【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 統計力学、機体のマクロとミクロ結ぶ」から
2017/02/01
2017.1.27 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 統計力学、機体のマクロとミクロ結ぶ」から
膨大な数がなせるわざ
コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、森羅万象のマクロ(巨視的)世界にミクロ(微視的)世界が多重に入れ子になった広がりであることから、今回はその橋渡しをする「統計力学」について語っている。
◯莫大な数をならし巨視的な視点を与える統計力学
森羅万象はマクロとミクロの多重、入れ子になった世界と和田教授は示唆する。きっかけとなったのは、気体の運動でマクロ世界では、成分のモル数・温度・容器の体積・圧力を関係付ける「熱力学」で体系化されている。気体は多数の分子から構成されているという観点に立って、気体の示す諸性質を理論的に解明しようという試みが、気体分子の運動論で、これが一般化されたのが統計力学である。
マクロとミクロの両世界を結びつけるのが統計力学である。要素数が膨大であるからこそ、原子・分子という粒子を塗り潰してならしてしまう統計的手法が使える。
例えば気体の圧力は、気体分子が容器の壁に衝突して壁に与える力(撃力)の時間と壁面の面積でならした平均的な力だという。膨大な数であるから個々の粒子の相互作用を律儀にいれて計算はできないことから、その複雑さのおかげで原子レベルでの力学法則と確率論を合わせて統計的に演繹する統計力学が生まれた。💡
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