映画

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:顧客の期待、同じ人でも状況で変化」から 

2023.3.10   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:顧客の期待、同じ人でも状況で変化」から

同一人物でも状況の影響を受ける

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、前回に引き続きサービス産業生産性協議会による売上高上位企業の利用者を対象とした日本版顧客満足度指数(JCSI)調査を使って顧客のブランドへの期待についてコロナ前後での変化を考察している。

◯ブランドが自分のニーズをどれくらい満足させるか

 小野教授は、JCSIの中にブランドに対する期待に関する3つの質問から作成した合成指標を使ってコロナ禍(2020年前後)による影響をみている。消費者があるサービスを利用する際に、そのブランドが自分のニーズをどの程度満たしてくれるかを予想する。ここでいう「期待」とは、こうした、プラスとマイナスの予想を指す。

コロナ禍前後で業種ごとに変化のパターンがあるという:

  • 小売業:日常生活での重要性が高まった。ECなどの通信販売はコロナ禍でさらに期待が上昇している。マスクや消毒液などを扱うドラッグストアは医薬品や日用雑貨を購入する消費者を軸に期待が高まっている。「おうち時間」や「在宅ワーク」の影響でホームセンターや家電量販店への期待も上昇した。ただ、小売業はコロナ後元のスコアに戻っている。
  • エンタテイメント業や国内長距離交通、娯楽関連:コロナ前には期待が高まったが、コロナ後も期待の上昇が今も続いている。非日常的なサービス体験は、実際に体験する前の計画段階などがワクワク感が大きいことも関連しているという。
  • 銀行やクレジットカードなどの金融業:コロナ禍で明らかに低下した。支店の統廃合が進む中で実店舗をもつ銀行のCSも預金者の期待も低下している。各種のキャッシュレス決済の普及でクレジットカードも期待が低下している。

同じサービスでも個人差があるのは予想できるが、同一人物でも状況によって影響を受けることが調査では示していると小野教授は示唆している。👟👞🫗🧴📷🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:データー市場の非対称性」から

2023.2.16   日経産業新聞の記事「WAVE:データー市場の非対称性」から

データの品質保証への提案

コラムの著者 辻中 仁士氏(ナウキャストCEO)は、ミクロ経済の入門コースで紹介される「市場の失敗」を例として、「レモン市場」を取り上げ、データ流通の市場にも応用できないかと考察している。

○売り手の圧倒的有利が不正を招く

 「レモン市場」とはレモンの皮が厚くて、外見から中身がわからないことから、生産コストが高い、高品質な商品が市場から駆逐され、低品質な商品が出回る、と言う構図を示す。

辻中氏によれば、データの流通市場にもまさに「レモン市場」的な側面があると言う。同氏の経験ではデータには品質の高低が明らかに存在すると言う。例えばスマホの位置情報では欠測値があったりスマホのホルダーの状態、サンプル数の大小などでデータの精度にばらつきが生じる。

このような状況でもデータの売り手は買い手には対して圧倒的に情報優位性を持つことから、売り手のデータが低品質でもその事実は買い手にはわからない。そこに売り手の不正が入り込む余地がある。「過去のデータを操作して、正答率が高く見えるようにしよう」という不正操作を売り手側が行っても買い手は一見して気付くことは極めて少ない。

ではこのような不正が起こりやすい「市場の失敗」をどう乗り越えれば良いのか。

辻中氏は、シグナリングや公的介入がまずは正攻法だという。この内、データ流通市場でのシグナリングは、独立した機関が高品質なデータを「認証」することだという。買い手が品質の高低がわかるイメージである。いわゆる「認証制度」を作らなくても大学の研究者にデータを提供して研究してもらうのも実質的な認証として機能するという。アカデミアの立場は一定の独立性があるし、低品質なら研究材料にはならないからだ。研究実績の多いデータは品質の高さが認められているといえる。😷📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:対話と体験の進化」から

2023.2.2   日経産業新聞の記事「WAVE:対話と体験の進化」から

「ホログラフィック通信」から「ハプティック通信」が加わる時代へ

コラムの著者 鹿島 毅氏(エリクソン北東アジア ネットワークエボリューション統括本部長)は、コミュニケーションやインタラクションの進化とコネクティビティーの貢献について考察している。

○「フラットな画面で会話していたこと」が信じられない時代へ

 鹿島氏によると、モバイルネットワークにおける通信速度は過去30年で数万倍以上に加速してきたという。それに伴ってモバイルデバイスでやりとりされるコンテンツもテキストメッセージ・音声から、より高品質な写真・音楽、動画へと次元を増やしながら、ユーザー体験をよりリッチにしてきた。

