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2024.8.21  日本経済新聞の記事「中外時評:AI先行投資に潜むリスク」から

生成AIの活用の期待値が「経理」、「法務」、「人事」とも下がっている

すでに日経の社説にも先行投資のリスクについて述べられているが、コラムの著者 田中 暁人氏(日本経済新聞社 論説委員)はさらに巨大テック企業と顧客企業の味方の差を浮き彫りにして、生成AIブームがそれほどでもないことを示している。

○目先の業務の効率化やコスト削減を目論みが期待以下だった

田中氏によれば、巨大テック企業のようにクラウドサービスやネットサービスといったデジタルプラットフォームで高い世界シェアを握り、莫大なキャッシュを安定的に稼ぐ収益モデルをもっているところと、目先の業務改善や効率化、コスト削減を考えている顧客企業では、生成Aiに対する投資期間が大きく違うのは当然であるという。

田中氏によれば、2022年11月中旬、東京都内で日経の単独インタビューに応じた米マイクロソフト(MS)最高経営責任者(CEO)のサティア・ナデラ氏から、この先10年で最も重要なデジタル技術は何かという問いに、

「疑う余地もなくAI(人工知能)だ」

と即答が返ってきたという。インタビューの2週間後、米スタートアップのオープンAI社が生成AI「ChatGPT」を公開したことで、一気に生成Aiが世の中に普及した。すでにMSは2019年に同社に出資している。さらにMSでは顧客企業への事業化を進めてきた。つまり、自社の業務アプリ群に生成AI技術を組み込み、メールの返信やスライドの作成などAIが支援するサービスをいち早く投入し収益化に繋げている。さらにMSのクラウドサービス経由で他の企業や組織に生成AIを使えるようにして、同事業の売り上げも増加しているという。処理系を半導体に行わせたり、AIを搭載するタブレット端末などにも参入している。当時は、同社の株式時価総額が世界最大となった。

しかし、その後同社の増収増益にも関わらず、株価は下落し始めている。背景に、社説にあるデータセンターなどの先行投資が大きすぎるとの懸念であるという。だが、本当のところは、「企業が生成AIを導入するハードルが思った以上に高いことがわかってきた」と、オープンAI社と提携関係にあるコンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーの安達広明パートナーは指摘しているという。AIに処理させるための自社のデータの整理や分類に手間取ったり、処理までにこぎつけたものの、想定と違ったアウトプットが返ってきて役立たずとなったケースもあるという。

巨大テック企業は先行投資は体力的にできるだろうが、顧客企業にとっては中長期的な付き合いよりも短期的なソリューションが欲しいところであろう。実際ベインの調査では「経理」「法務」「人事」といった各部門での応用が期待値に削ぐわっていないようである。

ここは、短期的なソリューションを見出し、顧客企業と連携する方がより多くの応用と収益性が出るのではないだろうか。💴🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵

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