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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:ノーベル物理学賞に見る学問の『用・不要』」から

2022.12.14  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:ノーベル物理学賞に見る学問の『用・不要』」から

受賞者たちの精神は、応用への関心ではなく、真理を求める純粋な好奇心と逆境に対する強靭さ

コラムの著者 筒井泉氏(高エネルギー加速器研究機構 特別准教授)は、現代の最先端である量子情報科学が、半世紀も前の研究者の時流にも乗らず研究者としての評価も失墜されかねないノーベル物理学賞受賞者たちによって切り開かれたものであることを語り、学問とは何かを示している。

◯森鴎外も自著の史伝小説「渋江抽斎」に学問の意義を示している

 筒井准教授によれば、森鴎外は同著の中で「学問は直ちにそれを習熟し何かに適用してみせるようなものではなく、一定の距離と時間を置くことで初めて大きな成果が得られる」と述べた。今回筒井准教授が紹介している、ジョン・クラウザー、アラン・アスペ、アントン・ツァイリンガーの3人はノーベル物理学賞に鴎外の言及と一致していることを語っている。

2022年のノーベル物理学賞は21世紀の革新的技術とされる量子情報科学の開拓に寄与した基礎物理学の上述の3人の研究者に与えられた。彼らの功績は「量子もつれ」といわれる、一般的でなく非常識な現象を実証したことであるという。

この実証は、自然科学の大転回をもたらすことになり、量子情報科学はこの非常識な現象を応用した最先端科学であるという。

今回の研究の発端は、量子力学に対する深い疑念からでアインシュタインが1935年に指摘した。量子力学は古典力学では説明できない現象を実証したが、それが予言する量子もつれ現象は「奇怪な遠隔作用」とよび哲学的議論だとされ、放置されてきた。

1964年、英国のベルがアインシュタインの疑念の成否を実験的に検証する方法を発見する。この考えに従って、量子もつれの不可解な性質が現実のものとして実証したのが、受賞した3人の研究者であった。

重要なことは、彼らが実証した研究は当時の時流からほど遠く、特に初期の実験が行われた70年代から90年ごろまで、多くの研究者も奇異の眼で見ており、誰もが認めないどころか、研究者としての評価を失墜させるとさえ考えられていた。さきの森鴎外の言葉通りである。

まさに、受賞者たちの精神は、応用への関心ではなく、真理を求める純粋な好奇心と逆境に対する強靭さがあった。🏅📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵🇳🇴

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