次の変化はリアルタイム性のある3D体験で、高速な5G通信が普及し、ARグラスが一般の消費者向けのモバイルデバイスになることである。このような「フォログラフィック」が実現することが望まれているという。

技術革新に伴って利用目的である「用途」や「応用」も進歩する。「ホログラフィック通信」は医療画像やテレプレゼンス、リモートコラボレーションといった応用や、リモート通信の既存の体験の向上などが進められる。

3D体験の中で空間の認識が改善されると、仮想現実と物理的現実の差異は次第になくなり、人間の感覚がデジタル変換されて完全没入型の体験ができるようになる。これによって我々のコミニュケーションが変わる。さらい2030年代になると体験は超低遅延によりアクションから応答までの時間が短くなり、遠隔世界や仮想世界と目の前の物理世界の差が縮まっていく。ARグラスによりコミュニケーションで、「フラットな画面で会話していたなんて信じられない」という時代が来るかもしれない。🩺😷📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇫🇷🇩🇪🇬🇧🇸🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:サウジアラビア、アニメの有望市場に育つか」から

2023.1.20 日経産業新聞の記事「眼光紙背:サウジアラビア、アニメの有望市場に育つか」から

エンタメ産業の育成を進めアニメ文化の理解に深まる

コラムの著者によれば、サウジアラビアで日本のアニメが注目され、イベントやアニソンライブ、共同制作などが進み、エンターテイメント産業の育成やアニメ文化の理解を同国政府ぐるみで推進しているという。

○文化や宗教上の理由から厳しい表現規制が存在

コラムの著者によれば、2022年10月にはサウジアラビア王国政府主催の日本アニメのイベントが開催され、12月にはアニメソング(アニソン)を歌う日本のアーティスト11組が出演するライブイベントが開かれた。背景に中東には日本のアニメに親しんで育った世代も多く、市場としては有望である。

サウジアラビアの首都リアドに集まったアニメファンは、22年の人気アニメの主題歌を歌ったアーティストに熱狂する。これも同国政府主催のイベント、「リヤド・シーズン2022」の一環であるという。10月には「サウジアラビアエクスポ2022」を3年ぶりに開き、コスプレーヤーの男女が参加し、アニメキャラクターのコスチュームでの撮影などを楽しんでいたという。

宗教的には同国は厳格なイスラム教国家であるが、日本のアニメ制作会社とも連携を強化している。同国の王室系のマンガプロダクションズと東映アニメーションが共同でアニメ映画を制作するなど、資金の出し手としても関係している。

宗教上の理由で肌の露出や飲酒シーンなどの表現規制が厳しいが、産業育成には力を入れてる。日本側もどこまで「郷にいれば郷に従え」ができるかが試されている。💵💰📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇸🇦


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:人気ドラマの裏に韓国・台湾映画」から

2023.1.10 日経産業新聞の記事「眼光紙背:人気ドラマの裏に韓国・台湾映画」から

映画・ドラマの対象となる現代文化は欧米からアジアへ

コラムの著者によれば2022年10月〜12月期のテレビドラマで話題となったのは、フジテレビの「Silent(サイレント)」であったという。若い脚本家による会話、音楽、画面の構成と演出が斬新で若年層を惹きつけたという。

○韓国や台湾の映画・ドラマの影響を受けている

 ドラマ「Silent」は高校時代に交際していたカップルが8年ぶりに再会。しかし、男性の聴力は失われていたという設定の恋愛ドラマである。若い脚本家による自然な会話、余白の多い画面、大袈裟でなく、無理な盛り上げのない音楽などによる演出といった斬新な手法で若年層を惹きつけたという。

同ドラマの監督 風間大樹氏がエンタテイメント情報サイトで語ったところによると、スタッフも一緒に見て感覚を共有した作品に影響を受けたという。その作品は韓国映画「はちどり」(2018年)であったという。

同作と「Silent」には設定やストーリーに共通性はないが、世界観の作り方に通じるものがあるという。雑多な日常を描きつつ、透明感がある。登場人物と世界との心の距離が静かに表現されているところだという。

韓国映画「はちどり」の監督 キム・ボラ氏が影響を与えた作品は、台湾のエドワード・ヤン監督「ヤンヤン 夏の思い出」と日本の是枝裕和監督「誰も知らない」だという。まさにアジア勢で互いの作品から学び合っている。これまでの映画で現代文化の対象が欧米であったことに対して今や、アジアへその対象が移っている。💵💰📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇰🇷🇹🇼🇺🇸