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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:人が築いたスポーツ文化、ビデオ判定にない魅力も」から

2017.11.10  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:人が築いたスポーツ文化、ビデオ判定にない魅力も」から

人の判定をプレーヤーや観客が納得することに意味がある

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、東大が開発した1千分の1秒で画像を認識する超高速センサーのスポーツ応用について、機械対人間の視点で考察している。

◯ジャンケン対戦では機械が100%の勝率

 山﨑教授によると、東京大学情報理工系研究科の石川正俊教授が開発した超高速画像センサーで、ジャンケン対戦を行えば、機械が100%勝つという。つまり、相手の手を人間よりもお速く認識し、ジャンケンの「後だし」を行うことになる。人間には感じない速度であるから、完全に負けるというわけだ。このように勝負の世界で機械による判定をこのなうことも少なくない。スポーツでは、野球や相撲、テニス、レースなどビデオ判定などで行うことがある。

今回のような超高速センサーを使うと技術的に人間が判定できない時間での判定ができるが、人の判定をプレーヤーや観客が納得することに意味がある。また、テニスなど回数に制限はあるが、機械での判定が正しいとされることも問題がある。つまり、スポーツの文化を機械の力で変質されてしまうことに違和感を感じるという。

翻って、スポーツ以外の産業界ではすでに計算や検索など人間以上の能力を機械が持っている。そこでは、人間は処理スピードの勝負ではなく、機械が不得意な応用に向かうべきではないかと山﨑教授は示唆している。🎓📓⚡️💻🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:言語力の育成、読書や作文を通じて」から 

2017.11.10  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:言語力の育成、読書や作文を通じて」から

シニアの活用も

コラムの著者 関沢 英彦(発想コンサルタント)は、博報堂生活総合研究所や全国学校図書館協議会の調査などから小学生などの読書傾向から言語力向上の課題についてふれている。

○多読者と不読者の二極化とその要因

  読書週間に関連して深沢氏は、小学生の読書傾向について調査した。博報堂生活総合研究所や全国学校図書館協議会の調査などから、1か月の平均読書冊数は小学生4年生から6年生で11.4冊、中学生は4.2冊となっている。一方で、1か月に1冊も読まない「不読者」は2000年半ばまで減少傾向であったが、その後改善していないという。多読者は20年間で確かに大きく伸びたが、不読者は横ばいで、多読者と不読者の二極化が進んでいるという。

読書は言語力を高める基本である。幼児では思っていることをすべて話すが、やがて伝達のための言語と思考のための言語に分化するという。読書は、言語を内面化して思考を深めるために重要な役割を担う。

問題は二極化した背景である。子供の貧困率の上昇が問題化した時期と二極化の時期が重なっており、経済的な格差が家庭での教育基盤を崩し、読書習慣の無い子供たちを増やしているようだ。

各自治体は、経済的な支援を行ってはいるが、その際に地域の退職者が読書や作文を通じた言語力支援をしてはというのが関沢氏の提案である。費用も掛からず、思考力を高めるには効果的な提案でもある。🏫📚💻🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:サウジ反腐敗闘争、深まる石油大国の闇」から

2017.11.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:サウジ反腐敗闘争、深まる石油大国の闇」から

親交のある中国政府と同じ政治闘争

コラムの著者は、サウジアラビアで起こっている汚職容疑で異様な粛清劇が展開しているのではないかと語っている。

◯パーレビ王朝を彷彿

 同国でサルマン国王の息子のムハンマド皇太子に権力を集中させ、来たるべき王位継承を安定化させるための粛清と多くのメディアが示唆している。だが、こういった手法はこれまでの部族のバランスをとり、取引と妥協を重ねるアラブ的な政治闘争ではなく、「反腐敗闘争」で政敵を潰し、権力を固めた中国の習近平政権と酷似している。

サウジにとって中国は最大の原油輸出先であり、昨年1月に習近平国家主席が同国を訪問している。同国が中国のやり方にならった?と思われてもしかたがない。

問題は王位継承後の安定性が、この粛清でかえって復習を呼び、国王暗殺が起こるような状態になれば、イランのパーレビ王朝のような強権政治、秘密警察、軍依存になるのではないかとの危惧がある。取り越し苦労であればよいが。🚗👑🇨🇳⛽️🏨🏢⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:物理学の片隅にあった液晶」から

2017.10.27  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:物理学の片隅にあった液晶」から

構成分子の特徴を利用

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、物質の三態、気体、液体、固体の分類からちょっと変わった液晶の位置付けとその応用について語っている。

◯いまや電子機器には不可欠な液晶部品

 物質の三態、気体、液体、固体の分類の裏をかく、液晶。流動する液体でありながら、要素となる分子が配向していて結晶的な構造を持つ。ところが意外に、この液晶は物性物理学の片隅にあったのが、今や時代の寵児となったことだという。

液晶ディスプレーはデジタル化した電子機器の普及によってごく一般的な表示装置になった。それには液晶の使い勝手の良さがあるという。要素分子は、棒状や平板状で、極端に非対称である。それだけにプラス、マイナスの電荷の隔たりが大きく、屈折率も非対称となる。これは、電場によって屈折率を変化させ、電気情報を光学情報に変換できることを意味する。これが、機械的な仕掛けを不要として、表示装置として簡単に利用できる特徴だという。🎓💎🌁⚡️happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:縦のオープンイノベーション」から

2017.11.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:縦のオープンイノベーション」から

世代を超えたオープンイノベーションができるかが課題

コラムの著者は、何とか会社幹部や経営者が自前主義でなく、大学や他社、VBと密接に連携してオープンイノベーションを進めることが重要であるとの認識が出来始めてきたという。残されるのは「縦の」オープンイノベーションであるというが。

◯日本企業はイノベーションが大切と口ではいうが本音は会社組織を守りたいだけか

 これは、東京大学のAIの専門家である松尾豊准教授のことばである。つまり、折角、大学で苦労して育てた人工知能の若い専門家が企業に就職しても力を発揮する機会が与えられていないという。

日本の大手企業の多くは未だに年功序列が基本で、研究開発部門でもそれは同じ。そこでは、「AI以前」の研究部門幹部が力を振るい若い世代の発想や提案が生かされないという。

この「縦の」オープンイノベーションが進まないと、声高のオープンイノベーションも頓挫しかねない。若い世代の抜擢や思い切った人事政策がまだまだ必要であろう。 🎓💻🏨🏢⚡️🌍happy01