【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:時価と定価、チェーン化の功罪」から
2020/10/22
2020.10.16 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:時価と定価、チェーン化の功罪」から
自然相手にチェーン化が生んだ歪み
コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、さんまの不漁で価格が上昇していることを例に、小売業における農産物や海産物の扱いについて考察している。
○価格は需給のバランスの上に立つが
横山教授は、現代で普段使いのもので「時価」となるものを買う感覚はないという。しかし、定価あるいは定価から割り引いて購入するものの中に、本来は時価であることが自然なものがあるという。
それは、自然相手の農産品や海産物であるという。今年は、さんまが不漁で価格が上がったが、理由は秋の味覚を楽しみたい人(需要)は例年通りであるが、漁獲高(供給)が例年の同時期に比べて極めて少ないからである。このように価格は需給のバランスで決まるが、自然環境に左右される物の供給は時として不安定になる。
だが、小売店やスーパーマーケットに行って買う農産物や水産物は、おおよそ価格が決まっているものである。それは、横山教授によれば、小売業者のチェーンストア化にあるという。その理由は:
- 仕入れ数量を増やすことで生産段階で生じた「規模の経済」を享受できる
- 同じ品揃え、価格、サービス、雰囲気を同じにするオペレーションで実現する標準化戦略で、そうすることでチェーン全体が管理しやすくなる
- 常連客を囲うために価格の変動は避けたい
である。しかし、一方で農産物や水産物が自然相手でウィークポイントとなる。そこで、
- チェーン全体で標準化を放棄する→管理しにくくなる
- チェーン自体の規模を小さくする→規模の経済の優位性がなくなる
- 旬のものを低価格で提供することを諦める→顧客の支持が得にくくなる
どの対策も一長一短で悩ましい結果となる。🛒🍆🍅🐟🏃♀️🚥🏪😷🎁🎓🏪🚚📦💡⚡🌍🏪🇯🇵
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