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2020.1.9  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:未来を読むセンシング技術」から

俯瞰的イメージとセンシングシステムが予測を支援する

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、気象衛星による台風の進路予測が、気象衛星による視座と俯瞰的な気象モデルによってもたらされ、このようなセンシングシステムが社会に大きな影響を与えることを示している。

◯技術は社会にとって諸刃の剣

 過去が変えられないが未来は変えることができることから将来に備えることができる。本当に欲しい情報は、既に起こった過去の情報ではなく、将来起こる事象の情報と言える。とくに災害の発生が予めわかれば社会に大きな貢献をすることになる。

気象衛星からの画像と数値解析の気象モデルを利用して、台風の進路や強さを監視できるようになったことは、これまでの天気図での予測よりも精度をあげることができるようになったという。台風の位置を宇宙から気象衛星で正確にわかるようになった視座と、構築された気象モデルから時間的な変化が正確にわかるようになったことで予測可能となった。

肝心なのは台風そのものを抑え込めなくても災害を減らすことができたことで、センシング技術の大きな社会貢献と言える。このような考え方は人間に予知能力の大幅な拡大を与えることになる。情報には広域性と同時性が必要で、対象(気象モデルの場合は台風など)に接触せず、むしろ距離を置いて俯瞰的なイメージをつかめる。これによって対象の全体像を把握することができる。さらにモデルのリアリティーを強化するために実測データを含めると全体像の精度が向上する。気象モデルでは定点観測データである。

気象モデル以外に、俯瞰的センシングシステムとして監視カメラがあると、山﨑教授は示唆している。監視カメラをネットワーキング化して、人間社会の俯瞰的イメージと、それから人々の挙動を記述するモデルの研究も進められている。これから台風の進路のように、未来の社会の動きが予知できることができる。この予知で、交通状況を予測して、渋滞や交通事故の防止に役立てることもできる。ただ、これを悪用すると、監視社会を生む可能性もあり、技術は諸刃の剣である。📸🚗☀️☔️🌀💻📺🏢💡⚡️💻🌏happy01📂🌍🇯🇵

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