【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「スタジアムが変わる:『見る場所』から『行く街』へ」から

2024.10.22  日本経済新聞の記事「スタジアムが変わる:『見る場所』から『行く街』へ」から

スタジアム城下町の繁栄にはチームが地域に愛され、応援される存在が必要

コラムの著者 北川 和徳氏(日本経済新聞 編集委員)は、人口減少や流失に悩む地方都市で、スタジアムを中核とした新たな街づくりに注目している。これまでのスポーツ観戦だけを楽しむ場所から変わろうとしているという。多くが莫大な投資による事業化で、「スポーツによる街づくり」も加速しそうだと語っている。

○莫大な投資回収には「訪問の多目的化」がキー

北川氏によれば、今月14日に開業した長崎スタジアムシティ(長崎市、NSC)はJリーグ長崎の本拠地「ピーススタジアム」を中核としたおよそ7.5ヘクタールの「街」であるという。スタジアム以外にアリーナやホテル、レストランやショップを併設し、温浴やアミューズメント施設、学習塾や企業向けオフィスも完備しているという。

また、昨年開業した、北海道北広島市の北海度ボールパークFビレッジはNSCより約32ヘクタールとスケールが大きい。プロやキュ日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールド北海道」が中核で、まだ開発途上である。学生数約3500人の大学キャンパスやJR北海道の新駅の設置も決定している。

まるで現代版の城と城下町の形態で、人と投資を呼び込み相乗効果を生もうという狙いである。その収益で課題なのは、試合がない日の集客で、プロスポーツでも試合数の多い野球でも本拠地での試合は年間70試合程度である。Jリーグは20試合にとどまり、これだけでは厳しい。そこで来訪する目的をスポーツ以外に多角化する必要がある。グルメやショッピング、エンタテインメントといったスポーツに限らない多彩なイベントを開催し、「賑わい」を創出する必要がある。

「賑わい」は中核となるスポーツチームへの地元応援や支援、そして愛情を注ぐ対象にならねばならない。⚽️🥎🛒🛍️👚🥿🏟️👩‍🦯🏢💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:国立公園に訪日客を呼ぼう」から

2024.10.13  日本経済新聞の記事「社説:国立公園に訪日客を呼ぼう」から

オーバーツーリズム対策と地域への経済効果を狙って

社説によれば、日本政府は全国35箇所の国立公園へのインバウンド(訪日外国人)に向けて本格的な呼び込みを始めるという。高級ホテルの誘致などを通じて集客力や満足度を高める方針だという。自然保護と利用を両立させる好循環を生む知恵が必要とされる。

○生物多様性や景観など地域の価値を損なわない配慮が必要

社説によれば、生物多様性や景観など地域の価値を損なわないように留意しながら、訪日観光の魅力を向上させようという日本政府の考えである。今は京都など一部の地域に観光客が集中し、過度な混雑が起こり、いわゆるオーバーツーリズムの社会課題が生まれている。国立公園の活用は、旅先の分散を促し、自然や地方文化を体験する先端的な旅行や観光が期待できる成長分野である。滞在は長めで、消費単価が高くなるために、地域への経済効果は大きいとされる。

前岸田首相も7月に開催した観光立国推進閣僚会議で全ての国立公園で民間企業の活用による魅力向上事業を実施するよう指示していた。期間は国立公園制度100周年の2031年までとした。次政権の石破首相も地方創生を看板政策に掲げ、観光産業は重要な柱であるとの認識は強い。日本の弱点である国際水準の高級ホテル新設や国立公園の一段の活用はその施策として上るだろう。

ただし、課題も山積している。国立公園はもともと手つかずの自然や景観が魅力の源泉である。そこで環境省の計画に、ホテルの立地や設計、周辺のインフラストラクチャー、廃棄物処理で公園の価値を損なわない丁寧な配慮が不可欠である。そこにはホテル新設といったハードウェアだけでなく、環境負荷の少ない移動設備や交通路、移動手段の確保、自然や文化の理解を促す外国語での案内や案内人の育成といったソフトウェアも考慮した、地域の総合力を高めるといった課題がある。保護と利用を両立させる好循環を生む知恵が必要である。🏨🥂🚲🚗♨️🍽️🏕️🥾⛰️🏬✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>環境変化が招く農作物リスク、遺伝資源活用し克服を」から

2024.9.29  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>環境変化が招く農作物リスク、遺伝資源活用し克服を」から

気候変動で全世界的に農作物に影響し価格上昇や品薄を招いている

極端な高音や日照不足などで農作物の収穫に影響し、価格が上がり、品薄状態を招いているという。コラムの著者 鹿児島 昌樹氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、環境変化に適した作物の開発が急務で、そのためには様々な生物の遺伝資源が欠かせないという。優れた特性を持つ在来種や野生種などを集めて活用する取り組みを強化すべきだと主張している。

○遺伝情報を集めて保存・提供するジーンバンクの役割が重要に

鹿児島氏によれば、日本国の研究機関である農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の上級研究員が北海道の小豆の育種担当者から相談を受けたという。内容は、「暑さ対策の遺伝資源が欲しい」というもの。長年北海道では寒さに強い品種を開発してきたという。今夏の猛暑は「収量も品質も影響を受ける」と同機構の上級研究員が推測している。

同様なことは小豆だけでなく、米、トマトなどにも及び、9月上旬の東京の卸値は平年に比べ4割高となっている。

日本だけでなく、世界的にも気候変動による農作物が影響を受け、西アフリカのカカオ豆、ブラジルのオレンジ、スペインのオリーブ、ブラジルやベトナムのコーヒー豆などが国際取引価格を上げている。

