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【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『犬笛』とネット」から

2024.6.7  日本経済新聞の記事「春秋:『犬笛』とネット」から

犬にしか聞こえない笛が流行語になるのは?

コラムの著者によれば、「犬笛」という言葉が選挙やテレビ討論、インターネットの「炎上」などの関連で見かけるようになったという。「犬笛」は本来、人には聞こえず、犬には伝わる周波数の音を鳴らせる増えだという。つまり、周りの人に気付かれずに、飼い犬にこっそり命令を与えるときに使われるという。さらにそれが転じて、政治家や評論からの支持者やファンを操る操作を指すようになったという。

○扇動の意図がないのに犬笛を吹くような行為になるのがSNS社会か

コラムの著者によれば、問題は、支持者やファンの行動である。「誰それは嫌い」とか、「この集団は有害」と、飼い主が犬笛を吹くと、影響された支持者やファンは、SNSなどで集中攻撃を仕掛けたり、実際に襲撃するといった物騒なものである。ネット炎上の火種をつけた人間は「指示などしていない」と嘯くのである。学校のいじめ問題にも「犬笛」型が横行しているという。

扇動の意図がないのに「犬笛」になってします怖さがSNSにはあるという。漫画「セクシー田中さん」のドラマ化を巡るトラブルで出版社が調査結果を公表した。放送終了日に脚本家が、後に原作者が経緯を投稿。原作者に同情が集まり、「脚本家へ避難が集中した」という。原作者は失踪し、遺体で見つかった。

悪意の犬笛に振り回されず、善意の投稿を犬笛にしない冷静さが読み手に求められる。これからの選挙の季節、心したいところであろう。💬📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「私見卓見:生成AIの使い方、大学で学べ」から

2024.5.27 日本経済新聞の記事「私見卓見:生成AIの使い方、大学で学べ」から

今こそ日本の大学は米大学の生成AIの活用を学べ

コラムの著者 渡辺 邦昭氏(ウィンワークス会長)によれば、日米で学問探究の進め方には大きな違いはあるが、特に生成AIの活用には大きな違いが顕著であるという。問題は将来的に日本に大きな遅れをとりかねない事態だという。

○日本の教育は知識の詰め込みと再生に重点を置き、技術を利活用して創造性を育成することには消極的

渡辺氏によれば、日本の大学は厳格で学生が独力で自分の知識で分析を進め論文を執筆することが求められる。このため多くの大学で生成AIの利用を禁止している。学生は膨大な時間をかけて資料を収集し、自らの構成と文章で執筆を進めることになる。このアプローチは知識の詰め込みと再生に重きをおいた伝統的な教育法である。

一方米国の大学でのMBAを学ぶプログラムでは、積極的に生成AIなどの最新技術を利活用する方法を教えている。ビジネスの経営戦略や意思決定で、生成AIをどのように組み込み活用することを学生に考えさせる。この時の情報活用能力、創造的思考力、問題解決に挑む能力が高まる。

渡辺氏は日本の大学も米国のように時代に即した教育に転換する必要があると提案している。知識を単に詰め込むのではなく、知識をどう活用してアイデアや問題解決に結びつけることができるかという方向転換である。AIツールはこういったプロセスを支援するツールの1つになる。

ご存知のように生成AIは単純な問いかけでは有用で必要十分な回答が返ってくるとは限らない。有効に活用する問いかけ(プロンプト)ができるテクニックが必要で、学生の頃からこういった技術を学んで身につけた米国の学生と生成AIに不慣れな日本の学生では卒業時に相当な能力差がでるのではないか。💬😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「教育進化論、デジタルの大波:デジタル使い機会提供」から

2024.5.23  日本経済新聞の記事「教育進化論、デジタルの大波:デジタル使い機会提供」から

無料講義動画(MOOC)を2012年に開始

コラムの著者 クリストファー・カポゾーラ氏(米マサチューセッツ工科大学教授)によるインタビューで、同大学が教育のデジタル化を常にリードしてきたことを示している。カポゾーラ教授によれば、オンラインの活用で世界中の人に高品質な教育の機会が広がるという。マサチューセッツ工科大学(MIT)は2001年にすでにオンライン上で全ての講義資料を公開するなど、キャンパスで起きていることを世界中で共有し、世界に影響を与えることを考えているという。

