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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「500万円で『私を取締役に』、NTTの株主提案が波紋、株式分割の副作用」から

2024.7.8 日本経済新聞の記事「500万円で『私を取締役に』、NTTの株主提案が波紋、株式分割の副作用」から

株主権限、見直し議論も

投資をしやすくするため上場企業の株式分割が相次ぐ中で、その「副作用」の懸念があるという。コラムの著者 宮川 克也と本脇 賢尚氏(日本経済新聞社)によれば、NTTでは今年、個人株主が約500万円の株取得によって自らを「取締役」にするよう求める提案を出したという。企業側も株主提案の濫用による株主総会の混乱や不要な対応コストが増え問題だという。

○会社法改正時に不適切な株主提案を規制できるルールも検討されたが

著者らによれば、もともと海外に比べ、日本企業は、株主提案の濫用に歯止めがかかりにくい仕組みとなっているという。米国では、米証券取引委員会(SEC)の承認が得られれば、企業側から株主提案議案を削除できるという。削除承認の実績は、23年で76件、24年で139件もある。日本ではこのような制度は存在しない。日本はこれまで株主提案権について、行使要件を厳格にする法改正があまり進んでいない。株主の権利保護や経営による恣意的運用の恐れなどが強調され、限定的な修正にとどまっているという。

事案の顛末はどうなのか。株主展案をしたのは兵庫県議会の議員で、NTTの重要課題として「執行役員以上の経費調査」などを主張し、自分を「真に独立した社外取締役」として選任することをもとめたものであった。議員がNTT株を取得したのは、同社が2023年7月1日に株式分割して直近の7月18日である。当初から株主提案を意図しての取得であったという。会社法では、株主提案するには総議決権の1%か300個以上の議決権を6ヶ月間継続保有することが条件である。同議員は基準ぎりぎりの3万株(議決権300個)を取得した。このような事態になったのは、取得コストの値下がりがある。所得日の終値で単純計算すると約500万円。この額で時価総額約14兆円の企業への株主議決権を得たことになる。仮にもし分割をしなければ1億2000万円超が必要であった。議案は約5%の賛成で否決されたが、メディアなどの目に入り、株主の主張も問題意識も共有しやすいというのが動機だという。

多くの専門家は「300個以上の議決権」に関しての見直しが必要と指摘している。株式は投資しやすくなったが、「副作用」も議論するべき時であろう。💴🤔😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:理念や業務に適したオフィスに」から

2024.7.5  日本経済新聞の記事「私見卓見:理念や業務に適したオフィスに」から

会社への帰属意識を上げるオフィスの再編

コラムの著者 豊田 健一氏(戦略総務研究所 所長)によれば、新型コロナウイルスの災禍が下火になったこの頃、オフィス回帰への動きが顕著になっているという。チームワークによる業務が多い日本企業では、オフィスワークがさらに進んでいるという。だが、社員はコロナ禍でコミュニケーションの低下による会社への帰属意識が低下しており、オフィスに行く意義が再認識されているという。

○チーム・ベースド・ワーキング(TBW)への回帰

豊田氏によれば、大きの企業がオフィス再編に際して、何を軸に働く場を作れば良いか、きちんと理解し、自社の企業理念やビジョンをデザインコンセプトに落とし込むことが重要だと指摘している。

また出社頻度の低下による問題の一つが会社への規則意識の低下である。そこでオフィスに来るたびに、自社の社員であることを想起するデザインである必要があると豊田氏は語っている。

リモートワークなどで改めて認識されたのがチーム活動の重要性である。仕事の中身で働く場や時間を選ぶアクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)は社員各自の働き方に合わせたオフィス設計であるが、今度は、そこからチームワークを軸としたTBWの考え方が主流になるという。つまり各チームの成果が最大になるような最適な場の提供が鍵になる。

これまでABWの場合は固定席のないフリーアドレスが多かったが、イノベーションを重視するなら社員同士の衝突が求められており、部門ごとに求められる成果や生産性も異なるため、一律に同じ仕様にはできない。これに対してオフィス設計をどこに軸をおくかが変わってくると豊田氏はその進化に期待している。🤔😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『夏季休業』と『体験格差』」から

2024.7.5   日本経済新聞の記事「春秋:『夏季休業』と『体験格差』」から

広がる子ども達の「体験格差」

コラムの著者によれば、「夏季休業」を前に子ども達の生活経済が厳しい状況のために、親たちの経済的余裕に応じて子ども達の夏休み体験の格差が生じるという。田山花袋の「田舎教師」に綴られた夏休みの心得を子ども達の説いていた時代よりも社会は進歩したのであろうか。

○旅行やイベントなど、家族で貴重な思い出を残せる夏休み

コラムの著者は「田舎教師」から次のような引用をしている:

「毎日一度ずつは、本を出してお復習(さらい)をなさい。それからお父さんお母さんに世話をやかしてはいけません。桃や梨や西瓜(すいか)などをたくさん食べてはいけません」

と、明治30年代の夏休み前に教師が子ども達に説いた心得である。学校の「夏季休業」は欧米にならったものだという。明治30年代ではすでに日本でも定着していたようで、物語は夏休み前の「ざわざわ」した心情が描写されている。今もこの風景は変わらない。親に世話をかけてはいけないということを強調しているのも当時の家庭も子どもが家にいる毎日は大変であったことであろう。

