係者はメタバース市場を育てるために必要な膨大な資金と、利益を生む時期が長い時間がかかることから嫌気をさした。

米フォード・モータースと独フォルクスワーゲンは自動運転技術を手がけるアルゴAI社に投資をしたが撤退した。米アップルも自動運転車の発売を遅らせている。

メタバースも自動運転もキーズ氏によれば、技術の進化を見て多くの関係者が市場はいずれ広がると期待するが、参入するのが早すぎると、投資を長く行う必要があり、遅いとその技術の先駆け企業にシェアを奪われてしまうというジレンマに陥るからだという。

ただ、歴史的にシリコンバレーでは、ある企業が失敗しても、その経験から学んだエンジニアがまた挑戦をする。いずれ、今のプレーヤーでない企業が先駆者になるだろう。👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:対話と体験の進化」から

2023.2.2   日経産業新聞の記事「WAVE:対話と体験の進化」から

「ホログラフィック通信」から「ハプティック通信」が加わる時代へ

コラムの著者 鹿島 毅氏(エリクソン北東アジア ネットワークエボリューション統括本部長)は、コミュニケーションやインタラクションの進化とコネクティビティーの貢献について考察している。

○「フラットな画面で会話していたこと」が信じられない時代へ

 鹿島氏によると、モバイルネットワークにおける通信速度は過去30年で数万倍以上に加速してきたという。それに伴ってモバイルデバイスでやりとりされるコンテンツもテキストメッセージ・音声から、より高品質な写真・音楽、動画へと次元を増やしながら、ユーザー体験をよりリッチにしてきた。

次の変化はリアルタイム性のある3D体験で、高速な5G通信が普及し、ARグラスが一般の消費者向けのモバイルデバイスになることである。このような「フォログラフィック」が実現することが望まれているという。

技術革新に伴って利用目的である「用途」や「応用」も進歩する。「ホログラフィック通信」は医療画像やテレプレゼンス、リモートコラボレーションといった応用や、リモート通信の既存の体験の向上などが進められる。

3D体験の中で空間の認識が改善されると、仮想現実と物理的現実の差異は次第になくなり、人間の感覚がデジタル変換されて完全没入型の体験ができるようになる。これによって我々のコミニュケーションが変わる。さらい2030年代になると体験は超低遅延によりアクションから応答までの時間が短くなり、遠隔世界や仮想世界と目の前の物理世界の差が縮まっていく。ARグラスによりコミュニケーションで、「フラットな画面で会話していたなんて信じられない」という時代が来るかもしれない。🩺😷📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇫🇷🇩🇪🇬🇧🇸🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:環境配慮アピール、難しい伝え方のさじ加減」から 

2023.2.3  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:環境配慮アピール、難しい伝え方のさじ加減」から

製品の構成要素である環境は今後優先度を上げていく

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)によれば、消費者は製品の構成要素の総合評価が価格よりも上回っていれば購入する決断を下すという。

○購入者により製品の構成要素への思いが異なる

 横山教授によれば、事例としてシャンプーの場合、髪の毛への効果、匂い、分量、見た目、環境配慮などを各属性となる。消費者は各属性を評価して総合評価と価格のバランスが取れているか、あるいは価格以上の評価であれば購入の行動を起こすという。ただし、日常的な購買行動で、製品の構成要素の「すべて」が重要と考えている消費者はほとんどいない。多くは、こだわりがあって特定の要素または要素群を重視したり、あるいは無視したりするという。

シャンプーの事例では、髪の毛への効果と匂いを重視するが、別の人は髪の毛への効果と環境配慮を重視するかもしれない。他にも、構成要素それぞれに基準値を設け、それを満たさない要素を持つ製品をはじめから選択肢から外す。あるいは基準値を上回る要素の数が最も多い製品を選択する。このようにさまざまな意思決定の条件が存在する。

対する製品開発者は、自社の顧客が重要視する要素(群)で他社を凌駕することや購買の選択要素が自社製品には取り込んでおく必要がある。そのためにも製品開発の課題は、対応すべき製品市場で購買者がどんな要素を購入の条件になっているかを明確にする必要性が出てくる。さらに面倒なことに重要視する要素の優先度やそれ自体が変動する。

最近注目されている環境要素は極めて難しい位置付けだという。日本市場では環境配慮を重視して購入の選択肢に入れる事態はそれほど起きていないが、海外、特に欧州では多くの製品に環境配慮のアピールをパッケージに行う中で、アピールしない製品がかえって目立ち、購買しない要素になっているという。今後、SDGsなど環境配慮の要素の優先度は日本市場でも上がっていくと考えられる。マーケティング担当者や製品開発者にとって環境要素も外せないアピールポイントになっていくと横山教授は予想している。🍌🧅🥬🌽🍅🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