【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ニューロマーケティング、『愛』の違い、科学的に解析」から
2023/10/28
2023.10.20 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ニューロマーケティング、『愛』の違い、科学的に解析」から
従来のマーケティングは診察を問診だけで済ますようなもの
コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は恩師の関係での研究会で綿貫真也氏(流通科学大学教授)の発表が興味深く、ニューロサイエンスを応用したブランド戦略について語っている。
三浦教授によれば、従来のブランド戦略に関して消費者との関係性をいかに高めるかという研究が多くあるという。その中でブランドラブ研究では、母子愛や恋愛を扱う対人心理学のラブ理論を応用し、消費者がブランドを愛するようになれば、両者の関係は盤石になると考えている。この考えはブランド戦略の実務でもよく使われている。
しかし、ブランドラブは一方向性で、母子愛や恋愛は双方向性である。しかも、ブランドラブの対象は「人」ではない。同じラブという言葉を使っているが、同じ感情と取り扱って良いのかというのが、綿貫教授の問題意識であった。
そこで、ブランドラブ、母子愛、恋愛を脳の活動で捉えるfMRI(機能的磁気共鳴画像装置)を使って脳機能実験を行なった論文を集め、それらの論文の脳活動の全データから、脳の活動箇所を数理統計手法で解析した。結果は、3つの愛は異なる脳領域で活動していたという。
- ブランドラブ:強化学習・長期的報酬期待に関する「背側線条体」や自己関連情報の「島皮質」
- 母子愛:絆に関する「淡蒼球」や共感の「楔部」
- 恋愛:短期的報酬期待に関する「背側線条体」や快楽的情動の「中脳領域」
であった。これまでのブランド戦略で無批判で母子愛や恋愛を応用する危険性がわかったことになる。綿貫教授の論文はこの分野への貢献は大きく、海外でも高い評価を得ている。ある脳神経科学者が「従来のマーケティングは診察を問診だけで済ますようだ」と述べ、これまでグループインタビューなどの問診はあったが、レントゲン診断にfMRIで脳活動を客観的に捉えることも重要であることが理解できる。両者の知見が実際は現場で役立つことを三浦教授は期待している。🩻🧠🚗🏍️📱🏦💵👕🧼📖👚📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏🇯🇵
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