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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本アニメの魅力、『共感』異文化にも浸透」から

2016.3.31  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本アニメの魅力、『共感』異文化にも浸透」から

フランス・オタク第一世代の作家が語るサブカルチャーの起源

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、前回の意味記憶、エピソード記憶の話に続き、日本のサブカルチャーの起源についてフランス人からみた考察について触れている。

○アニメを日本製だから見たのではなく、面白いから見たら日本製だった

三浦教授は、昨年出版されたトリスタン・ブルネ氏著の「水曜日のアニメが待ち遠しい」(誠文堂新光社)が面白いという。同氏はフランス・オタク第1世代と自称し、フランスにおける日本アニメ受容の歴史を分析する中で日本のサブカルチャーの魅力について読み解いているという。

ブルネ氏の分析によると、日本アニメがヒットした理由は、作者と視聴者、読者の「共感」の強さにあるという。初めから強いヒーロー像よりも、視聴者や読者と同じ人間として描かれ、時に悩み、争いながらも成長していくところに共感を得たからだという。

さらに物語論では、物語の魅力は自己移入(物語の世界観に入り込めるか)、感情移入(登場キャラクターに感情移入できるか)に依存する。その中で通常の人間と同じ成長段階を共有し、共感出来るのだという。共感は、自分の体験を記憶するエピソード記憶に他ならない。

政府のクールジャパン戦略は、サブカルチャーの扱いで誤っているという。日本アニメは日本製だから見たのではなく、面白いと思ってみたら日本製だったというのが正しい。ジャパンだからクールだよ、というのはステレオタイプでそんなに単純じゃない。

日本人が、ブルネ氏の視点で分析することで、全く異なる文化をどう受容していくかのプロセスがわかる。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:めげない姿勢、未来つくる」から

2016. 3.7   日経産業新聞の記事「眼光紙背:めげない姿勢、未来つくる」から

昔の特撮番組のシーンが現実に

コラムの著者は、1965年に英国で制作された特撮番組「サンダーバード」のシーンににたことが現実に挑戦されていることについて触れている。

○宇宙事業VBスペースXの立ったままの姿勢での着陸実験

サンダーバードのおなじみのシーンは、2065年に設定された秘密組織、国際救助隊の陸海空への出動シーンである。その中で、活動を終えたロケット型の救助機が帰還する際に、まっすぐ立ったままの姿勢で基地にもどるシーンがあるという。

そのシーンににた実験が、米VBのスペースXが1月中旬に垂直着陸の実験である。同社が打ち上げた「ファルコン9」の着陸で、実験は、姿勢が安定せずに残念ながら大破して失敗したが、まだまだ挑戦すると、スペースXの創業者、イーロン・マスク氏(テスラモーターズの創業者としても有名)と語ったという。

めげない姿勢が未来をつくる実験である。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「デザインNOW:夜空のような空間演出」から

2015.12. 22  日経産業新聞の記事「デザインNOW:夜空のような空間演出」から

手軽に家庭で楽しめる星空

コ ラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、セガトイズのホームスターを取り上げ、星空の再現を家庭で出来る空間演出の小道具について語っている。

○都市生活では味得ない星空

冬は最も星座が華やかに見えるという。ただ、どこにどういった星座があったかを忘れて、なかなか星空を楽しむチャンスがない。都市では、夜間照明が強く、星座が鮮明に見えない。確かに、日本一のプラネタリウムを東京はお台場に日本科学未来館に設置しているが、遠方からアクセスも時間がかかることから、家庭でも手軽に星空といったわけにはいかない。

しかし、セガトイズの同製品は、光学式で室内に星座を投影することができる。機種にはバリエーションがあるが、四季の恒星を部屋の中で再現できる。

テレビやパソコンの画面で画像を見るのとは違って、室内そのものを夜空のように変えてしまう小道具だといえそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:画像センサー時代、ソニーの着眼、支えた執念」から

2015.11.24   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:画像センサー時代、ソニーの着眼、支えた執念」から

早期の着眼を執念で結実

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、画像センサーの世界一のソニーが東芝大分工場の同製品の生産工場を買収とのことで、同社の電荷結合素子(CCD)について触れ、その着眼について語っている

◯米ベル研による発明を早期に着眼

同社の後に社長となる岩間和夫氏は米ベル研のCCD発明者であるウィラード・ボイル氏(ノーベル物理学賞を後に受賞)にあい、その動作原理を受け、すぐに動いたのは米ベル研ではなく、ソニーの岩間氏だったと志村氏は語る。次なる同社の技術革新は、CCDカメラに代表される画像エレクトロニクスであった。1973年にはどこよりも早くCCDプロジェクトを発足、イーストマンコダックを仮想敵として開発を開始した。しかし、画像欠陥が生じるという課題解決を民生用では差別化要因として挑戦したために多大な時間を要したという。この間多くの資金難などを乗り越え、1985年民生用初のカメラ一体型VTRを発売した。今は撮像素子の主流は処理速度の速いCMOSイメージセンサーに移ったが、CCDで培った技術蓄積は同社の事業の原動力になっている。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:動画視聴、タテ型?ヨコ型?、使い分けに応じて商機」から

2015.11.20   日経産業新聞の記事「流行を読む:動画視聴、タテ型?ヨコ型?、使い分けに応じて商機」から

じっくり視聴はヨコ、他のアプリを併用はタテ

コラムの著者奥 律哉氏(電通総研メディアイノベーションラボ総括責任者)は、動画の視聴の際にスマートフォンの向きはタテかヨコかで、利用者のインサイトがわかるという。

○年齢によって異なる方向

利用者にグループインタビューをして聞いてみると、

  • 年配;動画をフルスクリーンでみるのが当然と思っている→ヨコ型
  • 若者;以下の理由でタテ型
    • アクションが増えるのでタテ型
    • 本当にこだわりのある動画以外はタテで十分
    • タテ型でないと、スクロールして他のコンテンツやアプリにスイッチできない
  • 若者でも、音楽ライブや見逃したドラマなどじっくり見たい物はヨコ型にするという

といった分析である。

最近ではSNSからニュースサイトや動画コンテンツにつながることがシームレス(縫い目がない)状況になったためにタテ型視聴が多いという。どうも動画単体で楽しまれているというわけではないという。この理由として、じっくりエンタテインメントを見せる動画配信サービスがまだ少ないことだというが、HuluやNetflixなどの参入で状況が変わるかもしれない。ヨコ型を前提としてサービスの拡充である。

ユーザはTPOに応じて、

  • 隙間の暇つぶし
  • じっくりと視聴
  • コミニュケーション(電話やSNS、チャット)
  • コミュニケーションのネタ探し
  • Wifi環境が使えるかどうか

などの条件を瞬間で判断して、スマホの向きを変えるようだ。この辺りにビジネスチャンス(商機)がありそうだと奥氏は示唆している。