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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:ファンケルのサプリCM、老眼表すしぐさ絶妙」から

2016.11.21   日経産業新聞の記事「拡大鏡:ファンケルのサプリCM、老眼表すしぐさ絶妙」から

アクションの伴うネーミング

コラムの筆者 岩永 嘉弘氏(ネーミング&コピーライター)は、ファンケルの手元のピント力をサポートするサプリの「えんきん」のCMでのアクションについて注目している。

○類人猿ボノボの老眼のしぐさ

京都大学霊長類研究所が類人猿ボノボのしぐさを観察したところ、どうやら彼らの老眼の進行は人間と同じと分かったという。岩永氏は、そのしぐさをユーチューブでみて、老猿が腕を伸ばして毛づくろいしているシーンを何かににていると気に留めていた。

それは、ァンケルの手元のピント力をサポートするサプリの「えんきん」のCMで、初老と中年の男性が2人、腕を伸ばしたり縮めたりしながら、

  • 「もしかして、これですか」
  • 「うん、これだよ」
  • 「きてるね」
  • 「きてます」

という短いアクションが、えんきんのアイコンになっているという。

ネーミングが、言葉印だとすれば、アクションはまさに目に見える「目印」だという。目の老化問題とその対策は高齢化社会ではニーズがあり、そこに焦点をあてた商品が「えんきん」。その機能効能を親近感のある言葉と目印で発信したところが、シニア世代には受け入れられやすいという。

ちなみに、先の事例では、類人猿ボノボの研究では、人の老眼は読書やパソコンなどの目の酷使で進む、つまり文明病の部分があると思われていたが、それとは無関係で、猿の老眼も進行することがわかったという。ヒトの老眼は特別だというのは一種のうぬぼれのようである。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:株式市場、酉年も騒ぐ?」から

2016.11.18   日経産業新聞の記事「眼光紙背:株式市場、酉年も騒ぐ?」から

ブリグジット、トランプラリーの後、来年は?

コラムの著者は、相場の格言で「申酉(さるとり)騒ぐ」と言うことから、来年酉年も株価の乱高下が予想されると示唆している。

◯事前のマスコミ報道が覆るのも厳密に見れば予想可能であった

申年の今年は大荒れの株式市場であった。日経平均株価は大発会を1万8450円の年初来高値でスタートしたものの円高転換で崩れ、ブレグジットで年初来安値1万4952円まで下げた。

8月以降は、円安転換もあり株価は徐々に上昇。だがトランプ米新大統領の誕生で予測されたリスクで下げると思いきや、米議会で共和党勝利でねじれがなくなったことを好感して安心感が広がり、株価が上昇してトランプラリーになった。

ブレグジットや米大統領選がマスコミの予想と大きく違ったのは、旧来型の分析手法の限界と常識いとらわれすぎた評論家のいい加減な発言を信じたからだという。

酉年は、中国の経済悪化、ドイツなどの経済悪化、韓国の朴大統領の問題で北朝鮮が暴発するのではないかという憶測もある。株価安定には材料が足りない状況だ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:近代西欧科学の道程、アラビア文化圏で発展」から

2016.11.18  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:近代西欧科学の道程、アラビア文化圏で発展」から

イオニア学派から発展

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、サイエンス思考の起源を求めて歴史を紐解いている。

◯意外にローマ帝国はサイエンスの基礎を発展継承できなかった

サイエンス思考は、エーゲ海東部のイオニア地方の都市国家ミレトスで誕生。古代ギリシャの哲学者タレスからアナクシマンドロス、アナクシメネスと続くイオニア学派が生んだという。さらに、この科学を持ち込んだのはギリシャ文化の中心tなった都市国家アテナイである。この都市国家の黄金時代を築いた政治家ペリクレスの友人の哲学者アナクサゴラスだあった。

