【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:中小視点のコンプラ体制が重要」から
2024/08/07
2024.8.5 日本経済新聞の記事「私見卓見:中小視点のコンプラ体制が重要」から
リスクテイクを正しく実現するコンプライアンス体制が中小企業には重要
コラムの著者 田中 雅敏氏(明倫国際法律事務所 代表弁護士)によれば、日本企業の99.7%を占める中小企業の成長を伸ばすことは日本経済の再起に向けた喫緊の課題だという。大企業では徹底したリスク回避であるが、中小企業では経営判断に小回りのきくことを特色を生かすためには法務自体の異なった視点が必要だと言う。
○中小企業のコンプライアンスは大企業の「小さい版」ではない
田中氏によれば、中小企業の法務は、大企業の「小さい版」ではなく、経営資源も限られた中で法務体制も脆弱な中での業務となる。一方、大企業にはない点である、意思決定や社内の決済は速さが勝負となる。これはスタートアップ企業同様、経営の舵取りの仕方によっては高い成長性が期待できると言う。
中小企業の悩みは、企業規模に比べて過大なコンプライアンスを、大口取引先の大企業の基準に合わせて求められることである。厳密なビジネスプランやリスク管理、BCPや生産継続体制の確立などである。だが、中小企業にとって最も重要なことは、悩みである過大なコンプライアンスにあるのではなく、リスクを単純に回避することは、生産性の低下やビジネスチャンスを逃しかねないということにある。
田中氏はここで中小企業の重要な判断について逸話を紹介している。
- 大手メーカーから出資を受けているある中小企業は、経営判断にあたりメーカー側の決済をいちいち待たねばならないことになっていた。
- あるとき、中小企業側が大手の決済スピードを改善するように求めたが、大手企業は「さまざまな可能性を考えていくのでその分遅くなる」と応じたと言う。
- そこで中小企業の社長は、大手企業の関係者に以下のように言い放った:
- 「このスピード感で商機を失うのが、一番のリスクではないですか?そのリスクは検討したのですか?」
中小企業で、大企業的に「念の為に、これはやめよう」と考えてしまうのは好ましくないと田中氏は指摘する。中小企業では適切な経営判断でリスクテイクを正しく実現するという、中小企業の視点でのコンプライアンス体制を作ることであろう。また、このリスク管理のセンスをもつ社員を確保・育成すべきだとも指摘している。👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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