【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:顧客との新市場創出、相互利益が成功のカギに」から
2021/11/02
2021.10.29 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:顧客との新市場創出、相互利益が成功のカギに」から
アンバサダーには共同開発の体験と広告収入の褒美
コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、ワークマンが作業服から機能性ウェアとして新市場に乗り出した事例を考察している。
◯SNSではなくブログやYouTubeから探索
西川教授によれば、用途を顧客とともに開発し、インターネットで共同開発を進め新市場を創ることができることをワークマンの事例で紹介している。
同社は、既存事業である作業服市場が飽和する中で、機能性ウェアとしての拡大を目指していたという。社員は作業着を着ないので顧客の声が役だったという。新市場では作業服以外の用途で着ている顧客の声に注目した。そんな中、2019年溶接工用の服への問い合わせが増えていることに気付いた。年間売上5千枚というマイナー商品で不思議なことである。ネット検索をすると、サリーさんのSNSの写真を見つけた同社企画部長が、メッセージで問い合わせると、焚き火の際に火の粉がとんでも穴が開かないことが着用理由であることが判明した。
サリーさんに直接インタビューして、
- 脱着がしにくい
- 髪の毛が絡む
- 化粧品が落ちる
といった不満があることがわかった。これを聞いてすぐにサリーさんに共同開発を打診。これでコットンパーカーを開発した。その開発状況もサリーさんの情報発信となり、1週間で2万枚を完売した。改良品も30万枚が売れたという。これを機に、猟師やバイカーなどとの顧客による共同開発関係で新商品が生まれた。このようなサリーさんのような顧客を同社ではアンバサダーと呼び、同社へのエンゲージメントをSNSではなくブログやYouTubeなどで判断して、自薦他薦を問わず受け付けず、募集もせず、同社が探索することで得た。
アンバサダーは無報酬であるが、同社のイベントや勉強会に参加でき、参加によっていち早く商品情報を発信でき、貴重な共同開発も体験できる。また、アンバサダーは自らのブログなどPOPやカタログで紹介され、フォローワーも増え広告収入も増える。こうした相互効果が成功のカギになっている。🩺💊🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍📶👦👧💡🇯🇵
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