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2020.3.24  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:原発、住民の信頼獲得が要」から

明暗を分けた福島第1と女川原子力発電所

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、両原子力発電所の状況の差異が損害の大きさを大きく変えたことについて触れている。

◯世界原子力発電事業者協会から東北電力は原子力功労者賞を受賞

 9年前の2011年3月11日に東日本大地震と津波が発生した時、東京電力の福島第1原子力発電所と東北電力の女川原子力発電所では損害が大きく異なっていた。自身の揺れを検知し、稼働中の原子炉はすべて自動的に制御棒が挿入され、原子炉は停止した。地震発生から約1時間後高さ13メートルを超える津波が襲来。状況は大きく変わった。

  • 福島第1原子力発電所では海水が侵入して大きな損害を受け、低地に設置された非常用の発電設備が破壊された。これにより原子炉のの冷却ができず、さらに炉心が溶融した。
  • 女川原子力発電所では敷地の高さが若干高かったおかげで致命的な破壊を避けられた。非常用の発電設備は高所にあったために破壊を免れて、3基の原子炉は安全に停止した。

東北地方は明治三陸津波や昭和三陸砺波など大きな被害を経験していることから、発電所敷地の高さを余裕を見て14.8メートルとした決断が結果を大きく左右したとした。さらに女川の場合、地元では地震で多くの住民が津波などで家を失った。女川原子力発電所は300人を超える避難者を受け入れ、建物内に収容した。非常食の限られた中で避難者を優先した。国際原子力機関(IAEA)は専門家による女川の現地調査をおこなったが、地震と津波に襲われながら安全に停止し、厳しい状況にもかかわらず、驚くほど設備が損傷を受けていないという調査報告を発表した。世界原子力発電事業者協会から東北電力は原子力功労者賞をこの功績によって受け取った。確かに敷地の高低差の問題もあるが、原子力発電所と地元住民との信頼関係の差異ともよめる。これに対し、福島第1原子力発電所のトリチウムを含む廃水の処理問題を地元との信頼関係で進められるか。🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵

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