【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:車と道路の相乗的発展、日本では理解に遅れ」から
2016/09/20
2016.9.16 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:車と道路の相乗的発展、日本では理解に遅れ」から
宅配便が発展した現代とは隔世の感
コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、日本では欧州とは異なり、車と道路の関係で交通インフラが成長してこなかった点で歴史的な見解を語っている。
◯車輪は運輸、交通の革新的な発明
和田教授によれば、車輪は地上を走る交通機械の生命だという。軸は回転に対して地面から一定の高さにあることから、位置エネルギーの損失がない。さらに、運搬物を引きずったときの地面との摩擦を、細い軸と軸受けで、地面との摩擦を極限化、極小化した。さらに近代のボールベアリングの発明で、軸の滑り摩擦もほぼゼロでロスがない。
しかし、肝心の道路が凸凹であれば役立たない。これを解決するために、1つは上下動がない軌道(レール)を敷く方法と、キャタピラのような無限軌道をつける方法がある。後者は、道路の凹凸を吸収するために、軸のものを載せる台の間に板バネなどでショックを和らげ、タイヤで吸収する必要がある。
日本では、平安時代などの牛車のような、権威誇示のための装飾などへの展開はあったが、車輪の改善と道路の改善は並行して進まなかった。クッション機構も理解されなかった。
道路の改善は、徳川幕府の国内統治の視点から大量物資の移動も禁止されたことも原因で進まなかったようだ。
自動車大国で、宅配便をはじめとする物流網が発達した現代社会とはまさに対照的である。
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