○社会人に門戸を解放するマイクロマスターズ

MOOCも目的はお金を稼ぐことではなく、これまで教育へのアクセスが困難であった人々に教育の機会を与えることにあるという。

さらにMITでは、修士課程の前半をMOOCとし、後半をMITに通学するマイクロマスターズを2016年から導入し、社会人から強い関心が持たれているという。すでにサプライチェーンや金融、データサイエンスなど5コースあり、100万人以上が受講してきた。学生は通常よりはるかに速く、少ない費用で学ぶことが可能である。大学院を目指す人々はおおむね25〜40歳で、家庭を持ち、フルタイムで働いている。こう言った人たちには、マイクロマスターズは魅力的である。確かに修士課程への入学資格を得るには試験に合格する必要があるが、全ての人に自身の能力を示すチャンスがあるという。

企業側も、物流やサプライチェーンの分野での支援が必要と考えている。しかし、社員の多くが身につけているわけではない。また、社員も修士号を得るにも職場を長く離れるわけにもいかない。教員も対面教育の優位な面である共同作業やチームワークの育成といった失いたくない。これらの思惑や需要で、マイクロマスターズは関心を持たれてる。✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「教育進化論、デジタルの大波:AI、試して課題把握」から

2024.5.22  日本経済新聞の記事「教育進化論、デジタルの大波:AI、試して課題把握」から

新規技術の前向きなエストニアでは規制の前にまず試行と論議

コラムの著者 クリスティーナ・カラス氏(エストニア教育研究相)によるインタビューで日本や欧米での教員の姿勢が異なることを語っている。エストニアの教員は高度専門職として大学院での修士号が必要とされ、さらに自律的なデジタル活用の能力向上を進めてきた結果、IT先進国、国際学力テストでトップクラスという結果を出しているとカラス大臣が答えている。

○エストニアの教育制度の強みは子どもたちが公平な教育を受けられること

カラス大臣がエストニアの学校でAIを活用する狙いについて聞いてみた(聞き手:下川真理恵氏):

  • 学校でデジタル機器、教科書の活用が浸透した理由は?
    • エストニアの教育は教員が中心。デジタル化の鍵は、機器や教材ではなく、教員の高い質と自律性にある。すでにコロナ禍前から教員が自らのレベルを知り、研修を受けられる仕組みを構築していた。
    • 教員になるには修士号が必要で、デジタル教材をどう利用し、担当する授業に自律的に対応できる。おかげで、コロナ禍でもオンライン授業にスムーズに移行できた。
  • 学校でのAI活用が世界中で議論されているが、エストニアでは?
    • 普段から生徒はAIに触れ、学習に使っている。AIを無視したり、禁止したりすることは大きな間違い。AIの偏りや間違いに対応できる分析力や批判的思考力を養うことが重要。
    • 教員は自らのアシスタントとしてAIに注目している。
  • リスクを認知しながらも、AIを積極活用するのはなぜか?
    • エストニアは新技術導入に積極的で、リスクを負って試行しなければ課題がわからない。
    • EUは規制を考えたが、エストニアでは先に使ってみてから考え、議論する。
  • エストニアが国際学力テストでトップクラスの成績を収めている。何を重視して取り組んでいるのか?
    • エストニアでは子どもたちが公平に良い教育を受けられることが強みであると考えている。家庭環境や移民、住んでいる地域に関わらず、誰も取り残さない。
    • 9年生と12年生で全国試験があり、教員が達成すべき基準はこれで明確である。教員は自律性を重んじ、教え方は自由だが、全ての生徒が最低レベルに到達すべきであることに力を入れている。

さて、日本のデジタルを前提とした教育はどうであろうか。✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇪🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:森鴎外と『国際博物館の日』」から

2024.5.18  日本経済新聞の記事「春秋:森鴎外と『国際博物館の日』」から

お飾りのトップではなかった森鴎外

コラムの著者によれば、森鴎外はいわゆるお飾りのトップではなく、立派に帝室博物館総長兼図書頭(東京国立博物館)の任務を全うし、総長時代に雑然とした展示で「高等物置」と揶揄された博物館を大きく改革したという。

○「高等物置」と揶揄された博物館を改革

コラムの著者によれば、森鴎外総長は、展示法を時代順の分かりやすいものに変更した。また、当時の現代美術に当たるイギリス人美術家の版画の寄贈などを受け入れ、コレクションも充実していった。研究成果が公開されるようになると、森鴎外総長は自ら所蔵図書の解説を書いていったという。「全て、鴎外がいたことで可能となった」と研究者の田良島哲氏は語っている。

先日の5月18日は「国際博物館の日」。社会におけるミュージアム(博物館、美術館)の役割を伝えようと国際博物館会議が決定したという。各地の関連したイベントが開催された。前述の田良島哲氏によると、森鴎外総長は、当時の貧困家庭のための「特殊小学校」の児童を入館無料にしたという。米騒動で社会と経済に不安があった当時、博物館も無関心ではいられないためか、今もその意思は変わらない。🏢📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