その100年後、遊学を終えたアリストテレスがマケドニアの支配下となってしまったアテナイに戻り、北東郊外のリュケイオンに学校を開く。だが、アリストテレスの死後、科学研究の中心は、エジプトのアレクサンドリアに移る。そこでは王が学術研究の殿堂「ムセイオン」を建設しサイエンスを推進する。アテナイの哲学的議論から脱し、組織的で精密な学問として成立した。

繁栄を極めたギリシャもやがて衰え、土木・水道などのテクノロジーに大きな歴史を刻んだローマ時代も、サイエンスの基礎を継承発展はできなかった。ギリシャ科学はローマ帝国の分裂後東ローマ帝国に移り、さらに8世紀半ばのアッバース朝成立後、カリフの庇護のもとバグダッドを中心とするアラビア文化圏で発展した。

これを西欧社会は逆輸入的に、ギリシャの科学書をアラビア語訳からラテン語へ12世紀に移り、スペインから、また同時にシチリア島を中心にギリシャ語から直接ラテン語訳して輸入した。

14世紀にはオスマン帝国の圧迫で多くお学者がイタリアに移住し、ギリシャ語写本を翻訳した。13世紀末から15世紀までのルネサンス期にはラテン語訳、近代語訳となる。

アラビア文化圏は一種の保護の役割を担い、西欧科学がここから出発したとは興味深い。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:倒産王か再建王か」から

2016.11.17   日経産業新聞の記事「眼光紙背:倒産王か再建王か」から

それは次期大統領の商務長官候補

コラムの著者は、米次期大統領ドナルド・トランプ氏の商務長官候補にかつて倒産王とよばれ、その後再建王の異名をもつウィルバー・ロス氏について触れている。

◯1990年ハゲタカ投資家として日本に登場

ロス氏はかつて、石油メジャーのテキサコやコンチネンタル航空など大型倒産を仕切っていた。当時の投資銀行ロスチャイルドの幹部だった。このとき、倒産によって失業者が出ることを恐れるより、倒産によって業界全体の過剰設備が解消されれば設備稼働率が上がり、新規に雇用ができるという持論があった。

トランプ次期大統領が1990年、ニュージャージー州のカジノへの過剰投資で倒産の瀬戸際に立たされたとき、債権者代表として対峙したのがロス氏であった。このときは「倒産を恐れない」という持論は出さず、トランプのブランド価値を認め、債権見直しを行い、トランプ氏を救った。

また、日本でも、旧幸福銀行や旧東京相和銀行などの破綻案件を手がけたロス氏は、今度は再建王という異名をもつようになった。

米新政権にとって、ロス氏は米経済の劇薬的な効果をもたらすかもしれない。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:新奇性のある事業、実現性・市場性で判断」から

2016.11. 17   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:新奇性のある事業、実現性・市場性で判断」から

企画段階でのクラウドファンディングは有効

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、拙著でも述べているように、「売れるか/勝てるか(市場性)」「できるか(実現性)」「儲かるか(成長性)」と同様に新規事業での検証には不可欠であることについて述べている。

○キュレーターが選定

西川教授は、斬新であればあるほど理解されにくく、成長性や採算性に疑問符がつくことが多いと指摘する。そこで、企画段階での小口資金調達であるクラウドファンディングなどを利用するのも有効な手段だという。

インターネットで仲介するサイバーエージェント・クラウドファンディング(東京・渋谷)の運営する「MAKUAKE(マクアケ)」では、申請は誰でも良いが、約10人のキュレーターが、プロジェクト申請者と直接あるいはオンラインで面談を行う。そこでの審査の基準は、売れる売れないだけでなく、商品がきちんと製造され、届くかという実現性を重視するという。さらに、これをクリアすると、事業全体のビジネスモデルがしっかり考えられているかを検証するという。つまり、企画書だんかいでここまで確認される。

新奇性のジレンマを克服するために、実現可能性と市場性を分けて判断するところがユニークである。企業内の企画でも、売れるか/勝てるか(市場性)」「できるか(実現性)」「儲かるか(成長性)」を推進することを勧める。pchappy01