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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:米国での日本車カルチャー」から

2023.8.1  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:米国での日本車カルチャー」から

日本のアニメ文化の広がりと連動

コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ マネージャー)が来日したころはアメリカの文化の影響で車のナンバープレートなどにステッカーをつけたりする人が多かったが、最近は逆にシリコンバレーに住むアジア系米国人の中には日本車を改造したり、ステッカーを貼ったりしているという。

◯日米共同の新しいクルマ文化が生まれるかも

 キーズ氏によれば、来日していたころの日本は米国文化への憧れがある人が多かったのかもしれない。最近のシリコンバレーではこの逆の現象が起きている。シリコンバレーに住むキーズ氏は近所の車を見ると、日本や日本の車文化に憧れを持つ米国人が増えたという気がするという。広島のナンバープレートをつけた2000年代の三菱ランサーや日本の初心者マークのステッカーを貼った車もよく見かけるという。さらに、日本の「走り屋」と「暴走族」の間のような出立をした車である。いわゆるシャコタンや改造マフラー、エアスポイラーなどをつけた車である。

車のアクセサリーも目立つ。ほとんどの改造車には日本語が書かれていて、アニメのキャラクターのステッカーを貼っている。日本語として通じるものもあればそうでないものもあり、派手なペンキを塗りたくった車も走っている。

シリコンバレーのサンノゼ市周辺の住民は約60%以上がアジア系米国人である。その影響か、こうした車のオーナーは若い世代のアジア系米国人が多い気がするとキーズ氏は感じている。日本車の改造車が増えてきたのと日本のアニメ人気が広がる時期が重なっていることから、やはこうした車の普及と日本のアニメ文化が関係していると思われる。もっとも、新しい日本車文化から日本の自動車メーカーが新規事業を考えてはいない。それよりも日本のメディア業界にとって、海外でも人気が得られるコンテンツ作りの良いヒントになる可能性はあるだろう。日米合作の車文化のテレビ番組などが面白いのかもしれないとキーズ氏は感じている。🚕🚗💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:若年層のタイパ視聴、目と耳が暇なのはいや」から 

2023.7.26  日経産業新聞の記事「トレンド語り:若年層のタイパ視聴、目と耳が暇なのはいや」から

動画や音楽までも倍速再生する彼らの行動

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総合研究所フェロー)が注目するタイパ視聴、タイムパフォーマンス視聴の略で、時間あたりのパフォーマンスを上げ時間を有効に使いたい行動様式である。奥氏はその背景と特に男子大学生などの若年層の生活価値観について考察している。

◯可処分時間の中で大量の情報やコンテンツを効率的に消化する気持ちが背景に

 奥氏は、このように大量の情報を時間内にうまく捌くことや情報取得のニーズがさらに高まっていることが背景にあると考えている。詳細を知るために2022年8月の若者のメディア行動に関するオンライングループインタビューを実施した。参加者には日頃生活の中で大切にしていることを尋ね、それぞれのメディアの利用行動をインタビューした。奥氏は、結果の中からコラムでは男子大学生を取り上げた。

結果から浮かび上がったのは、男子大学生の生活価値観であったという。

つまり、以下のような詳細が見えたという:

  • 人から悪く思われたくない
  • 友人・知人から後れをとりたくない
  • 常に何かをしていないと不安
  • 失敗したくない
  • 日々の生活を楽しんで充実させたい

さらにメディアの利用に関しては:

  • 時間を有効に活用したい/無駄な時間を使いたくない
  • 自分で自分の時間をコントロールしたい

と可処分時間を自らがコントロールすることを望んでいることが確認できた。さらに「目と耳が暇なのは嫌である」ということも興味深い。動画や音楽までも倍速再生する彼らの行動は、生活全般にわたってタイパが基準になっているようだ。🎵🎧📕🍿📱💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:日本にイノベーション教育を」から

2023.5.30  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:日本にイノベーション教育を」から

スタンフォード大学の「振り子」がイノベーション教育には有用

コラムの著者 フィル・ウィックハム氏(SOZOベンチャーズ創業者)はスタンフォード大学工学部でキャピタルフォーメーション(資本形成)のクラスを受け持ち、大規模なクラスに成長して好評だという。ウィックハム氏は授業内容とそれに関連する日本企業の弱点について示している。

◯専門家を軽視し、常に最新情報や理論を軽視する日本企業の経営にはイノベーションはない

ウイックハム氏によれば、同クラスには多くの起業家や投資家、最高経営責任者コーチや人事政策の専門家が登壇し、成長企業での資金だけでなく、人的ネットワークなどの経営資源の最適なマネジメント手法を学ぶものだという。今年は選抜後に約50名の受講生を迎え、大きな規模のクラスに成長したという。

イノベーションに関して毎年新しい考え方や問題が登場し、常に実務の現場の情報とそれをアカデミックな理論にしていくかという連携の「スピード」が問題となる。スタンフォード大学では、実務の現場とそれを理論化する専門教育とのやりとりを「振り子」と呼び重視しているという。この更新スピードが極めて重要で、業界の次世代リーダーを生む原動力となる。日本でもウイックハム氏は大学で連携してスタンフォード大学のコンテンツを伝えてきた。

