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2023.3.31  日経産業新聞の記事「SmartTimes:お客様か?顧客か?」から

米国では営業が安売りしない工夫をしている

日本には「お客様は神様」という暗黙の了解がある。欧米は顧客第一と謳うが、顧客ニーズに耳を傾ける意味であって顧客を神と崇めてはいない。企業は顧客が欲しいものを提供しているわけで、両者の関係はあくまでも対等である。コラムの著者  古市 克典氏(Box Japan社長)はシステム障害などの事故の場合の日米の対応の仕方の違いから企業への影響について考えている。

○欧米は原因報告よりも応急措置や再発防止を優先

 古市氏によれば、企業と顧客との関係性はシステム障害発生時の対応にも影響を及ぼすという。障害が発生すると、日本の一般的な企業では、お客様に向けての原因究明や復旧対応の逐次報告を行う。一方、米国では顧客は、システムの運営会社に対して応急措置や再発防止を求め、顧客への報告は二の次になる。障害対応のエンジニア数には限界があるため、米国では、その労力を顧客対応ではなく、システム対応に注力することができる。顧客は企業に厳しく要求しない分、システムの安定性や機能に不満があれば、顧客は日本企業よりもあっさりと他社のサービスに乗り換える。

さらにリスク管理以上に重要なのが営業や販売の姿勢が「お客様は神様」発想の問題にもなる。日本では低価格で販売することが理想とされる。企業努力でコストの上昇分を吸収し、販売価格を据え置くことが求められる。しかし、利益が減り、新製品の開発や事業開発が満足にできなくなる。国内の価格競争で疲弊し、世界での競争で勝ち抜く体力まで奪われる。

一方、米国企業では、大量販売によるコスト圧縮を戦略としている一部を除き、高い価値を顧客に伝えて、その対価を顧客に払ってもらうことに注力している。ICTやシステムインテグレータではその傾向が強い。しかし、顧客にITサービスの複雑で高い付加価値を実感してもらうことは難しい。営業は低価格で売ろうとしてしまう。ただ米国では営業が低価格で取引しない工夫を施している。そのために顧客に複雑なITサービスの価値を実感してもらい、相応の価格を支払ってもらうために、顧客の事業の分析や戦略を徹底的に調査し、当該サービスを導入することでどのように活用すれば顧客にとって価値あるものとなるかを提案する。科学的な営業スキルを磨くことに積極的に時間とコストをかける。また、営業の報酬は売上高に連動し、少しでも高い価値で売るように動機付けしている。その結果高い利益率を確保し、従業員の報酬が上がり、提案に必要な研究開発にも投資できる。📲💰💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸

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