【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:消費者調査の課題、多様な関わり注視」から
2020/03/16
2020.3.13 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:消費者調査の課題、多様な関わり注視」から
調査対象のバイアスが課題
コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、新製品・サービスでの購入意向や顧客満足度を調査する場合、自社の好意的な顧客の意見にはバイアスが含まれていることに注意したいと述べている。
◯多様な顧客との関わりを持つ
小野教授は、企業が消費者調査を行う機会は多いが、回答結果を素直に読むだけでなく、調査に伴うバイアスにも配慮して読み解く必要があると指摘している。完全にバイアスを除去することは難しいが、できるかぎりバイアスが出ないように信頼性の高い調査設計とデータ収集を行うにはリサーチャーやアナリストのノウハウが必要となる。
課題は調査の対象が、調査内容である企業に対する嫌悪があることでバイアスが発生することにある。つまり調査対象の相手を選択した段階で起こるバイアスで選択バイアスと呼ばれている。特に企業が保有する会員リストに調査依頼すると、その回答は好意的な傾向となり、好ましい結果が出て来ることは要注意である。さらに、調査を終えても課題がある。調査を協力した回答者は評価した製品・サービスについてより好意的になる傾向がある。これを単純計測効果という。これにも注意が必要である。
一方、SNSなどの普及で顧客からのフィードバックは、企業が依頼する調査にとどまらないという。SNS、ブログなどへの投稿。コンタクトセンターや店頭でのコミュニケーションなど多様な機会がある。このような顧客行動は、内容が例え否定的であっても、企業からみれば1つのエンゲージメントとみることもできる。単純にSNSのフォロワー数やツイート、コメント、いいねの数だけでなく、調査への協力、クレーム、謝辞やお褒め、問い合わせ、リクエストなども含めて考えることもできる。こうした顧客のエンゲージメントが企業に対するロイヤリティに繋がる可能性もある。バイアスは出来る限り除くべきだが、その意味を多様な手段で活かす視点も重要であると小野教授は示唆している。📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍💡📶🇯🇵
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