【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:真の利益とは、コロナ禍生き抜く力」から
2020/12/23
2020.12.18 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:真の利益とは、コロナ禍生き抜く力」から
価格を1%上げることができれば利益は10%増える
コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、世界的に著名なマーケティング学者のフィリップ・コトラー教授が主導するワールド・マーケティング・サミットに参加し、そこでの世界的なコンサルティング会社、サイモン・クチャーアンドアンドパートナーズ会長のハーマン・サイモン氏の講演について語っている。
◯費用を効率化で下げるのが経営学、価格を上げるのはマーケティング
三浦教授によれば、同サミットは先月、世界100カ国以上にオンライン配信で行われ、世界のCEOや学者、研究者などが総勢80名のスピーカーが登壇したという。その中で企業の利益について語ったのが、ハーマン・サイモン氏であるという。
これまで利益率は、国、業種、企業によって大きく異なることは知られている。国内再生産(GDP)と企業の利益率の関係を見ると、ロシアやブラジル、インドなどの新興国が高利益率であるのに対して、日本や独仏米などの低い。つまり、新興国では、経済が発展段階で利益率は高い一方、リスクも変動性も高い。先進国では、企業間競争が激しく、利益率を下げるが、新興国では競争は激しくなく、利益率を稼げるという。
業界別では、
- 製薬:21.7%
- IT・デジタル:13.9%
- 自動車:7.4%
になっており、企業別では、インターネット(GAFAなど)、エレクトロニクス(サムスン電子)、銀行(JPモルガンなど)で突出した利益率の企業が多い。この事実に対して新型コロナウイルスの感染拡大後で企業格差を乗り越える利益獲得には、
- 利益=価格X数量ー費用
が参考になるという。利益はこの式の3要素で決定されるが、影響の要素は異なる。各要素を1%変化させると利益率がどれくらい変わるかという利益乗数(利益弾力性)というが、価格が10、費用が6であり、価格を1%上げることができれば、利益は10%増える計算となる。では、いかに価格を引き上げるかはマーケティングの分野で、費用を効率化で下げるのが経営学の分野となる。つまり、利益を多角的に見ることとマーケティング戦略に大きく関わる価格の重要性を再認識すべきであろう。✏️🗒💰🕶🚗🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏🇯🇵
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