【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:コストパフォーマンス、評価基準、品質か価格か」から
2016/09/06
2016.9.1 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:コストパフォーマンス、評価基準、品質か価格か」から
低価格商品やサービスに消費者が慣れた?
コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、サービス産業生産性協議会がJCSI(日本版顧客満足度指数)調査で2009年から継続的に収集してきたブランド傾向を見ながら、コストパフォーマンス(知覚価値)について語っている。
○品質ベースと価格ベースの評価は常に表裏の関係
今消費者の製品に対する評価する目が新たなステージに進んでいると、小野教授は示唆している。コストパフォーマンスは、「コスパ」や「お買い得感」などと呼ばれ、知覚価値とも言われる。つまり、コストパフォーマンスは消費者が受け取った便益が自分の支払った対価に見合っているかの度合いを表す。
小野教授が見ているサービス産業生産性協議会がJCSI(日本版顧客満足度指数)調査で2009年から継続的に収集してきたブランド傾向から
- ユニクロや回転寿しのスシロー;低価格路線で業績を伸ばしたブランでは、緩やかに低下してきている
- ヨドバシカメラが展開するECサイト「ヨドバシ・com」はここ数年上昇傾向にある
このことは、
- 品質ベース:自分が得たサービスの室を考えた場合、支払った価格は見合っているか
- 価格ベース:自分が支払った価格に対して、品質は見合っているのか
といった、一見にてはいるが、消費者が品質と価格のどちらを基準に考えているかを示し、表と裏の評価が異なる場合があるという。
- マクドナルド、スシロー、小売のOK、カット専門店QBハウス、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションなどの低価格のビジネスモデルは価格ベースでの評価が高いが、ブランドは限られている。価格という指標は他ブランドと比較しやすくブランドスイッチ(乗り換え)も起きやすいという。
- 劇団四季や帝国ホテルは品質ベースでの点数が高いグループ。おしなべて高い顧客満足を得ているのは品質ベースが高いブランドに多い。興味深いのは、もともと価格ベースの「ヨドバシ・com」が品揃え、配送条件、在庫情報確認など評価されており、品質ベースでも高い評価をうけていることである。
どうやらブランドもコストパフォーマンスの良さを価格ベースでなく品質ベースでも評価される時代に変わってきたようである。
コメント