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2019.5.14  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:気体の状態式、実在を目指し発展」から

理想状態と実在状態での差異

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、物質の三態(気体、液体、固体)での分子の振る舞いを表す状態式について解説している。

◯ボイル・シャルルの法則からファン・デル・ワールス状態式へ

 物質は非常に多くの分子で構成されている。従って、ミクロの視点でみると変数が非常に多くなる。マクロの視点で見ると、状態量は、圧力のp、体積のV、絶対温度のTで書くことができる。1molという一定量の気体では、この関係式は気体定数と比例関係Rをつかって、

pV=RT

とかけ、これをボイル・シャルルの法則という。実は、和田教授によれば、このボイル・シャルルの法則は、理想気体にたいしてのみ成立する。これ以外に実在の気体や液体、固体にも様々な状態式が存在するという。理想気体では、分子同士の間での力が働かない理想的な気体の中だけではある。しかし、現実の気体でも常温、常圧であれば十分な精度で使える。ただし、絶対零度に近い低温、また高圧では精度が落ちることが知られている。

そこで、オランダの物理学者、ファン・デル・ワールスはより完全に表せる状態式を提唱した。1873年のことである。そこで、気体の種類によって決まる定数が含まれることになった。これが、ファン・デル・ワールスの状態式である。

最近は、統計力学で実在気体、不完全気体に対しても理論体系が確立してきている。📘🔧🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡☁️

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