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2019.5.28  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:温度が生まれた歴史」から

熱と温度の区別は18世紀

 コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回の物質の三態(気体、液体、固体) に引き続き熱と温度について語っている。

◯19世紀後半に熱力学が急速に発展

 和田教授によればマクロ世界の熱はミクロ世界での分子運動エネルギーで、その量は温度で表す。したがって熱平衡にある2つの物体は温度が等しい。熱力学ゼロ法則と呼ぶ経験則によれば、物体Aと熱平衡にある物体Bをさらに物体Cと触れさせても、やはり熱平衡になる。AとCを直接触れさせなくても、物体Bを温度計としてAとCの温度が等しいか調べられる。

温度の概念はギリシャ時代から、熱さ・冷たさをそれぞれ数段階で表すことが医学で行われていたが、連続量として考えられるようになったのは近世であるという。その後、空気の熱膨張を示す装置は紀元前2世紀ごろギリシャのヘロンらが考案したが、16世紀末にガリレイらがそれを温度計として利用した。17世紀になると気体温度計も改良してアルコール温度計が発明された。18世紀の英国でブラックらの比熱の研究は熱と温度を区別させた。その後、熱学は急激に発展し、熱力学の第1法則、第2法則が19世紀に生まれた。温度は熱と区別された概念となり、絶対温度の基礎も与えられた。その後、気体分子運動論、統計力学によって、熱現象は原子と分子の運動として理解されるようになった。🥵📘🔧🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡☁️

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