【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:相づちコミュニケーション」から
2023/01/10
2022.12.23 日経産業新聞の記事「SmartTimes:相づちコミュニケーション」から
高コンテクスト言語では米国製のビデオ会議では支障が?!
コラムの著者 栄籐 稔氏(大阪大学教授)がNTTコムウェアの役員と遠隔対話サービスがどうあるべきかを論議した時、相手は「日本ならでは」のシステムが必要だと言う。日本語特有の課題が背景にあり、独特の「相づち」に合意形成を制御する役割があると言う。
○合意形成を制御する相づち
栄籐教授によれば、日本の遠隔会議で参加者が10人を超えても相手はほぼ無言で聴いていて、相手の反応が見えず、活発な対話を前提とした遠隔会議システムではコミュニケーションに良き効果が出ていないと言う。
そこでNTTコムでは、会議中のリアクション表示を絵文字で表示できると言う。つまり相づちである「ですよね」、「やっぱり」、「さすが」、「遅くなりました」などの感情表現や「聞こえません」といった疎通確認までワンクリックでできるようにした。また、名前を出さず、その会議の結果に満足かそうでいないかという「空気を読む」投票機能もある。米国製の表現とは粒度が違う。賛否両論あろうが、日本語の高コンテクストではこのような配慮が必要かもしれない。
一方、発言者以外の商談相手が話を聴かないで資料を先めくりすることがある。言葉が中心の低コンテクスト言語系では発言内容が中心であるが、日本では話者の言葉より資料の文字の方が重視される。そこで同社のシステムでは、話者の発表スライドや発言に関係なく資料を手元で前後を確認できる機能がある。
多くの日本の会議でも傾聴モードから発言に移る場面があるが、そこでの「雰囲気の共有」が重要で、欧米のように言葉で意思を伝えることとは異なる。日本の対話は、文脈・状況の共有から意思を伝える高コンテクスト性がある。
日本語から英語への翻訳も難しい。「あの時のアレ、どうなった」を英訳するのは非常に困難である。さらに、「ええ」、「はい」、「ほんとに」、「なるほど」といった言葉が頻繁に使われ、日本語が母国語でない人からは同意しか聞こえない。この相づちを頻繁に入れて微妙に合意形成を制御するのが日本語の会話様式である。
このような特徴を考えるとまだまだ遠隔会議システムの進化が必要であろうと栄籐教授は示唆しており、相づちコミュニケーションは侮れないという。🛕🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇺🇸
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