環境変化の対策は品種改良が重要で、食卓に上る農作物は一般に品種改良を施したもので、美味しく収量も多く適正な価格で手に入るが、暑さやこれによる新たな病気といった最近の急激な環境変化には追従できていない。

品種改良の際に必要なカギが遺伝資源であるという。つまり、遺伝資源の保存や提供を行う農研機構のようなジーンバンクの需要が上がってきている。ただ、この遺伝資源も米国などに比べてまだまだ盤石ではないという。職員の専門分野がさまざまであり、後継者問題を抱えている。各国での収集も困難となっている。公的ではなく企業としても独自に収集に取り組むところも出始めている。サカタのタネでは日本国内外のジーンバンクに保管されている遺伝資源の利用が増えてきているという。

世界的に遺伝資源は、洪水の増加や土地の開発によって、ますます遺伝資源が危機に直面しているという。収集活動は探索地への移動や感染症対策といった困難が伴うが、食糧の安全保障、多様性の保全につながる。🫒☕️🫘🍊🌾🍴👩‍🎓🎓💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇧🇷🇻🇳🇪🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

2024.9.16  日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

海外との取引は企業に新しい知見と情報を与え、パフォーマンスを向上させる

コラムの著者 西條 都夫氏(日本経済新聞社 上級論説委員)は、シェイクスピア作の「ヘンリー5世」にある「我々は少数だが、だからこそ名誉の分け前が増える」と兵を鼓舞する王の演説に登場する「幸福なる少数(The Happy few)」を引用して、多くが自国内に留まっている商材が外国に普及することは稀であることを示している。日本企業では更に輸出のほとんどが大企業に偏っている傾向があり、裾野は決して広くない。西條氏はそこに展開の余地があると指摘している。

○輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態

西條氏によれば、神事直人京都大学教授らの2023年の論文「輸出入申告データを利用した日本の国際貿易の実態の検証」を引用して、輸出額上位1%の企業が輸出全体に占める割合は75%に達し、英国の42%、ドイツ59%、フランス44%に比べて極めて寡占的であることがわかった。輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態で、ほんの一握りの巨大企業が日本発の輸出を牛耳る体制である。

円安なのに、日本の輸出が振るわなかったのも、このような寡占状態で主力のプレーヤーや品目が代わり映えしないのでは、海外市場を新たに開くマインドが全体的に低調だったと言えそうであると西條氏は指摘している。

だが、このような状態の中でも変化の予兆があるという。待望久しい新たな「輸出財」の誕生である:

  • アサヒビールの「スーパードライ」が韓国でインバウンド連動で輸出が好調
  • ソニーの音楽:2人組ユニットのYOASOBIの「アイドル」は日本語の楽曲で初めてビルボードのグローバルチャート(米国除く)で首位になった。

などがある。日本はかつて輸出立国を自称したが、GDPに対する輸出額の比率は他国に比べ高くなく、まだまだ余地がある。さらに「海外との取引で企業は新たな知見や情報を得ることができ、さらに企業自身のパフォーマンスを上げることが、実証されている」と、先の神事教授が示唆している。♩🎼♪🚗🚢💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:カスハラ対策に潜むリスク」から

2024.9.12  日本経済新聞の記事「私見卓見:カスハラ対策に潜むリスク」から

持続可能な経営の原点は「顧客満足」

コラムの著者 金築 俊明氏(経営コンサルタント)は、旅館業法の改正や航空会社のカスタマーハラスメント対策で根本的な対策になっていないことに言及し、原点にある顧客満足度を上げ、顧客不満を解消する努力が重要であると説いている。

○顧客不満につながりそうな要素を洗い出して1つずつ解消していく努力が最善策

顧客による著しい迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対策を講じる企業が増えている。金築氏によれば、旅館業法が改正され、カスハラを繰り返す顧客を宿泊拒否することができるようになり、航空会社もカスハラに対する方針を策定しているという。

一方で、これらの対策は、一歩間違うと、ハラスメントを増幅させ、経営の危機を招くリスクが潜んでいると金築氏は指摘している。

  • 顧客からの正当な苦情でさえ、ハラスメントとみなすことで、サービスの大幅な低下を招く
  • 安易にハラスメントルールを持ち出すことで、顧客からの不満・不信を招き、顧客喪失につながる
  • ホテルなどの予約サイトでに掲載されている写真やサービスの内容を見て顧客が現地に着き、記載されていた内容と違っていれば苦情の対象になる。例えば設備の点検などの休止しているとの詳細な情報を掲載することや現地で広告の内容に誤りがあれば丁寧にお詫びした上で、顧客の納得する代替案を示して誠実な対応をする責任がある

不誠実な対応はカスハラを生む原因となる。さらにハラスメント行為をした顧客に対して法的に拒否できるようになっても、苦情や要求をハラスメントとして扱うことはかえって、顧客の怒りを助長させるだけであるという。経営者も従業員もカスハラ対策に軸を向ける前に、顧客をどう満足させるかの軸(顧客満足度の向上)で考えるべきだという。顧客不満になりそうな要素を全て洗い出し、1つずつ解消していく努力を日々続け、ハラスメントの発生可能性を小さくする。従業員への教育も重要で、従業員の誤った顧客対応を見て見ぬふりは避けねばならない。原点は、顧客満足度の向上が持続可能性のある経営につながることを再確認しておくべきだと金築氏は示唆している。♨️💢💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