2025.4.5   日本経済新聞の記事「Deep_Insight：米景気後退の危うい打算」から

「これでは故意の景気後退」だ

コラムの著者 西村 博之氏（日本経済新聞社 コメンテーター）によれば、こう語るのは著名なエコノミストでムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ氏である。ザンディ氏によればトランプ米政権の狙いは政府頼みの経済からの決別だという。さて、その意図は何があるのか。

◯トランプ米政権が米経済を拡散する意図は？

西村氏によれば、ザンディ氏が米政権の政府頼みからの段階は次のようだという：

• 第1段階：経済活動の抑制と株安。それに伴う消費減少などの「逆資産効果」でインフレ率と金利を下げる。
• 第2段階：減税と規制緩和を組み合わせ、企業主導の成長を目指す。

というシナリオであるという。米政権からはこのシナリオを示唆する発言が相次いでいるという。先月、景気後退の可能性を問われたトランプ米大統領は否定せずに、「大事を成すには移行期間がいる」と述べている。

景気を操りたがる政治家の傾向は、かつて経済学者ミルトン・フリードマンも指摘している。これをさらに改造したのが、「政治的景気循環論」として理論化したのが、後にノーベル経済学賞を受賞した米エール大学のウィリアム・ノードハウス教授である。再選を目指す政権は選挙前に失業を減らそうと景気を拡大させ、選挙後は緊縮策に転じ、景気循環を生むという説である。

経済経営の失敗を見越したものではないだろうが、西村氏によれば雇用統計の客観視すべき米労働省の諮問機関が先月、政府効率化省（DOGE）を名目に解散させられた。米商務省の同種の委員会もラトニック長官が解散を命じた。

貴重な経営資源、とくに資金を預かった経営者は信頼でいない相手先を敬遠する。事実を歪め不都合な話を「フェイクニュース」と退けても熱烈な支持者は信じるだろう。しかし、世界の企業は「フェイクエコノミー」への投資は見送るだろう。💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇺🇸