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2020.3.12  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:社会における科学素養の重要性」から

幕末の黒船来航時の社会環境

 コラムの著者 筒井泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、新型コロナウイルスの感染拡大にふれ、日本での科学的素養がこれまでどうであったかについて考察している。

◯科学的素養の有無は危機管理の基本

 筒井氏が今回の新型コロナウイルスの感染拡大での政府対応が混乱の中にあるとのが透けて見えるという。そこで歴史的な騒動で思い出されるのが、ペルリ艦隊の黒船来航があるという。

当時の狂歌にに、

「泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船をもじったもの、極上茶)
 たった四杯で夜も寝られず」

という幕閣の狼狽ぶりを揶揄したものがあるという。さて、一般の庶民はどう受け止めたのか。

その事情を伺わせるものに明治の文筆家 塚原渋柿園の随筆があるという。幕臣の子として生まれた彼が幼い頃に通った寺子屋の師匠は、習字や算術を教える間に天体物理にも明るかったという。当時の知識層は、蘭学など科学的啓蒙書の翻訳を手に入れて西欧科学の素養を得ていた。そのような状況で、蒸気船を直接みてもそれ自体には大きな驚きはなかったようだ。また、幕末の諸外国からの侵略に備えて大砲など防衛兵器を必要としたが、専門家がなくても、曲がりなりにも使用可能な大砲を鋳造することまでやり遂げている。当時の職人の試行錯誤と科学的素養がなければ実現しないことである。維新後もアジア諸国の中でいち早く近代化できたのも科学的素養によるものであろう。今回の新型コロナウイルスの感染に対する対応も、最新の科学的素養が重要であるのは間違いない。🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵

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