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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:人手不足の功名」から

2023.3.31  日経産業新聞の記事「眼光紙背:人手不足の功名」から

逆説的だが日本企業のコンプライアンス意識が向上

コラムの著者は、中小・中堅企業の人手不足問題で、3月13日に岩手県釜石市で開催されたシンポジウム「スポーツ、ラグビーを通じた地方創生モデル創出」で登壇した青南商事(青森県弘前市)の安東元吉代表の講演を事例に考察している。

○採用される側は企業のコンプライアンスや社会貢献に注目している

 コラムの著者によると、安東代表は講演で、「クリーンな経営をしないと人材を確保できなくなる」と述べたという。つまり、ラグビーでは、悪質な反則を防ぐのはプレーヤーの善意に依存していると同様に、企業の経営者もそれに通じたところがあるという主張である。

青南商事は廃家電や自動車から鉄や非鉄金属を取り出すリサイクルビジネスを手掛けているという。人材採用の面では、イメージで苦戦しがちな業種である上に、地方都市に本社があるというハンディキャップを抱えている。それでも必要な人材を確保できているという理由が、安東社長のいう「クリーンな経営」にあるという。

社会貢献への関心の高まりは、事業を担う企業の姿勢を重視することに直結している。逆に法律の抜け穴を探したり、違反を隠蔽すれば、有能な人材は見切りをつけて辞めてしまう。そのようなイメージだけでも採用面は難しくなる。

コラムの著者によると、日本企業はコンプライアンスや企業統治の面で遅れていると欧米から指摘されてきた。人手不足が逆説的だが、まさに怪我の功名かもしれない。💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:1人の人生、複数社でビールに、顧客との共創が進化」から

2023.3.31  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:1人の人生、複数社でビールに、顧客との共創が進化」から

顧客との継続的に実施できる共創モデルも目指す

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、顧客との共創モデルの進化が新市場を拡大する好例を示しながら、進化の継続の重要性を説いている。

◯人生のストーリーを味わいながらビール体験

 西川教授は共創モデルの進化に関する好例として、サッポロビールの共創を軸にした事業である「ホッピンガレージ」を紹介している。

2012年に顧客の意見をもとにビールを開発する「百人ビール・ラボ」をSNS上に開設した。3商品が開発され、話題性もあり一般流通にも発売したが、売り上げは減少していった。結果、「参加者全員が作りたいもの」では個性が弱く、さらに年1回ほどの開発では、会員のコミュニティー運営も厳しい状態となっていた。

そこで次の責任者となった同社の土代裕也氏は、継続的に共創が実施できるモデルを模索し始めた。2018年にホッピンガレージを立ち上げ、1人の顧客の企画をもとに個性的な商品を開発し、月1商品の開発を目指した。しかし、新型コロナウイルスの感染が広がり、試飲会も開けず、新たな展開を模索しなければならなかった。土代氏は「ビールではなく顧客の人生ストーリーを深く味わいながら飲めるという『ビール体験』である」ことに気づいた。

魅力的な人物を探し出し、その人生ストーリーを語る中で味わいやパッケージで表現したビールを開発した。ビールをコンテンツと共に届けることでより深くストーリーを味わえる体験を設計し、2年で11商品を開発、隔月で常に新作が届く定期便もスタートさせた。

2023年2月からは、このモデルによるビールを社会全体に広げる「ホッピンフレンズプロジェクト」を開始した。自社だけでなく、提携したクラフトビールの各社が、顧客の魅力あるストーリーを元に独自のビールを開発・製造する。同社はそれらを仕入れ、同じストーリーの自社商品とセットで販売する。顧客はストーリーを楽しみながらビールで追体験でき、ブルーワーにとっては販路が広がる。顧客との共創モデルが1つでは限界も多い。諦めず絶えず見直し、共創モデルの進化を止めないことが重要である。🍻🍺🥤💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:NHKと民放、競争から協調関係へ」から 

2023.3.29  日経産業新聞の記事「トレンド語り:NHKと民放、競争から協調関係へ」から

今後テレビだけでなくNHKと民放番組を横断的に選べるサービスが求められる

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研フェロー)は、ビデオリサーチ社のACR/ex調査(2022年4月〜6月、東京50キロメートル圏で12〜69歳の男女4820人を対象)から算出したオッズ比(選択の重なり具合で1.0を超えると重なりが大きい)でNHK総合と民放キー各局の選択の重なりを分析して、テレビ以外のネットなどのプラットフォームでの需要を考察している。

◯NHKを見る人ほど民放も見る、NHKを見ない人は民放も見ない傾向

奥氏によれば、同調査のオッズ比の分析を電通が行った結果を見ると、視聴者の選択した局の重なり具合は、NHKを見る人ほど民放も見る、NHKを見ない人は民放も見ない傾向が見えてきたという。つまり、NHK総合と民放各キー局の相互間でオッズ比は1を超えて、NHK総合と民放キー5局の合計でもオッズ比は4.2と高い重なりを示してた。

つまりテレビ番組ではリモコン1つでチャンネルを選択でき、複数の放送局は競争関係ではなく、同じ視聴者を共有する関係とも捉えるべきことを示唆している。

視聴者は番組から離れるとき、ザッピングをする。この行動は味方を変えれば、「自局で維持する(自番組を視聴し続ける)ことができなかった視聴者は他局で一時的に預かってもらっている」と捉えることもできる。大事なのは、その後に再び自局に戻ってきてもらうことにある。

テレビではないネット番組の場合、スマホやタブレット、中にはテレビの別入力で視聴する場合も、テレビのリモコンようなNHKと民放の番組を横断的に選べるサービスを設計する方が、番組を提供する事業者(各局)側では合理的であり、視聴者の利便性を上げることにもつながると考えられる。📺💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:AI時代の研究者の適性」から

 2023.3.29  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:AI時代の研究者の適性」から

優れたアイデアと高い志が研究者の適性

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)によれば、人間の知能は人工知能(AI)から新たな挑戦を受けているという。研究者の知能も例外ではない。AIは情報の網羅性の点では人間を上回るが、研究者には優れたアイデアと高い志があり、AIもこれらは容易に獲得できないという。

○芸術家と同様に研究者には明確な適性がある

近年、日本の研究レベルが低下していると示すデータが多いと山﨑教授は危惧をしている。その原因の1つが研究者の絶対数であるという。博士号取得志望者の減少が続いており、将来を考えると深刻な状況である。

では、なぜ志望者が減ってきているのか。主な要因は、博士課程修了後の研究者の不安定な雇用形態にあるという。もともと日本の人材傾向は流動性が少ない上に、任期付きのポストが設定されている。大学生が進学して修士課程(博士前期課程)を修了すると多くは、雇用条件が安定した企業に就職する傾向が続いた。多くの大学や研究機関はこの問題点を認識し、有期雇用を取りやめ始めた。また大学側では大学運営費交付金の継続的削減といった背景もある。

大学生が研究者という道を選ぶ時、自分の適性をきちんと認識しているかも課題である。折角適性があるのに他の職業を選んだり、適性のない人が研究者を選んだりするとどちらも結果的に大きな損失となると山﨑教授は指摘している。また、芸術家と同様に研究者には明確な適性があると考えているという。研究者の適性は、優れたアイデアと高い志であり、適性のない人が努力でもって獲得するのは厳しい。優れた研究成果は容易に得られるものではなく、むしろ失敗の繰り返しで、これにめげない強い志に支えられた努力の結果得られるものだという。こうした厳しい仕事であるにも関わらず、好きな対象に挑戦できるという安易な認識で研究者の道を選んではいないだろうか。🏫文🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