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2020.2.27  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:TLO、デファクト標準を目指す開発へ」から

オープンイノベーションへの挑戦が必要

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、大学から企業への技術移転機関(TLO)のこれからのあり方を提唱している。

◯特許は守りに強いが、攻めるには時間がかかりすぎて非効率

 山﨑教授が指摘しているのは、TLOが大学から生み出された独創的な研究成果を特許化し、企業に実用化した成果を大学の研究者に還元すると同時に、経営の原資を得るというビジネスモデルから国内向けからグローバル化する中では厳しい状況にあることである。

理由は、特許化して利益を得る過程に時間がかかりすぎるということである。つまり、特許化が発明者に独占的な権利を認めることではあるが、それまでの労苦に報いる最善策であるかどうかということである。利益を生むまでに時間がかかり、しかも研究開発の過程が閉鎖的であるということも課題である。技術開発の競争が国内だけでなくグローバル化している状況から、技術の融合が進み、変革のスピードが加速しているために、必要な技術を広く速やかに入手できる体制が望まれている。オープンな市場で必要な時期に必要な技術を入手できることが、今では可能となってきているという。

技術開発の成果をデファクト標準として普及させ、開発の成果を拡大する戦略をとるなら、研究開発の過程を囲い込まず、支持するグループ内でオープンにして支持者をさらに広げ、開発を促進する方が標準化戦略では有利であろう。大学と企業との連携においてもオープンな研究開発が望ましい。大学は新しい知を獲得し、構造化して教育を通じて共有財産として成果を社会に還元できる。特許化が守りには有効であるが、攻めるには著しく効率が悪い。特許の古い縛りから開放したTLOを考えなばならない。🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🧪🔬

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