【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:EVにも水素のリスク」から
2021/08/29
2021.8.23 日経産業新聞の記事「眼光紙背:EVにも水素のリスク」から
EVでは無縁と思われていた水素だが
水素リスクとは無縁と思われているEV(電気自動車)だが思わぬところに水素リスクがあるとコラムの著者は指摘している。
○縁の下の力持ちのベアリングに水素が災い
コラムの著者によれば、水素の持つ負の面である「脆(ぜい)化」がEVなどに水素のリスクを生じさせているという。脆化とは、水素に触れるとさまざまな物質が劣化する現象であるという。これまで、水素エンジンが普及しなかった要因もこの脆化である。
しかし、トヨタ自動車が水素を直接燃やす水素エンジンを開発し、24時間耐久レースに参戦して完走させた。これにより、排ガスに二酸化炭素を含まず、EVでなくてもカーボンフリー車ができることを世界に示した。もちろん、今回の水素エンジンは脆化対策をいくつも施し、同じく水素を燃料とする燃料電池車(FCV)の技術も動員したという。
EVに生じる水素はベアリングであるという。ベアリング製造の大手NTNの先端技術研究所では、そのメカニズムを解明している:
- クルマの軽量化に伴ってポンプが小さくなり潤滑油の供給量が減るにも関わらずモーターの回転数は急激に増える。ベアリングにとっては過酷な条件となる。
- 潤滑油の膜の一部で途切れ、ベアリング内面を保護する酸化鉄層が摩耗する。
- 露出した金属の地肌とベアリングのボールに挟まれた潤滑油が分解して水素が発生する。
- 地肌内部の入り込んだ水素で、1200マイクロメートルという超薄の金属膜が剥がれ落ちる。そのごガタガタとベアリングは揺れ始め、最後は役立たなくなる。
このメカニズムに対して、NTNは金属を窒素処理して強化し、微細な金属化合物を表面に分散させて水素の発生と浸透を抑えたベアリングを開発した。EVを支える技術はどうやらリチウムイオン二次電池だけでなく、脆化対策したベアリングにもあるようだ。📺🎥🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕🌏🇯🇵
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