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2022.12.13 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:スタートアップと倫理観」から

世界的にゼロ金利に近い環境が起業家と投資家の緊張感やガバナンスが形骸化

コラムの著者 伊佐山 元氏(WiL共同創業者兼CEO)によれば、「次のスティーブ・ジョブズ」と言われたシリコンバレーの血液検査会社セラノスの創業者エリザベス・ホームズの禁固刑や「次のウォーレン・バフェット」と言われるまで成功した仮想通貨業界の風雲児サム・バンクマン・フリードが創業したFTXの破綻は明らかに倫理性の欠如にあったという。

○「次のスティーブ・ジョブズ」や「次のウォーレン・バフェット」の倫理性

 伊佐山氏によれば、エリザベス・ホームズの場合は血液検査が多くの疾患の診断が可能だと投資家や患者の期待を寄せた上で1兆円を超える企業価値をつけたが、内部告発で杜撰な経営と、虚偽や詐欺が明らかになり破綻した。

 伊佐山氏によれば、エリザベス・ホームズの場合は血液検査が多くの疾患の診断が可能だと投資家や患者の期待を寄せた上で1兆円を超える企業価値をつけたが、内部告発で杜撰な経営と、虚偽や詐欺が明らかになり破綻した。

 サム・バンクマン・フリードの場合はFTXの連邦破産法第11条の適用を申請した。この破綻は、「仮想通貨業界のリーマン・ショック」と呼ばれるほど業界にマイナスインパクトを与えた。サム・バンクマン・フリードはピーク時は純資産で3.6兆円超にも膨れ上がり、積極的な政治献金、慈善団体への寄付、さらなる仮想通貨の規制に歩み寄る姿勢を示していた。ただ彼の帝国はあっけなく最期となった。破綻要因はいまだ解明中であるとされているが、公開情報だけでみても顧客資産の流用やコンプライアンス意識の欠如、杜撰な投資戦略や会社資金の私的流用など倫理性を欠いている。

伊佐山氏がいうように起業家にとって社会課題解決に対する意欲、新技術に対する情熱、競争心や虚栄心は使い方のよっては他者に対して強い武器であろう。だが経済環境がこれを悪い方向に持って行ってしまった。世界中が一時ゼロ金利に近い経済環境で、スタートアップ業界に大量の資金が流れ込むと、苦労せずに起業家は資金を得て、投資家もいかに資金を潤沢に投入できるかといった異常な図式となってしまった。投資家と起業家に本来あるべき緊張関係はなく、ガバナンス関係も形骸化していった。多くの資金や過大な名声を得る舞台に立ってしまうと、優秀な人間も狂わせ、多くの人間を不幸にする表裏一体の関係となっている。関係者には高い倫理観とリスクを取る起業家と投資家のお互いの尊敬と規律が必須になる。👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵

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