だが、令和に日本では、もっと切迫した声だという。認定NPO法人「キッズドア」の調査によれば、小中学生のいる困窮世帯の約6割が、子どもの夏休み廃止や短縮を望んでいるという。要因は、「生活費がかかる」、「特別な体験をさせる経済的な余裕がない」といった訴えが多くでてきたという。

夏休みは、家族にとって旅行やイベントなど思い出が残せ、体験できる好機である。しかし、それが叶わぬ世帯が多く、子ども達の「体験格差」が広がっている。貧しかった明治の日本でも考えられない光景であろう。花袋の時代、教師も夏休みを思い思いに楽しんでいた。そのころと今の日本社会はどれだけ進歩したのであろうか。🍉🏊☀️👒🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:外国人材の育成で誇れるか」から

2024.7.3  日本経済新聞の記事「中外時評:外国人材の育成で誇れるか」から

評価を工夫し公正に処遇すれば成長意欲は確実に高まる

前回の通常国会で外国人技能実習に代わる新制度「育成就労」の導入が決定した。コラムの著者 半沢 二喜氏(日本経済新聞社論説委員)によれば、これまで期間限定で単純労働を受け入れてきた政策を転換したことになる。この間の日本企業は、日本は人を育ててきたのか。

○自己成長を本人が感じれば外国人も日本人も同じ

半沢氏は、外国人雇用の事例として金属プレス加工を手掛ける光製作所(神奈川県綾瀬市)の取り組みを取り上げている。

光製作所の丸山裕司社長は、

「(技能実習制度が始まってから)この30年、日本は人を育てることを放棄してきたのではないか」

と語る。一時帰省した技能実習生が日本に戻ると、「もう不要だ」と元の職場から言われた。そんな他社の事例を聞いて腹立たしく思っていたという。

新制度では、日本語能力や技能の試験を課すことで別の在留資格「特定技能」へのステップアップを促し、永住も視野に入れて定着を目指す。ここで問われるのは受け入れる側の長期的視点で外国人材を育てていく力だという。

光製作所で心掛けているのは、技能実習生の一人一人の習熟の速度に合わせた人材教育だという。日本語は教師役となる社員を本人が選び、勤務時間内でもマンツーマンで学ぶ。社内会議には技能実習生も参加してもらい課題などを共有してきた。技能検定の前にはつきっきりで技術を指導し、外国人正社員には品質管理の模擬テストを社内で繰り返し、段階的に点数が上がることで学ぶ意欲を高め合うという。結果、入社5年で工場長レベルに技能が高まったリーダーが2名生まれ、技能実習生だけで1工場を稼働できる状態にまでになった。

「日本企業はすぐに成果を求めたがるが、教える側は諦めてはいけない。自己成長を本人が感じれば学ぶ意欲は増す。日本人も同じだ」

と丸山社長は強調する。これまで日本企業が得意だった人材育成は新卒一括採用と長期雇用を前提としていた。今度は就労育成で外国人材を育て上げる力に変えられるかが真価が問われるところであろう。🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:デジタル時代の新紙幣が問う現金の役割」から

2024.7.3  日本経済新聞の記事「社説:デジタル時代の新紙幣が問う現金の役割」から

お金の流通や決済の仕組みの望ましいあり方を考える好機

今月3日に新しい紙幣(日本銀行券)が発行された。デジタル時代でスマホ決済など普及するなかで現金の役割が問われるときの発行である。社説の著者によれば、デフレーションからインフレーションへ変わる潮目でもある。これからの現金のあり方や決済について考えるチャンスと社説の著者は語っている。

○今後も紙幣はデジタル系金融と併存

社説では今回の改刷は偽造防止が主目的だという。そこで多くの偽造対策の技術が取り込まれている。例えば、肖像画が立体的に見える3Dホログラムなど最先端技術を採用している。旧紙幣ももちろんそのまま利用できる。

だが、日本国内には明確な目的なく自宅などで保有する「タンス預金」については有効活用を考える契機になりうるという。数字にも出ている。紙幣の発行残高約120兆円のうち、半分の約60兆円がタンス預金と推計されている。タンス預金が消費などに回れば経済活動が刺激されるが、使わない間に物価が上昇すれば現金の実質価値は目減りする。日銀も3月、17年ぶりの利上げに踏み切った。今年から少額投資非課税制度(NISA)もされた。タンス預金を適切な投資に回すのも選択肢になろう。

デジタル時代に普及したキャッシュレス決済は、現金インフラ投資の重さで伸び、中国や韓国では日本のキャッシュレス比率4割以上で8〜9割超と高いことからも見劣りがしている。新紙幣導入によるATMや券売機の改修コストも大きく、中小や飲食店ではコスト高で改修が遅れるため、これを機に省人化やキャッシュレス化の支援施策をすべきであろう。

日本銀行は、海外でも試行されている「デジタル通貨」の研究を進めている。乱立する民間のデジタルマネーを繋ぎ、利用者に利便性と安全性を高めた「デジタル円」の取り組みも重要であろう。そこには新たな金融のイノベーションが起こる可能性もある。紙幣がなくなることは見通せないが、しばらくはデジタル化と並走する形で未来は移行していく。💴🎤🪐🚀💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏happy01🇯🇵