Previous month:
2016年9 月
Next month:
2016年11 月

2016年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:メディアの変化、現実の世界自体も拡張」から

2016.10.6  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:メディアの変化、現実の世界自体も拡張」から

AR、VR、そして現実の全てが「新しいリアル」

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、いとうせいこう氏の小学生を主人公にネットゲームとリアル世界との相互作用を描いた小説「ノーライフキング」(1988年刊)のキーフレーズを出し、、企業も消費者も「新しいリアル」を駆使する時代になったことを説いている。

○「僕たちは新しいリアルです」

三浦教授によればこれは同著のキーフレーズだという。つまり、AR、VRも現実さえも境目がなく、「新しいリアル」であるという。これを伝えるメディアも大きく変わったという。

企業側には、トリプルメディアとよばれる、⑴ペイドメディア(マス媒体など)⑵オウンドメディア(企業のホームページなど)⑶アーンドメディア(フェイスブックやツイッターなどのSNS)が扱えるようになった。昔は⑴のみであった。いまは企業自らメディアを持てる、⑵である。無料のSNSにうまく情報が載せられれば、効果絶大である。

さらに企業の情報提供は消費者側も変えた。いまや消費者は情報消費者ではなく、ユーザー・ジェネレーレイド・コンテンツ(UGC)としてBlogやSNSで情報を提供する側にもなり得る。

20世紀のメディア論の大家だというマクルーハンは、

「技術やメディアは、人間の身体の拡張である」

と喝破した。

  • 手の代わり;石おの
  • 足の代わり;車輪
  • 耳の代わり;ラジオ
  • 目の代わり;テレビ

のように技術やメディアの発展で人間は身体能力を拡張してきたという。

インターネットでは、現実世界だけでなく、仮想(ネット)世界まで身体能力を拡張した。もう、そこには「新しいリアル」しかなく、どこまでが仮想でどこまでが現実であるかという分類も無意味になってきている。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:トランプ勝利のリスク」から

2016.10.5   日経産業新聞の記事「眼光紙背:トランプ勝利のリスク」から

経済的大波乱を含み

コラムの著者によれば、9月26日に第1回テレビ討論が行われた米国大統領選挙戦の行方について経済的な視点で米国内、国際的な影響について述べている。

◯トランプ候補の勝利は世界の株式、為替、債券市場に大波乱を起こす

テレビ討論では政策論争ではなく相手候補の非難合戦で終始、中身のないものとなった。マーケットの視点か見るとトランプ候補の何をするのかわからない点が最も大きなリスクであるという。 トランプ候補の対外政策と国内政策について見てみよう;

  • 環太平洋経済連携協定(TPP)にも、既存の北米自由貿易協定(NAFTA)も欠陥ありとして反対、修正をせまっている。
  • 中国や日本を為替操作国と非難。
  • 米アップル社などを念頭に海外生産を米国内生産に変えさせると主張

つまり、保護主義、ドル安政策、資本移動の自由の制限を主張していることから世界経済の停滞は避けられない。 一方、国内経済政策は、

  • レーガノミックスと同様、大型減税と規制緩和で成長を促進するというもの。

しかし、現在はグローバル化が進み、世界経済が低迷すれば米国自身が影響を大きく受ける。

世界経済を悪化させる政策と米国経済を刺激する矛盾した政策は、5年間でGDPを5パーセント押し下げるという。財政赤字の拡大も必至で、トランプ候補の勝利は世界の株式、債券、為替市場の大波乱をもたらすと、コラムの著者は警戒している。

camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: スマホアプリ、世界中への旅、後押し」から

2016.10.4   日経産業新聞の記事「風向計: スマホアプリ、世界中への旅、後押し」から

最先端ICTサービスで遠隔地から

コラムの著者 広田 周作氏(電通コミュケーション・ プランナー)は、Googleが発表した「グーグルトリップス」というサービスから近未来の生活や仕事の変化について語っている。

◯旅とは体験の総合体で、イノベーションの最前線がわかる

同社のグーグルトリップスは、旅行先の都市名をアプリに入力することから始まる。

  • フライト情報、レストラン情報の提供 ・1日のお薦め街歩きマップの提供→同社グーグルマップに連動さらに、これらの情報は、将来個人別にAIなどでカスタマイズされるという。

考えてみれば従来の旅行代理店での旅券や宿泊手配といったことも今は不要になってきている。

  • 航空券や ホテルの予約→エクスペディア、トリップバイザー、スカイスキャナー
  • 民泊なら→エアービーアンドビー
  • 現地での交通手段→米ウーバーテクノロジーズの配車アプリ
  • レストラン予約→オープンテーブルで空き状況確認

といった具合である。ビジネスツールもファイルの送受信や共有も可能で多くの仕事が日本にいなくても旅先からできる。

フィンテックの進化で通貨の両替や送金の必要も不要となろう。自動翻訳サービスで言葉の壁も低くなろう。自動運転による移動も実現し公共交通機関のあり方も変わっていくだろう。

旅は、移動、宿泊、ショッピング、人との出会いなど、いわば体験の総合体であるといえる。そこにはイノベーションのタネがある。camerahappy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:失敗の歴史に学ばなければ」から

2016.10.4   日経産業新聞の記事「眼光紙背:失敗の歴史に学ばなければ」から

ジャパンディスプレイ(JDI)とエルピーダメモリの類似性

コラムの著者は、JDIの先行きが危ぶまれる中で、2012年に破綻したエルピーダメモリとの類似性を指摘する。

◯時の政権の意向で方針変更何度も起こる政府系金融機関

JDIの弱点は、頼みの主力取引先である米アップルの「iPhone」の販売不振である。8月の初旬に筆頭株主である政府系ファンド、産業革新機構への金融支援要請が発覚。さらに、

「アップルの部品サプライヤーに止まらないことを示すことができなければ政府はJDI株売却を検討するとの考えを示した」

と世耕弘成経産相のインタビュー記事を米ウォール・ストリート・ジャーナルが掲載し波紋が広がったという。

かつて、「日の丸半導体」の看板を掲げたエルピーダメモリが2012年に経営破綻したとき、坂本幸雄・元社長は日本政策投資銀行から300億円の出資を受けたことを悔やんだという。時の政権の意向でクルクルかわる政府系金融機関の姿勢に経営が振り回されたからである。

「日の丸液晶」の看板を掲げるJDIも酷似しているだけに、前回の失敗を学ばなければならないだろう。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:進む自動化、人のスキル低下どう防ぐ」から

2016.10.4   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:進む自動化、人のスキル低下どう防ぐ」から

最も進んだプロセス産業に学ぶ

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続き、自動化技術が進歩する中で人と機械との変化について考察し解決すべき課題を指摘している。

◯発電所、製鉄、石油化学の巨大な設備を持つプロセス産業を先行事例としてみる

1960年代から自動化技術は、発電所、製鉄、石油化学の巨大な設備を持つプロセス産業で発展し、生産設備は省力化され、生産に従事する人は設備の動作を監視することが主な仕事となった。

異常が発生したら、設備全体を理解した人ができるだけ生産を止めないで、異常を処理することが要求された。異常時には機械は頼りにならず、人が頼りである。

しかし、人にとっても運転の継続か停止かを判断し、適切な処置をするのは容易でない。さらに不適切な処置で問題が拡大し、収拾がつかないことも増えてきだした。早期に生産を停止させ、事態の悪化を防ぐ方向に転換した。

これらの課題を解決するのは

  • AIなどで機械の知識を強化して人への依存をなくす
  • 完全自動化ではなく、人と機械が長短所をお互いに補完する方向である

後者の方法は新幹線の運転方式である。人が運転して加速や減速を決めるが、速度超過などの異常時には機械がシステムを支配する。自動化といっても人が役割を分担するのであれば、人の知識と判断を重視し、相互に補完するのが合理的である。

人の役割を増やすか減らすかは、人への信頼にも関わってくる。pchappy01