しかし、日本の問題は日本の企業と教育制度で、企業では人事異動、教育制度にはコンテンツのスピード感にあるという。折角成果を上げて頑張ってきても4月の人事異動で次の仕事がわからない先に配置転換される。さらに海外の大学院などで学んできても評価されずに関係のない部署に配置されるという。教育現場でもコンテンツの更新スピードが遅ので、「振り子」のようなイノベーションの連鎖が起こり得ない。

最も問題なのは日本社会が専門性を軽視し、最新情報や理論を軽視して、グローバル経営に遅れをとり、イノベーションが進まないことだという。🗾🚕🏦📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:生成AIの破壊力」から

2023.3.22  日経産業新聞の記事「SmartTimes:生成AIの破壊力」から

今後は道具として使いこなす指示力と採用するかの判断力が必要

コラムの著者  栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、ChatGPTで話題になっている生成AIについて、その本質と留意すべき点について語っている。

○今の生成AIは人間のレベルにはない

 栄籐教授によれば、自らが関わったLINE社で2年前に生成AIに出会い、その後実用化段階になったことで話題になっているという。

さらに、栄籐教授は自ら実験的に次のようなことを行なって生成AIの実力を説明している:

  • 以下の文をコンピュータに入力してみる:

「200文字の報道発表文章を書いてください。キーワードはタイムマシン、未来旅行、競馬の予想、宝くじが当たる」

  • すると、コンピュータは生成AIによって次のような文章は返してきた。

「タイムマシン開発社は未来旅行による競馬の予想技術を開発しました。これにより、将来的に競馬のレース結果を知ることができ、宝くじにも当たる可能性があります。これは、タイムトラベル技術の進化により、科学的に可能になったものです。今後も、さらに多くの分野にタイムトラベル技術を活用し、人々の生活を豊かにすることを目指します」

栄籐教授は、自分の書きたい空想記事をコンピューターが自動生成してきたと語っている。

では、その仕組みはどうなのか。

  • まず人間がインターネット上にある「有用な」文章を大量に「うまく」選んでコンピューターに入れ、文字の順序を学習させる。つまり、これは、文書を自動生成するプログラムを作ることを意味する。
  • できたプログラムをさらに人間との会話に適した文章を生成するように訓練する。つまり、訓練によってプログラムが人間の論理的思考を模倣するようになる。

だが、現時点の生成AIは過去の記録された文章を学習して確率的に発生する文言の連鎖を表層的に学習しているに過ぎない。だから、明日の天気もわからないし、突然の事故発生で対応して出動できる消防士にもなれない。

しかし、過去のデータを使って道具として有用なことは多いという。例えば、プログラミング、仕様書や報告書の作成、翻訳、音声書き起こしが生成AIで劇的に効率化されるという。文書には各社の内規や独特の言い回しがあるが、それをコンピューターが学習すれば、多くの定型的な文書の作成は簡単なコンピューターへの指示で自動化できる。

そこで生成AIに対して人間側が必要なものが、道具として使いこなす指示力と生成AIの著作を採用するか否かという判断力が求められる。宿題を誰がやったかの真贋判定よりも、当人のコンピューター以上の文章が書ける能力が問われるだろうと栄籐教授は示唆している。📓♨️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ヒットするアニメの方程式」から

2023.3.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ヒットするアニメの方程式」から

「製作委員会方式」から「タイアップ方式」の出資方式の変化も影響

コラムの著者が取り上げているのが、2022年10〜12月に放送されたアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の大ヒットの仕方について考察している。

○「けいおん!」に似てはいるが本格的な動画制作が特徴

 コラムの著者によれば、「ぼっち」は原作漫画の知名度は低く、女子高生の日常系バンドもので大ヒット作「けいおん!」と似ていることもあって、事前の期待値は低かったという。

しかし、実情は、尻上がりに人気が出てヒットチャートの上位を占めるようになったという。

「けいおん!」と似ているのはテーマだけでなく、主人公が作品中に演奏する楽器が品薄になり、劇中曲がヒットチャートの上位を占めるなど「売れ方」も似ているという。「けいおん!」と同様に原作が4コマ漫画なために間を繋ぐオリジナルシーンを制作しなければならない。そこにも「原作愛」があるコンテンツで、好評である。

違いは、「けいおん!」では演奏シーンが比較的少なかったが、「ぼっち」ではモーションキャプチャーなどを駆使してプロフェッショナルの演奏家の動きを取り込み、動画を手書きした。「初ステージで緊張して息が合わない」演奏も音楽的表現で演奏体験者から納得のいくコンテンツ作りが行われているという。

これまで、「ぼっち」はこれまでの「製作委員会方式」ではなく、「鬼滅の刃」の成功もある制作会社が出版社と組んで裁量権や制作費を持つ「タイアップ方式」で今回の成功に導いたという。📺📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