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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:メディアの変化、現実の世界自体も拡張」から

2016.10.6  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:メディアの変化、現実の世界自体も拡張」から

AR、VR、そして現実の全てが「新しいリアル」

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、いとうせいこう氏の小学生を主人公にネットゲームとリアル世界との相互作用を描いた小説「ノーライフキング」(1988年刊)のキーフレーズを出し、、企業も消費者も「新しいリアル」を駆使する時代になったことを説いている。

○「僕たちは新しいリアルです」

三浦教授によればこれは同著のキーフレーズだという。つまり、AR、VRも現実さえも境目がなく、「新しいリアル」であるという。これを伝えるメディアも大きく変わったという。

企業側には、トリプルメディアとよばれる、⑴ペイドメディア(マス媒体など)⑵オウンドメディア(企業のホームページなど)⑶アーンドメディア(フェイスブックやツイッターなどのSNS)が扱えるようになった。昔は⑴のみであった。いまは企業自らメディアを持てる、⑵である。無料のSNSにうまく情報が載せられれば、効果絶大である。

さらに企業の情報提供は消費者側も変えた。いまや消費者は情報消費者ではなく、ユーザー・ジェネレーレイド・コンテンツ(UGC)としてBlogやSNSで情報を提供する側にもなり得る。

20世紀のメディア論の大家だというマクルーハンは、

「技術やメディアは、人間の身体の拡張である」

と喝破した。

  • 手の代わり;石おの
  • 足の代わり;車輪
  • 耳の代わり;ラジオ
  • 目の代わり;テレビ

のように技術やメディアの発展で人間は身体能力を拡張してきたという。

インターネットでは、現実世界だけでなく、仮想(ネット)世界まで身体能力を拡張した。もう、そこには「新しいリアル」しかなく、どこまでが仮想でどこまでが現実であるかという分類も無意味になってきている。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:アニメ時代の『葛飾北斎』」から

2016.9.16   日経産業新聞の記事「眼光紙背:アニメ時代の『葛飾北斎』」から

ハリウッド映画を凌駕する品質

コラムの著者がこの夏、封切りとなった2つの邦画、「シン・ゴジラ」と「君の名は」で度肝を抜かれたとの感想でその本質について語っている。

◯アニメやCG時代における初代市川團十郎や葛飾北斎に遭遇?!

映画はネット配信サービスでよいと考えている世代から多くの人が「面白い」と言っているのが、この2作である。面白い以上に、度肝を抜かれたという。日本映画はとてつもないレベルに進化していると思い知った。ハリウッド映画を今や凌駕しているとも言えるかもしれない。

制作費がものをいった実写時代、ド派手なハリウッド映画に慣らされた眼では邦画はどうもしょぼく見えたという。だが、CGと実写、アニメが融合する時代となってハンデは消えた。

高性能コンピュータを数台駆使し創造したゴジラは存在感を持ち、「君の名は」の主人公の細やかな感情表現は、そんじょそこらの名優を超えていたという。おたくものだったゲームやアニメが、それを極めた人によって文化や芸術になる。歌舞伎や浮世絵もそうやって進化した。

私たちはまさにアニメ時代の初代市川團十郎や葛飾北斎の誕生を目撃しているのかもしれない。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 五輪と放送技術、息のむ映像、東京に期待」から

2016.8.23   日経産業新聞の記事「風向計: 五輪と放送技術、息のむ映像、東京に期待」から

五輪は情報通信高度化の歴史を刻む

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研 メディアイノベーションラボ統括責任者)は、閉会式を迎えたリオデジャネイロ五輪大会から2020年開催予定の東京五輪大会のテレビ画質について示唆している。

○視覚環境を決める4要素でみると

64年の東京五輪ではカラーテレビ放送の幕開け、2012年ロンドン五輪はソーシャルオリンピックと呼ばれ、SNSへの投稿が盛んに行われた。今回はスマホをもった選手が見慣れた光景となっている。

日本では、NHKなどがパブリックビューイングをリオをコンテンツに4K8Kで実験放送を実施したという。また、TV以外にもスマートフォンやタブレットでも同時放送をや見逃し放送など本格的な実験がおこなわれた。

奥氏の視聴の感想を見ると、陸上競技場で選手からほとばしる汗まで見え、その臨場感に息をのんだという。また、見逃し配信では、得点ごとに検索できる機能などの工夫が見られ、今後冬季五輪、東京五輪でどう開花させるか、目が離せない。

奥氏によると視覚環境を決める4要素は、「いつ」、「どこで」、どんな「気分」に対応した「場面」が視聴者で簡単にできるかにキーがあるという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:もしも真田が天下をとっていたら」から

2016.8.17  日経産業新聞の記事「眼光紙背:もしも真田が天下をとっていたら」から

手練手管の外交、真田紐に見られる事業センスで異なった日本?

コラムの著者は、大河ドラマで盛り上がっている真田家について語っている。

◯第5世代の通信の鍵を握るのも真田氏

MIMO(Multiple Input Multiple Output)と呼ばれる、複数のアンテナを使って複数のデータを同時に送受信するための高速通信手法で、この分野で注目されている慶應大学理工学部の真田幸俊教授は、戦国大名真田昌幸の長男・信之が始祖となる信州松代藩真田家の14代当主だという。真田家の進取の精神が時を超えて現代社会にも影響を与えている。

真田紐も、軍備調達に備えたとの言い伝えがあるが、真田家の発明ではなく、当時流行ファッションとして刀に使ったことから、次男・信繁が全国販売を思いついたという。

手練手管の外交手腕と真田紐のビジネスセンスは、保守的な徳川政権の体質とはかなり異なる。真田が天下を取っていたら、この日本はどうなっていたであろうか?

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 五輪視聴率、時差少ないと高く」から

2016.8.9   日経産業新聞の記事「風向計: 五輪視聴率、時差少ないと高く」から

時差ある中で付加価値の追求必要

コラムの著者 山本直人氏(コンサルタント・青山学院大学講師)は、時差12時間あるリオデジャネイロ五輪大会での視聴率などを考察しながら2020年開催予定の東京五輪大会のテレビ報道のあり方について示唆している。

○過去の五輪夏季大会の視聴率データ

関東地区のビデオリサーチ社による視聴率データから過去の五輪夏季大会のテレビ視聴率の推移をみると、

  • ロンドン大会;低下
  • アトランタ大会;高くない
  • シドニー大会や北京大会;高い

という結果だという。つまり、日本からの時差が少ないことが、テレビ視聴率を左右するという。多くの人が、自分の生活時間に合わせてテレビを見ている。つまり日常の生活時間に、どのような番組を提供するかがキーとなる。また、世界記録の誕生や日本選手の活躍など、何度も同じ場面ばかりだと食傷気味になる。テレビとしての付加価値をつける絶好の機会であり、それにより視聴率が推移するという。

さらに最近はネット配信など攻勢もあり、スポーツ中継のみでは極めて苦しい。単に競技をみるだけでなく、競技人口の少ない種目にスポットを当てたり、まだ知られていない面白さなどを広く伝えるのにテレビ番組は適している。

4年後、時差のない東京五輪大会だが、溢れる情報をいかに整理し、視聴者に付加価値のわかるテレビ放送を目指さねばならない。camerahappy01